特集:平成時代の自治体職員
平成元年生まれの自治体職員もまもなく30歳。これから数年で自治体のエンジン役として活躍する世代だ。平成の時代になって入庁した職員は50歳前後。自治体の中核を担う存在となっている者も多い。平成の時代の自治体職員は分権や行革、合併の荒波の中、もがきつつもこれまで凌いできた。そして目の前に迫るのは未知の人口減少社会。平成時代の自治体職員像(その知恵と技)を探りつつ、ポスト平成時代の職員像を展望したい。
■平成時代の自治体職員
/稲継裕昭 早稲田大学政治経済学術院教授
■自治体職員の働き方と承認欲求
/太田 肇
■2040年から見た自治体職員
/牧原 出
〈平成自治体職員の知恵と技〉
■いつの時代も基礎自治体職員は最強だ!
/前田 真
■誰も取り残すことなく、未来の子どもたちが誇れるまちをつくっていきたい
/平野真夕
■与えられた仕事にやりがいを見いだし、情熱を持って働く「格好いい職員」に
/根岸舞子
■「議会愛」をモットーに「個を活かしたチーム力」を発揮
/岩﨑弘宜
■自治の主役はいつの時代も生活者
/中西大輔
■未来への責任を果たすために、実践の中で自分の存在価値を問い続けたい
/奥山高起
■まちは“誰かのもの”ではなく“みんなのもの”
/板持周治
■「適応力」と「判断力」そして「〇〇感」を大切に
/安冨圭司
■「つながり」のその先に、新しい成長が待っている
/杉村昌樹
■「私たちの努力で、次の世代を女性リーダーの最後の世代にすることができるかもしれない」
/村川美詠
■「立方体ネットワーク」の構築
/前城 充
〈職員OB研究者からのエール〉
■ポスト平成時代の自治体職員に期待する
──職員像の観察から
/津軽石昭彦
■インボルブ(involve)する力、インボルブ(involve)する職員
──なぜ、皆、あの人に動かされてしまうのか
/佐藤 徹
■自分の業務を客観的に見て、時代の変化に対応していく職員に
/鏡 諭
■憲法価値を体現する自治体公務員
/鈴木秀洋
スキルアップ特集:自治体オフィスの改革&活用を考える
日々、多くの市民などが訪れる役所は自治体のシンボルとも言えます。お客様が快適に利用でき、ニーズに応じた効率的なサービスを提供するために、どのような工夫が必要でしょうか。自治体オフィスの環境整備は、市民はもちろん、毎日そこで働く職員にもよい変化をもたらすでしょう。市民サービス向上につながり、職員も元気に働けるオフィスの改革&活用を考えます。
〈取材リポート〉
◇職員の人材育成につながるオフィスレイアウト改革を実施
/静岡県
◇庁舎前広場と会議室の利活用でにぎわいと活気を創出する
/群馬県富岡市
◇「甲府らしさ」をキーワードに、快適で利便性の高い庁舎を実現
/甲府市
スキルアップ連載
■管理職って面白い!
/定野 司
■ファシリテーションdeコミュニケーション
/加留部貴行
■職場の問題解決!事例で学ぶ人財マネジメント講座
/高嶋直人
■クレーム対応駆け込み寺
/関根健夫
■一歩前へ!30代に贈る“錆びない”自分磨き
/堤 直規
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●Governance Focus
□プラスチックごみ問題は、資源循環型社会づくりの試金石(上)
/河野博子
●Governance Topics
□マニフェスト大賞の優秀賞受賞者らが事例発表
/LM推進連盟・関西勉強会
□自治体でもEBPMの推進を
/広島県がEBPMシンポジウムを開催
□縮減社会の「合意形成」のあり方とは?
/合意形成研究会がシンポジウムを開催
取材リポート
□平成にっぽんの首長 自治の自画像/鈴木周也 茨城県行方市長
「情報発信日本一」、そして「市民協働・共創」によるまちづくりを。
無作為抽出による市民が中心になって総合戦略を策定した茨城県行方市。「市民協働・共創」を政治理念に据える鈴木周也市長にまちづくりの方向性を聞いた。
□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
山形で浪江の酒を造る【福島酒6年連続日本一の秘密(3)】
原発事故、続く苦悩
津波に丸呑みにされただけでなく、原発事故にも追われ、山形県米沢市まで避難した福島県浪江町の鈴木酒造店。だが、人々に支えられて酒造を再開させていく。海に消えた蔵の酵母が県に保存されていると分かり、「蔵の命」を取り戻すことができた。会津の蔵が、「タンクも人も貸すので自由に造ってみろ」と言ってくれた。山形で酒造をやめる蔵を引き継ぐ契約もまとまった。
□現場発!自治体の「政策開発」
各主体が役割を果たし持続する地域医療を確立
──地域医療を守り育てる基本条例(福島県いわき市)
医師不足と救急医療対応が課題となっていた福島県いわき市は、新市立病院や休日夜間急病診療所の整備とともに、行政と医療機関で連携して医師の招聘や医療従事者の育成の強化を図っている。また、市・市民・医療機関の果たすべき役割を明記した「いわき市地域医療を守り育てる基本条例」を制定。いわき市医師会を中心とした市民向け出前講座なども開催し、医療や健康に対する市民の理解を深める活動にも力を入れている。
□人口減少・地域再生に挑む/葉上太郎
木地師。追い詰められた「発祥」の集落
──滋賀県東近江市が画期的調査の一方で
木地師はロクロを使って木を加工する職人だ。木椀で食事をしてきた日本人にとって、なくてはならない職業だった。が、今では全国に200人ほどしかいない。明治維新後の国有林化で大打撃を受け、プラスチック製品などにも押された。木地師には発祥とされる土地がある。滋賀県東近江市の二つの集落だ。しかし、最奥部の山あいにあり、今にも消えてしまいそうだ。市は全国に呼び掛けて木地師の調査や発信事業を始めたが──。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
北海道から議会改革の新たなうねりを
──北海道自治体学会議会技術研究会、ローカル・マニフェスト推進連盟
北海道自治体学会議会技術研究会は11月24日、札幌市内で「自治体規模と議会改革」をテーマにした議会研究合同フォーラムin北海道を、ローカル・マニフェスト推進連盟は翌25日、同市内で「北海道の地方創生~災害を乗り越え、持続可能な地域をつくろう」をテーマに創生・北海道地区協議会設立フォーラムをそれぞれ開催した。両フォーラムとも、北海道から議会改革の機運を高めようと活発な議論が行われた。
連載
□続・アサノ・ネクスト 浅野史郎 どうする、どうなる小規模自治体の未来
□「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ/後藤好邦
住民を幸せにするために公務員の安定はある
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 佐藤一斎(九) 住んだことのない地域で顕彰の継続
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□ザ・キーノート/清水真人
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□自治体のダウンスケーリング戦略/大杉 覚
□「立法分権」の戦略/礒崎初仁
□AI・地域・幸福──自治体公共政策の新展開/広井良典+京都大学こころの未来研究センター+日立京大ラボ・北大ラボ
□いのち支える人々──自殺対策の現場から/玉木達也
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□地方分権改革と自治体実務──政策法務型思考のススメ/分権型政策法務研究会
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□自治体の防災マネジメント/鍵屋 一
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□もっと自治力を!広がる自主研修・ネットワーク
【全国自治体職員ネットワークサミット】
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□議会局「軍師」論のススメ/清水克士
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?』今村 寛]
カラーグラビア
□自治・地域再興
[西尾 勝・東京大学名誉教授]
地方分権改革の成果をもっとアピールすべき
1993(平成5)年6月の衆参両院による地方分権推進決議に端を発する分権改革は、95(平成7)年に発足した地方分権推進委員会の勧告に基づき、99(平成11)年に地方分権一括法が成立。地方関係者の悲願だった機関委任事務が全廃され、2000(平成12)年4月には地方分権一括法が施行された。この一連の分権改革の中心的役割を担ってきたのが西尾勝氏(東京大学名誉教授)だ。西尾氏に平成時代の自治、そしてこれからの自治のあり方などについて聞いた。
□山間海間/芥川 仁
武家文化の誇りが滲む鮭──新潟県村上市
□手業手技/大西暢夫
ハゼ農家があってこその和ろうそく──荒木製蝋株式会社(福岡県みやま市)
□ドキュメントW──戦火の日常を撮る/綿井健陽
書店街に込められた「自由」への思い
□クローズ・アップ
近所をつなぐ小さな清流──滋賀県近江八幡市安土町、北川湧水
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■DATA・BANK2019 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
●[特別企画]
□酒田のものづくり技術を発信「資源を有効活用した再生紙で紙飛行機教室」も開催
──さかた産業フェア2018(山形県酒田市)
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*「ご当地愛キャラ」は休みます。