自治体政策「人生100年時代」への視点
世界的なベストセラーになった『LIFE SHIFT』などをきっかけに、近年「人生100年時代」というフレーズがさまざまな場面で使われるようになった。日本人の寿命は戦後ほぼ一貫して伸び続けているが、「人生100年時代」には、単なる高齢化対策にとどまらない大きな意味がある。長寿化と同時に、健康寿命の延伸、少子化、人口減少、労働力不足、さらに第4次産業革命などが進む中で、社会保障や働き方、教育、人材育成など社会全体にかかわる見直しが求められているのだ。政府も「人生100年時代構想会議」を設置し、「人づくり」を中心に検討を行ったが、住民の暮らしや生活に密着する自治体では、より幅広い視点から「人生100年時代」を見据えた政策を進める必要があるのではないか。今月は自治体政策から見た「人生100年時代」について考えてみたい。
■「人生100年時代」と自治体政策のマルチスケール化/大杉 覚
■「人生100年時代」と自治体に求められる視点/前田展弘
■人生100年時代を支える「学び」──持続可能なまちづくりと住民の「楽しい自治」
/牧野 篤
■「人生100年時代」の健康寿命を延ばすまちづくり/井手一茂+近藤克則
■人生100年時代を“ライフシフト”で楽しむ/安藤哲也
〈取材リポート〉
◇人生100歳時代に向け、活動の場づくりと「未病」の改善を推進/神奈川県
◇人生100年時代の健寿社会モデルの構築へ「福岡100」を推進/福岡市
キャリサポ特集:「デザイン思考」のススメ「デザイン思考」を知っていますか?デザイナーの思考方法を課題解決やサービスの創造などに活かし、イノベーションを生み出していく手法です。最近、行政機関でも使われるようになってきていて、政府は「デジタル・ガバメント」推進の中で「サービス設計12箇条」や「サービスデザイン実践ガイドブック」を策定し、デザイン思考を政策の基盤とする方向性を打ち出しています。ここでは、自治体現場でデザイン思考をどう取り入れていくべきか、考えてみます。 ■デザイン思考と政策形成/奥村裕一 ■デザイン思考ができる組織風土と人材をどうつくるか/狩野英司 〈取材リポート〉 ■若手職員有志が“デザイン思考”で、「県民の本音」を起点にした政策形成の実現を提言 /Policy Lab.Shiga(滋賀県)
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巻頭グラビア
□シリーズ・自治の貌/青山 剛・北海道室蘭市長
市民が住み続けたいと思えるまち「誇り輝く室蘭」の実現を
連載
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 新・小島蕉園(五) 徳本流の医者になる
取材リポート
□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
夢酵母が酒質を向上させた【福島酒7年連続日本一の秘密(11)】
原発事故、続く苦悩
酒の発酵で鍵を握るのは酵母だ。福島県は独自開発した「うつくしま夢酵母」を持っており、これを使った多くの蔵が酒質を向上させた。一時は他の系統の酵母に流れが変わったが、近年また注目を浴びて、他県でも使いたいという声が出るほど評判になっている。福島県内ではこの酵母で将来を切り開いた蔵もあった。
□現場発!自治体の「政策開発」
ブロックチェーン技術で電子自治体を大きく前進
──加賀ブロックチェーン都市プロジェクト(石川県加賀市)
石川県加賀市は、民間企業と共同でブロックチェーン技術を用いた住民ID基盤を稼働。同時に、利用者の属性に応じて行政サービスをオンライン上で適切に提供するポータルサイトを公開し、サービスを開始した。加賀ブロックチェーン都市プロジェクトの第1弾として取り組んだもので、市民の利便性向上と新たな産業創出を図るのがねらいだ。ブロックチェーン技術を行政サービスに活用するのは自治体では全国初となる。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
「チーム議会」のあり方を多角的に議論──全国地方議会サミット2019
超党派の自治体議員や職員などで構成するローカル・マニフェスト推進連盟は8月1、2日の両日、都内の東京ビッグサイトで「チーム議会が地域をより良くする」をテーマに全国地方議会サミット2019を開催した。議員間や議会事務局、首長、さらには市民サイドから「チーム議会」のあり方を多角的に議論。議員はもとより、事務局職員や市民を含めた「チーム議会」として力を発揮することで地域の活性化、地方から国を変えていくことが強調された。
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●Governance Topics
□“保育の質”など、保育のあるべき姿について議論
/日弁連セミナー「保育所の今を考える」
□「議会改革のタマシイ」をいかに次代につなげていくか
/市民と議員の条例づくり交流会議2019
□地方創生における地方議会の役割などをめぐって議論
/全国地方議会サミット2019・国会議員セッション
連載
□ザ・キーノート/清水真人
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□自治体のダウンスケーリング戦略/大杉 覚
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□自治体の防災マネジメント/鍵屋 一
□Bizモデルの地域づくり/小出宗昭
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□いのち支える人々──自殺対策の現場から/玉木達也
□議会局「軍師」論のススメ/清水克士
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『ヒューマンエラーの心理学』一川 誠]
カラーグラビア
□技・匠/大西暢夫
和紙の状態で箔が決まる──製箔職人・中村製箔所(金沢市)
□わがまちの魅どころ・魅せどころ/静岡県川根本町
豊かな自然に囲まれた助け合い支え合いのふるさと
□山・海・暮・人/芥川 仁
不知火海の豊かさを最も知っている漁師たち──熊本県天草市深海町
□土木写真部が行く~暮らしを支える土木構造物
田井橋~台風災害からの復旧の証人
□クローズ・アップ/地域の伝統と人をつなぐ──相馬野馬追
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■DATA・BANK2019 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
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●[特別企画]
□ソサエティ5.0でめざす地方創生──地方自治情報化推進フェア2019
□聴覚障害者も楽しめる“映画のまち”を推進
──全国初、字幕対応スマートグラスの無償貸出を支援【東京都調布市】
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*「人と地域をつなぐ─ご当地愛キャラ」は休みます。