プレミアムPOCKET BOOK 伝わる! 信頼される! 「学校だより」のデザイン術 無駄な装飾はNG
『ライブラリ』シリーズ/特集ダイジェスト
2021.12.03
プレミアムPOCKET BOOK 伝わる! 信頼される! 「学校だより」のデザイン術
無駄な装飾はNG
佐久間 智之
(『新教育ライブラリ Premier』Vol.3 2021年8月)
タイトルや見出しを強調したいからと「巻物」や「よくわからない図形」などを使用しているものをよく目にする。実は文字を強調する場合に効果的な方法は「装飾しない」ことである。勘違いをしがちなのでポイントを押さえておきたい。
強調したい言葉があるときは他を装飾する
上に示した二つの見出し。どちらの方が分かりやすいだろうか。下の方がメリハリがあり、かつ「集団下校の日程」の言葉が目に飛び込んでくるであろう。実はサブタイトルを装飾した方がメインタイトルが目立つのだ。
装飾するときはシンプルな図形を使う
サブタイトルを装飾する方が伝わりやすいことは分かったが、では次に上記のサブタイトル「大切なお知らせ」を巻物と比較してみる。巻物の方はごちゃごちゃした印象になっているのが分かるだろうか。シンプルな方が見やすく伝わりやすくなるのでワードアートは使わない方がよい。
ここがNG
①誰に対してのお知らせなのかが目に入りにくい(この場合は保護者の皆様)。
②巻物や立体的な図形があるのでごちゃごちゃした見た目になっている。
③ポップ体なので幼稚な印象。
改善ポイント
タイトルは装飾しない
タイトルではなく「サブタイトル」を装飾する。これにより、対象者が明白になりつつタイトルも強調される。
巻物などは使わない
情報を伝えることが目的であるので、巻物や吹き出しなど余計な装飾をすると本来伝えたい文字の情報が伝わらないので使わない。
UDフォントを使う
この紙面では「BIZ UDゴシック体」の一種類のみ使用。太さと大きさのメリハリをつけ、紙面の統一感も出している。
Check
□ タイトルを装飾していないか
□ むやみに巻物など派手な装飾はしていないか
□ 意識してUDフォントを使用しているか
POINT:文字に効果をつけない
文字に効果をつけると見づらくなったり読みにくくなる。文字は「大きさ」「太さ」以外は手をつけてはいけない。
Profile
佐久間 智之 さくま ともゆき
早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員 厚生労働省年金広報検討会構成員 PRDESIGN JAPAN株式会社代表取締役
1976年生まれ。東京都板橋区出身。埼玉県三芳町で公務員を18年務め税務・介護保険・広報担当を歴任。在職中に独学で広報やデザイン・写真・映像などを学び、全国広報コンクールで内閣総理大臣賞を受賞、自治体広報日本一に導く。「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2019」受賞。2020年に退職し独立。現在は早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員、自治体の広報アドバイザー、厚生労働省年金広報検討会構成員などを務めるほか、企業のサポートをはじめ全国で広報、デザインや人材育成の研修講師として活動。著書に『Officeで簡単!公務員のための1枚デザイン術』『公務員1年目の仕事術』『PowerPointからPR動画まで!公務員の動画作成術』など多数。研修講師の依頼など問い合わせは『https://prdesign-japan.co.jp/service-seminar』まで。