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押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選

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押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選 Topics15 児童生徒の個人情報の利用と保護

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2021.02.26

押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選
Topics15 児童生徒の個人情報の利用と保護
個人情報保護条例

『新教育ライブラリ Premier』Vol.4 2020年11月

個人情報保護法制

 日本では、1980年代以降、地方自治体が牽引車となって、個人情報保護制度が徐々に整備されてきた。今日では、国の個人情報保護法制として、個人情報の保護に関する法律行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律などがある。前者は民間事業者、後者は国の行政機関を対象とする。他方、地方公共団体とその機関については、各地方公共団体が定める個人情報保護条例が適用される。公立学校は教育機関であって行政機関ではないが、この場合は地方公共団体の行政組織の末端に位置づけられ、学校が保有する児童生徒の個人情報は行政文書と見なされる。

個人情報の適正な利用と保護

 学校から持ち出した解答用紙や児童生徒の名簿を紛失したり、悪意の第三者がインターネットに接続されたサーバーから個人情報を盗み出したりする事案が多く報告されている。このため、今日では、個人情報保護は個人情報の第三者からの保護・秘匿と同義に考えられがちだ。

 そのため、個人情報を保護しつつ、その適正利用を確保するという個人情報保護制度本来の意義が見落とされがちだ。個人情報の保護に関する法律第1条には、この法律の目的として、「個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護する」と定めている。したがって、学校の運営上正当な必要性があれば、保護者から同意を得た範囲で個人情報を収集することは可能だし、保護者間で氏名や連絡先を共有するためのリストを作成して配布することも可能だ。

個人情報の真正性の確保

 もう一つ、日本で最初に注目されたのは、今日関心の高い第三者からの保護の問題ではなく、学校が作成・保有する児童生徒の学業成績や人物評価に関する評価情報を本人(保護者)に開示するか否かという問題だった。内申書に否定的な人物評価を記載されたために、高校入試で不合格となった元中学生からの訴えがよく知られている(麴町中学校内申書訴訟)。これを契機に、本人(保護者)から要請があれば、内申書や指導要録を開示するルールを定めた教育委員会もある。

 学校が作成した評価情報に誤りがあったり、思想信条の自由や信教の自由を侵害する観点から否定的に評価したりすることで、進学や就職で不利益を与えることがあってはならない。このため、個人情報の真正性を担保する意図から、個人情報の本人開示請求権が保障されていることにも留意が必要である。

 

[ライブラリシリーズ関連記事]
・リーダーズ3/連載「トラブルの芽を摘む管理職の直覚③」

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