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押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選 Topics7 児童生徒の安全確保に関する義務

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2021.01.17

押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選
Topics7 児童生徒の安全確保に関する義務
学校保健安全法

『新教育ライブラリ Premier』Vol.4 2020年11月

学校安全を確保する義務

 東日本大震災の津波被害に係る大川小学校事故訴訟において、最高裁(2019年10月10日)は、震災前の学校の防災体制に不備があり、校長や教育委員会等に過失があったとして、市と県に約14億3,600万円の支払いを命じた控訴審判決を支持する判決を下した。この判決により、学校には、不測の災害に備える安全対策が求められていることが明確に確認された。

 学校安全の確保に関して、学校・校長の責任はきわめて大きい。第一に、児童生徒等の安全確保のため、学校は学校安全計画を策定しなければならない。この計画には、少なくとも、(1)学校の施設・設備の安全点検、(2)児童生徒等に対する学校生活(通学を含む)及び日常生活における安全指導、(3)学校安全に関する職員研修、について具体的に記述する必要がある(学校保健安全法第27条)。

 第二に、校長は、学校の施設設備に学校安全の確保に支障となる事項があると認めたときは、「遅滞なく、その改善を図るために必要な措置を講じ」なければならない。また、学校において適切な措置を講じられないときは、学校は設置者に対してその旨を申し出なければならない(第28条)。学校設置者には、学校安全の確保のため、施設設備や管理運営体制の整備について必要な措置を講ずるよう務める義務がある(第26条)から、この申し出は教育委員会及び首長に対してその義務の履行を促す効果がある。

危険等発生時対処要領の作成と運用

 第三に、学校には危険等発生時において職員がとるべき措置の具体的内容及び手順を定めた危険等発生時対処要領を作成する義務があり、校長はこの義務履行に責任を負う(第29条第1項)。また、校長は、危険等発生時対処要領を職員に周知するとともに、危険等発生時において職員が適切に対処できるよう訓練を実施するなど、必要な措置を講じなければならない(第29条第2項)。

 大川小学校事故訴訟で裁判所は、危険等発生時対処要領の作成について、校長には高度な責任があると判断している。校長がその責任を果たせるよう、教育委員会や文部科学省によるさらに充実した支援が必要だ。

児童生徒等の心身のケア

 第四に、学校は、事故等によって児童生徒等に危害が生じたときは、当該学校の児童生徒、とりわけ事故等により心理的外傷その他の心身の健康に対する影響を受けた児童生徒等その他の関係者の心身の健康を回復させるため、地域の医療機関その他の関係機関との連携を図りつつ、必要な支援を行うこととされている(第29条第3項)。教育委員会だけでなく、首長部局の関連部局を含めて、行政との連携協力の確立が必要だ。

 

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・リーダーズ4・6/連載「トラブルの芽を摘む管理職の直覚④⑥」

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