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押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選

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押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選 Topics6 校内活動の危険分析と組織的対応

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2021.01.16

押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選
Topics6 校内活動の危険分析と組織的対応
アレルギー疾患対策基本法

『新教育ライブラリ Premier』Vol.4 2020年11月

アレルギーに起因する学校事故

 2012年に東京都の公立小学校で、乳アレルギーのある児童が、給食として提供されたチーズ入りのチヂミを食べて、死に至るアナフィラキシーショックを起こした。学校は児童に乳アレルギーがあることを把握しており、チーズ抜きのチヂミを調理員が直接手渡すなどの工夫をしていたが、児童からおかわりを求められた担任教師がチーズ入りのチヂミを提供してしまったのだ。しかし、関係した教師の責任を問うだけでは問題は解決しない。

 2013年には、運動誘発性の小麦アレルギーのある中学生が、給食で出された小麦を使用したサケのフライを食べた後、昼休みにサッカーをしたことがアナフィラキシーショックの引き金になった。エピペン® を打ち救急搬送した結果、生徒は1日の入院で回復した。学校は給食の前に体育の授業を設定するなどの対策を講じていたが、防ぎきれなかった。

自分のアレルギーに対処しきれない児童生徒

 こうした事件・事案が多発していることを受けて、2014年にアレルギー疾患対策基本法が制定された。この法律では、気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーその他アレルゲンに起因する免疫反応による人の生体に有害な局所的又は全身的反応に係る疾患を「アレルギー疾患」と捉え、国・地方公共団体等に必要な対策を講ずるよう義務づけている。

 学校の責任は重い。アレルギー疾患はその当事者自身の自覚的な対処も重要だが、児童生徒に、自ら十分に療養に関し必要な行為を行うことを期待するのは難しい。このため、学校設置者には、①アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減に関する啓発及び知識の普及に努めるとともに、②適切な医療的、福祉的又は教育的配慮に努めることが義務づけられている(第9条)。

学校の安全保護義務の履行を支える支援

 設置者・学校には、児童生徒が安全かつ健康に学校生活を送れるよう条件を整備する義務があるが、こういった問題は法律で誰かに何かを義務づければ解決するというものではなく、学校として事故を起こさない仕組みづくりこそ重要だ。

 学校での活動や生活は、給食、食物・食材を扱う授業・活動、紫外線下での長時間の屋外活動、プール指導、宿泊を伴う校外活動、体育・部活動、動物との接触を伴う活動、ホコリの舞う環境での活動というように、ある程度定型的に捉えられるから、それぞれについてアレルギー疾患のある児童生徒にとって危険な状況を分析し、文部科学省「学校給食における食物アレルギー対応指針」(2015年)や厚生労働省「アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針」(2017年)に準拠しつつ、各学校において問題を整理してあらかじめ対処計画や体制を整備することが大切だろう。

 

[ライブラリシリーズ関連記事]
・リーダーズ5/連載「トラブルの芽を摘む管理職の直覚⑤」

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