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押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選

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押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選 Topics4 全国一斉休校から学校保健安全の教訓を引き出す

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2021.01.14

押さえておきたい 最新「教育法令」トピックス15選
Topics4 全国一斉休校から学校保健安全の教訓を引き出す
学校保健安全法

『新教育ライブラリ Premier』Vol.4 2020年11月

新型コロナウイルスと出席停止・臨時休業

 学校保健安全法には、児童生徒の生命安全の保護と、学校を感染ルートとする感染拡大防止を目的とする措置として、①感染症にかかっており、かかっている疑いがあり、又はかかるおそれのある児童生徒の出席停止(第19条)と、②学校の全部又は一部の臨時休業(第20条)とが定められている。前者は校長、後者は教育委員会の権限に属する。

 新型コロナウイルス感染症は、「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令」(2020年1月28日)で指定感染症に指定されため、校長は新型コロナウイルスに感染した児童生徒の出席を停止させられることになった。

法的根拠を欠く全国一斉休校

 その後、文部科学省は2020年2月25日の事務連絡「学校の卒業式・入学式等の開催に関する考え方について」で、「政府として一律の自粛要請を行うものではない」としつつ、「感染が発生している地域」では「学校の設置者において、実施方法の変更や延期などを含め、対応を検討」するよう求めた。ところが、2月27日、当時の安倍総理大臣が突然、全国一斉に3月1日から春休みまで休校(正確には上記第20条に基づく臨時休業)するよう要請したため、文部科学省は2月28日に「新型コロナウイルス感染症対策のための小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休業について」を出し直した。文部科学省はこの通知で、法的根拠のない内閣総理大臣の要請だけを理由に、臨時休業を「お願い」した。しかし、これを受けて、3月1日以降、ほぼ全国一斉に臨時休業(休校)が始まった。周知のとおり、感染者が一人も確認されていない地域にまで臨時休業を求めることの正当性には疑問の余地がある。

安全確保と教育活動の継続

 学校・教育委員会には児童生徒の安全を確保する義務があるため、感染症による生命や健康の危険があれば、出席停止や臨時休業を行う義務がある。ただ、その場合、児童生徒の教育を受ける権利を一時的にせよ制限することになる。今回の全国一斉休校によって、このことが誰の目にも明瞭になった。

 そのため、これらの措置をとるとき、学校・教育委員会は、①措置の必要性、②合理性、③法令適合性、④最小限度の権利制限、⑤事後的回復措置の可能性を考慮しなければならない。つまり、感染症対策で学校を止める場合は、措置の否定的な効果も考慮して、合理的な判断が必要だ。しかし、今回はこれらがほぼすべて省略されてしまった。

 もしもここから教訓を引き出すとすれば、感染症による学校危機については学校保健安全法には特段の定めがないが、自然災害などの緊急事態に関する「危険等発生時対処要領」と同様、学校・教育委員会として危機管理マニュアルの策定や資材備蓄を自発的に進めるべきだろう。

 

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・プレミア1・2/連載「ホンキの『カリマネ』実現戦略①②」
・プレミア2/特集「新型コロナから子供と新課程を守る処方箋」

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