新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業等に伴い学校に登校できない児童生徒の学習指導について(通知) 2 文科初第87号 令和2年4月10日

トピック教育課題

2020.04.11

2 文科初第87号
令和2年4月10日

各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各都道府県知事
附属学校を置く各国公立大学長    殿
小中高等学校を設置する学校設置会社を
所轄する構造改革特別区域法第12条
第1項の認定を受けた各地方公共団体の長

文部科学省初等中等教育局長
丸 山 洋 司
(印影印刷)

 

新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業等に伴い
学校に登校できない児童生徒の学習指導について(通知)

 

 各設置者及び学校等におかれては、新型コロナウイルス感染症対策のため、令和2年3月24 日付け元文科初第1780 号文部科学事務次官通知「令和2年度における小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等について(通知)」において示した「Ⅰ.新型コロナウイルス感染症に対応した学校再開ガイドライン」(以下「学校再開ガイドライン」という。)及び「Ⅱ.新型コロナウイルス感染症に対応した臨時休業の実施に関するガイドライン」(令和2年4月7日改訂。以下「臨時休業ガイドライン」という。)等を踏まえて、学校の再開又は臨時休業等の措置を講じていただいているところと存じます。

 この度、4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24 年法律第31 号)第32 条の規定に基づく「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」が行われ、7都府県が対象地域に指定されたこと等も踏まえ、すでに新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業が延長されている学校も相当数生じてきており、今後の感染状況によってはさらなる臨時休業の長期化も視野にいれる必要があること、学校再開後においても、一部の児童生徒がやむを得ず学校に登校できない場合もあることを踏まえて、新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業等に伴い学校に登校できない児童生徒の学習指導の取扱いについて、以下のとおりまとめましたのでお知らせします。

 各都道府県教育委員会におかれては、所管の学校及び域内の市区町村教育委員会に対し、各指定都市教育委員会におかれては、所管の学校に対し、各都道府県知事及び小中高等学校を設置する学校設置会社を所轄する構造改革特別区域法第12 条第1項の認定を受けた各地方公共団体の長におかれては、所轄の学校及び学校法人等に対し、附属学校を置く各国公立大学長におかれては、その管下の学校に対し、周知いただくようお願いします。

 

1.新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業等に伴い学校に登校できない児童生徒に対する学習指導に関する基本的な考え方

 学校教育は、教師から児童生徒への対面指導、児童生徒同士の関わり合い等を通じて行われるものであり、臨時休業等が行われている場合であっても、その趣旨を踏まえて、感染拡大防止に十分配慮しながら、教師が様々な工夫を行いつつ、児童生徒の学習を保障することが重要である。

 臨時休業期間中における児童生徒に対する学習指導については、児童生徒が自宅等にいる状況であっても、規則正しい生活習慣を身に付け学習を継続するとともに、学校の再開後も見据え、学校と児童生徒との関係を継続することができるよう、可能な限りの措置をとることが必要である。また、その取扱いについて、保護者の十分な理解と協力を得るように努めることも重要である。このため、臨時休業ガイドラインに示すとおり、地域の感染状況や学校、児童生徒の状況等も踏まえながら、家庭学習と、登校日の設定や家庭訪問の実施、電話の活用等を通じた教師による学習指導や学習状況の把握の組合せにより、児童生徒の学習を支援するための必要な措置を講じること。

 また、学校再開後において、一部の児童生徒が新型コロナウイルス感染症対策のためにやむを得ず学校に登校できない場合についても、同様に、児童生徒が規則正しい生活習慣を身に付け学習を継続するとともに、登校の再開後も見据え、学校と児童生徒との関係を継続することができるよう、可能な限りの措置をとることが必要である。また、その取扱いについて、保護者の十分な理解と協力を得るように努めることも重要である。このため、臨時休業ガイドラインも参考に、地域の感染状況や学校、児童生徒の状況等も踏まえながら、家庭学習と、家庭訪問の実施や電話の活用等を通じた教師による学習指導や学習状況の把握の組合せにより、児童生徒の学習を支援するための必要な措置を講じること。

【参考】臨時休業ガイドライン(抜粋)
2.学習指導に関すること

 臨時休業期間中に児童生徒が授業を十分に受けることができないことによって,学習に著しい遅れが生じることのないよう,地域の感染状況や学校,児童生徒の状況等も踏まえながら,次の(1)に示すICT 等も活用した家庭学習と,(2)及び(3)に示す教師による対面での学習指導や学習状況の把握の組合せにより,児童生徒の学習を支援するための必要な措置を講じること。

(1)家庭学習について
 臨時休業期間中に児童生徒が授業を十分に受けることができないことによって,学習に著しい遅れが生じることのないよう,学校や児童生徒の実態等に応じ,可能な限り,紙の教材やテレビ放送等を活用した学習,オンライン教材等を活用した学習,同時双方向型のオンライン指導を通じた学習などの適切な家庭学習を課す等,必要な措置を講じること。特に,臨時休業が長期にわたり,令和2年度の教育課程の実施に支障が生じる場合には,主たる教材である教科書に基づく家庭学習を臨時休業期間中に課すよう,工夫が求められること。
 その際,児童生徒の家庭学習が円滑に進むよう,学校及び児童生徒の実態等を踏まえて,教科書と併用できる適切な教材を提供いただくことが重要であること。文部科学省においても,児童生徒の円滑な家庭学習を支援する教材等を「子供の学び応援サイト」に随時掲載しており,家庭学習を課す際に本サイトを活用いただくことも考えられること。

(2)登校日の設定について
 家庭学習を課すことに加えて,各学校が児童生徒の学習状況の確認や補習等の学習指導を適切に行うとともに,生徒指導,児童生徒等の健康観察を適切に行う観点から,児童生徒等や学校の実態に応じて登校日(授業日を含む。以下同じ。)を適切に設定することも考えられること。その際には,例えば,児童生徒等を分散させて登校させ,人が密集しない環境を確保する等,最大限の感染拡大防止のための措置等を講じること。

(3)その他の指導の工夫について
 また,登校日以外の日においても,児童生徒の学習状況の確認等のための家庭訪問を行ったり,体調面にも配慮した上で特に配慮を要する児童生徒など一部の児童生徒については登校させたりするなど,きめ細かな対応のための工夫を行うことも考えられること。ただし,その際,教職員の勤務負担が過重とならないようにするとともに,児童生徒及び教職員の健康管理についても十分に留意する必要があること。

 なお、児童生徒が学校に登校することができるようになった時点で、可能な限り、令和2年度の教育課程内での補充のための授業や教育課程に位置付けない補習を実施すること、家庭学習を適切に課すこと等の必要な措置を講じること。その際、例えば、時間割編成の工夫、学校行事の精選、長期休業期間の短縮、土曜日に授業を行うこと等が考えられること。なお、その場合においては、学校再開ガイドラインに示す以下の点にも留意すること。

【参考】学校再開ガイドライン(抜粋)
2.学習指導に関すること

(2)補充のための授業等を行う場合の留意点

 補充のための授業等の必要な措置を講じる場合は,児童生徒の学習状況や教職員の勤務状況を十分に考慮することが求められること。特に,以下の点について留意していただきたいこと。

・ 学期中に補充のための授業を実施するなど,令和2年度の教育課程内で必要な措置を講じることのみを理由に標準授業時数を超えて授業時数を確保する必要は必ずしもないこと。

・ 各設置者等の判断で,長期休業期間を短縮したり土曜日に授業を行ったりすることは可能であるものの(学校教育法施行令(昭和28 年政令第340 号)第29 条,学校教育法施行規則(昭和22 年文部省令第11 号)第61 条等),その際,児童生徒の負担が過重とならないように配慮するとともに,各学校の指導体制に見合った授業日数・授業時数となっているかなど,教職員の負担が過重とならないように配慮すること。(また,週休日である土曜日に授業を行う場合には,教職員の勤務日及び勤務時間について,各地方公共団体の条例等に則り,適切に振り替えを行うことが必要となること。)

・ 30 文科初第1797 号平成31 年3月29 日付け文部科学省初等中等教育局長通知「平成30 年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査の結果及び平成31 年度以降の教育課程の編成・実施について」(各都道府県・指定都市教育委員会教育長宛て)の趣旨・内容についても,引き続き踏まえること。
 なお,文部科学省から各教科書発行者に対して,各学校・設置者等が教科書を十分に活用して補充のための授業等の必要な措置を講じることができるよう,各学校・設置者等の検討に資する資料の作成について依頼しているので,必要に応じて参照いただきたいこと。

 

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