【新刊】『お悩み解決!公務員のためのクレーム対応駆け込み寺』 関根健夫/著
トピック教育課題
2019.10.21
自治体職場でのクレーム対応
世間には、解決策のない問題やトラブルはあります。ある出来事に解決策を求められてもそれがにわかに提示できない、公務員といえどもそういうことはいくらでもあります。また、解決策があったとしても、法の整備や予算の問題から、すぐに実現できないことも少なくありません。すべてを行政側で解決することができないこともあります。自治体の本質的な概念は、住民が自らの力で地域を治めることですから、問題の解決に当たっては住民側に協力を求めることもあるわけです。
また、役所がクレームに対応する際、そのすべてに根拠を求められても、それがない場合があります。例えば、話の長いお客さまとの会話を、どこまで聞いてどこで切り上げればいいのか、このことに10 分とか20分とかの根拠はありません。根拠はなくても多くの人が納得できる対応をして解決に導くこと、それが常識というべきなのでしょう。しかし、そのことを言っても一部のお客さまは納得されません。一部のお客さまは常識を主張すると「では、こちらが非常識だと言うのか!」などと怒りを増大させ、事態はさらに悪い方向に行ってしまうでしょう。常識とは常識が共有できる人との間で成り立つ概念ですから、そうでないお客さまとの対応はそれは大変です。
公教育の場でも役立つ事例が豊富
筆者の関根 健夫氏はこれまで、地方自治の実務情報誌 月刊『ガバナンス』誌において、クレーム対応の基本、部署別のケースについて10年以上にわたって連載して解説してきました。ここ数年は、「クレーム対応駆け込み寺」、2019年度からは「クレーム対応悩み相談室」と題して、公務員の方々からのご相談にお応えしています。本書には次のように、公立学校でも起こりうる場面についても解決策とともにお伝えしています。
【目次より抜粋】
第1章 こんなお客さまにどう対応する?
ケース 4 ある保護者にインターネット上で主張を発信され、困っています
第2章 お客さまからこんなことを言われたら?
ケース 3 「録音するぞ」と言われました。断ることはできるのでしょうか?
ケース 4 「上司を出せ」と言われたら、どうすればいいでしょう?
ケース 7 こちらは悪くないのに「謝れ」と言われました
第3章 どうしてもわかってくれない理不尽なクレーマーへの対応は?
ケース 3 近隣住民からイベント開催にクレームを言われます
ケース 4 周辺住民から、学校へのクレームがひんぱんに来ます
第4章 こんなとき、どうしたらいいの?公務員のジレンマ…
ケース10 上司がクレームに対応してくれません
ケース11 他の係員は消極的で、私だけがクレームに対応しています
なお、本書に関する詳細は下記の記事もご覧ください。
https://shop.gyosei.jp/online/archives/cat08/0000003003
著者プロフィール
関根 健夫(せきね・たけお)/人材教育コンサルタント
1955年生まれ。武蔵工業大学(現、東京都市大学)卒業後、民間企業を経て、88年、アイベック・ビジネス教育研究所を設立。現在、同社代表取締役。コミュニケーションをビジネスの基本能力ととらえ、クレーム対応、営業力強化などをテーマに、官公庁、自治体、企業等の研修・講演、コンサルティングで活躍中。著書に、『こんなときどうする 公務員のためのクレーム対応マニュアル』『事例でわかる公務員のためのクレーム対応マニュアル 実践編』(ぎょうせい刊)。