教師生活が楽しくラクになる魔法の作戦本部 [第4回] 「助けられ上手」になろう!

トピック教育課題

2023.03.09

目次

    教師生活が楽しくラクになる魔法の作戦本部
    [第4回] 「助けられ上手」になろう!

    明治大学教授 
    諸富祥彦

    『教育実践ライブラリ』Vol.4 2022年11

     「教師を支える会」というサポートグループで、中高年の先生の悩みをお聞きしていると、決まって出る言葉があります。

     「最近の若い先生は、仕事がわかっていなくても聞いてこない」
     「わからないまま、ごまかしながら仕事をしている」

     その結果、いろいろなことがうまくいかなくなり、もういかんともし難い事態にまで発展してはじめて、周囲の人の知るところとなる。周囲の人間は、その後の対処がたいへんだ、というのです。

     ではなぜ、若い先生方は、ベテランの先生方にものを聞くのが苦手なのでしょうか。

     それは、一言で言うならば、教師としての自信が足りないからです。まだ自分が教師として未熟であり経験不足であることがわかっているから、自己肯定感を持てないでいるのです。にもかかわらず、

     「これ、どうしたらいいか、わからないです」
     「自分では、わからなくて」

     といちいち、聞いていると、周囲の人から

     「あいつは、まだダメだ」
     「仕事がわかっていない」

    と思われてしまう。

     すると悔しいし、自己肯定感がますます下がってしまいそうなので、どうしたらいいか、本当はわかっていなくても、わかったふりをして、ついやりすごしてしまう、というわけです。

     しかし、こうしたことが積み重なって、いいことが起きないのは、誰でもわかることです。

     「ひとにものをたずねるのは、実力不足の証である」という考えを捨てましょう。

     小さなプライドにこだわらず、ひとにものをたずねることができるのは、むしろ、長い目で見ると、着実に力を付けていくためには必要な、不可欠な「能力」なのです。

     もっと深刻な悩みを抱えている場合は、なおさらそうです。

     授業が成り立っていない。
     指導がまったく入らない。
     保護者とうまくいかない。

     こうした悩みを抱えているときは、ためらわずに、周囲のひとに相談しましょう。

     一人で困りごとを抱え続けるのはかえって、無責任。問題をこじらせてしまうだけです。

     悩みをひとに相談できること。
     助けを周囲に求めることができること。

     これは、長く教師を続けていくために必要な「能力」です。

     これを私は「援助希求力」と呼んでいます。

     ひとに、自分から助けを求めることのできる力のことです。

     「援助希求力」を身に付けましょう。

     「助けられ上手な教師」を目指しましょう!

     

     

    Profile
    諸富祥彦 もろとみ・よしひこ
     明治大学文学部教授。教育学博士。日本トランスパーソナル学会会長、日本教育カウンセラー協会理事、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事。気づきと学びの心理学研究会アウエアネスにおいて年に7回、カウンセリングのワークショップ(体験的研修会)を行っている。教師を支える会代表、現場教師の作戦参謀。臨床心理士、公認心理師、上級教育カウンセラー、ガイダンスカウンセラー、カウンセリング心理士スーパーバイザー、学校心理士スーパーバイザーなどの資格を持つ。単著に『教師が使えるカウンセリングテクニック80』(図書文化社)、『いい教師の条件』(SB新書)、『教師の悩み』(ワニブックスPLUS新書)、『教師の資質』(朝日新書)ほか多数。テレビ・ラジオ出演多数。ホームページ:https://morotomi.net/を参照。『速解チャート付き 教師とSCのためのカウンセリング・テクニック』全5巻(ぎょうせい)好評販売中。

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