連載 vol.112「つながる」力 つながりから生まれた「公務員人材開発研究会」が生み出すつながりの力【内藤隆史(愛知県刈谷市職員)】
地方自治
2024.10.07
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2023年7月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
公務員だけで人材育成とマネジメントを本気で学び、実践する「公務員人材開発研究会(通称:公人研)」。2017年5月にキャリアコンサルタントの柴田朋子さんと活動をはじめて、特別企画も含めて70回以上の活動を積み重ねてきた。人材開発を実践する人を創出し、公務員の幸福度を高め、地域課題解決の担い手をつくる組織づくりに貢献することを目的として、人材育成の理論やフィードバックなどのスキル、人事制度やキャリアについて学ぶとともに、参加者が現場で抱える課題をテーマに設定して、解決策を考え、必ず実践につなげることを意識したワークショップを行っている。最近は実践報告も増えており、参加者の成長と職場の人材育成やマネジメント力の向上につながっている。
公人研は、㈱オカムラが運営するOpen Innovation Biotope "Cue"という名古屋市にある共創空間で活動している。管理職から担当者まで幅広い立場の方が参加しており、毎回初参加の方もいる。コロナ禍でオンラインを始めたことをきっかけにつながりが全国に広がっている。
私と柴田さんは、豊田市の職員に誘っていただいた広域インフォーマルネットという交流会で出会った。「公務員は人材育成の基本的な知識や理論を知らずに仕事をしている。それを学べる勉強会を作りたい」という柴田さんの想いに共感し、活動が始まった。またCueも、つながりから出会い、共創パートナーとして活動している。公人研は、まさに人と人のつながりから生まれ、つながりで活動し、新たなつながりを生み出している。
私は公人研の学びを職場で実践し、部下や後輩の成長につなげることができている。そして価値観や視点、上司や部下との向き合い方、キャリアの考え方が変わり、自分自身が大きく成長できたことを実感している。職場の課題を抱える公務員は多い。また人材育成は自治体にとって最も重要な課題である。公人研の「つながる力」は、公務員の人材開発において大きな力となると確信している。
(愛知県刈谷市職員/内藤隆史)