クレーム対応術 8 上司が出るタイミング、出た方がよいケースについて

NEWキャリア

2019.04.02

今さら聞けないクレーム対応術 8 『上司が出るタイミング、出た方がよいケースを教えてください』

(『ガバナンス』2014年11月号)

上司

上司は絶対に出てはいけない?

 組織には、仕事によってそれを担当する人がいる。そして、その仕事の実務を統括する人がいる。さらに、その仕事を管理する人がいる。したがって、個別の問題については、担当者が対応することが基本である。

 このことは前号で解説した通りだ。必要があれば担当者が上司(一般的には課長、係長クラスを想定)と相談して、組織としての結論を出す。それを担当者が、お客さまに伝えるのが理屈である。

 このように安易に上司を出してはいけないことは、組織的対応の基本だ。いつでも、どのような案件でも、すぐに上司が出ていけば、対応業務の主体が上司となり、組織は体をなさなくなってしまう。

 しかし、何が何でも上司が出てはいけないということはない。現実には、上司が出た方がよい場合もある。そのことで、お客さまの納得性が高まり、早期に問題が解決することもあるからだ。

 上司が出ると、その後はその案件について上司が直接担当せざるを得なくなる、その場で結論を出さなければならなくなる、と誤解している人もいるようだ。だから「上司を出すべきではない」ということになるのだが、実際にはそのようなことはない。

 上司が出ても、その話し合いに立ち会えばよいだけのことだ。話し合いの主体はあくまでもお客さまと担当者である。上司は話の成り行きを助言する立場に徹することだ。

 「この件の担当はあくまでも○○です。○○に説明させますので聞いてください。私は、必要があれば補足、助言します」などと言う。

 また、上司といえども組織の一員である。最終判断をする責任はあるが、その場で即決する義務はない。

「私は責任者ではありますが、この件については担当の者がいますので、その者にも意見を聞いた上で判断します」

「現時点で過去の事例等、すべてを把握しているわけではありません。類似の事象について調べて、組織として検討します。最終的には私が判断しますが、時間をいただきたいと思います」

 などと主張して、相手のペースには乗らないことだ。

 要するに、あいまいな役割意識で上司が出るのは戦術的にも意味のないことであり、それこそ組織を揺るがすことにもつながる。

上司が出るタイミング

 では、どのような場合に、上司が出てもよい(上司を出してもよい)のだろうか。必ずしも決まった法則はない。

 その場の状況や相手方の人間性、上司の性格や個性も考えて、その都度判断しなければならない。普段から経験を積むことで、最終的には上司と部下の間に阿吽の呼吸が生まれるものと思われる。

 上司が出るタイミング、ケースについては、次のことを勘案して判断するとよい。

① 上司が出ることで問題が解決する場合

 権威を重んじる一部のお客さまは、若い職員から話をされても納得できないが、それなりの地位の職員が出ることで、納得性が高まることがある。基本的には、上司が出ても結論が変わることがあってはならないが、心構えとしては以下のイメージである。

 「上司が来ても、説明内容は変わりません。お客さまは、上司が説明すれば納得していただけるのですね。そのことを約束していただければ、上司を呼んで参ります」

②上司に例外を認めさせる場合

 案件によっては、お客さまに例外を認める場合もあるかもしれない。その場合、担当者レベルで例外を認めることを通知すると、お客さまは納得せず、さらなる条件を突きつけられる可能性がある。

 担当者は原則を述べるのが役割であり、例外を認めるとすれば、あえて上司から話してもらうようにする。

③ 部下に相当のストレスがかかっている場合

 正常な執務環境、落ち着ける状況で部下に仕事をさせることも上司の務めである。上司は、環境に目を配り、必要であれば担当者の同僚、先輩に立ち会うように指示を出す。時には、率先して駆けつけることも必要だ。

④相手方の地位が相当に高い場合

 お客さまの社会的地位が相当に高い場合、また上司と個人的に旧知の人の場合などでは、その前後に上司があいさつに出ることなどが常識的に行われてもいいだろう。もちろん、実務的な内容の手続きは担当者が行う。

⑤ 不当要求行為を繰り返す人に最後の警告を発する場合

 程度の差はあるが、不当要求行為を繰り返す人について、警察等へ通報する場合、その決断は責任者の役割である。上司は部下から報告を受け、証拠を確認し、その行為が不当要求行為かどうかを判断する。

 つまり、現状を認識、確認し、第三者に説明できるだけの証拠を得る。そして、それを繰り返す人に、止めるように警告を発する。それでも事態が変わらなければ、部下、組織、正義を守るために、自信をもって対抗手段を取るわけだ。

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