クレーム対応術
クレーム対応術 8 上司が出るタイミング、出た方がよいケースについて
キャリア
2019.04.02
【コラム】組織の方針を徹底する
クレームに強い組織をつくって対応する基本は、組織の方針を組織全員が共有し、理解することである。
法や条例に基づいた基準や規定を守る意味では、まずは専門知識の共有が大事である。その都度、口頭やマニュアルで伝達することも大切だが、日程を決めて定期的に勉強会を開くことが有効だ。職員全員が、時と場を同じくすることも組織力強化につながる。
また、特殊な状況下にあるケースについては、どのような場合に、どのような条件で対応するか。個別のケース想定もしておく。例外を認めるなら、どのタイミングでどこまで認めるかが重要だ。
次に、お客さま応対の基本的な考え方である。ただ何となく、決まりごとを説明、説得するのではなく、どのような心構えで接客するのか、お客さまに応対することの本質的な意味、さらには公務員として社会に奉仕することの意味を、上司の言葉で伝え、話し合う。
以上のような方針を理解したら、部下、担当者はそのことを意識しながら応対する。お客さまと意見が違っても、原則にしたがって厳格に説明する。このことがお客さま応対において徹底されてこそ、各種案件を上司に相談し、時には指示を仰ぐことにも意味がある。
担当者本人が、すぐに「わかりません。聞いてきます」では組織としての信頼は揺らぐ。現実的な問題として、この応対には時間もかかるだろう。担当者の応対実績が、上司を出すことの下地にならなければならない。