絶対満足できる!新しい英語授業
新教育課程実践講座Ⅰ 絶対満足できる!新しい英語授業[第4回]4年生が危ない! つまずく可能性の高い4年生をケアする
トピック教育課題
2019.09.29
目次
1.何度も聞かせ、何度も言わせる
子供たちにとって文房具は身近なものではあるが、その英語名には馴染みがないのが一般的である。そこで、3年生の“Let’s Try! 1” で扱われる表現、“What’s this?”や“How many?”を使いながら語彙に慣れさせたいものである。慣れさせるためには、何度も何度も耳で聞き、何度も何度も口から言わせることが大切である。
2.型を教える前に、語彙の刷り込みを
ここで学ぶ表現は“Do you have~?”である。一気に表現と語彙を教え込もうとする先生もいるが、導入期では、まずは語彙の刷り込みを行うことが大切である。その後に、表現を取り扱い、様々な箇所で習得した語彙を、表現とともに臨機応変に使いこなせるように訓練鍛錬させることである。言語能力とは、習得した語彙や表現の数ではなく、習得したそれらをいかに効果的に臨機応変に使いこなせるかである。そのために、単元の指導の1時間目には、様々な活動を通して楽しく語彙に触れ、何度も聞いたり言ったりさせることである。
3.展開では主体的・対話的で深い学びを
導入で語彙や表現に触れた後は、展開で語彙や表現に慣れ親しませるように工夫したい。ここでは、ペアで文房具の言い方を尋ね合ったり、個数を尋ね合ったりさせている。その中でペアの相手の発音を聞きながら、自分の場合と比較したり、モデルとなっている担任の発音と比較したりしている。また、相手の発音が自分のそれより上手いと感じた場合には、真似ようとしたりする。このように、ペアの相手から学ぶことは多い。外国語活動では他の教科以上にペアやグループのメンバーから刺激を受けることは多い。
4.単語の意味はイラスト等で理解させる
英単語の意味を日本語で説明する先生がいるが、それは間違いである。例えば、リンゴのイラストを見せながら「apple」と発音する場合と、「リンゴはappleという」と説明した場合とでは、明らかに後者の方がappleの音が入りづらい。これは、リンゴという日本語が強く刷り込まれ、なかなかappleの音まで入らないからである。できるだけ日本語を使わずに、イラストや写真などを利用して、イメージと英語の音とをつなぐ工夫をすることである。
Profile
大阪樟蔭女子大学教授
菅 正隆
かん・まさたか 岩手県北上市生まれ。大阪府立高校教諭、大阪府教育委員会指導主事、大阪府教育センター主任指導主事、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官並びに国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官を経て現職。調査官時代には小学校外国語活動の導入、学習指導要領作成等を行う。