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これからの外国語活動・外国語を円滑に実施するために

NEWトピック教育課題

2019.09.18

外国語(高学年)の課題

 高学年では外国語を教科として取り扱うことになる。したがって、現行の領域とは異なり、児童には「~できるようにする」必要がある。しかも、評定で評価することになる。しかも、現行の学習指導要領の外国語活動では経験のない「読むこと」「書くこと」が新たに加えられている。この点を含めて大きな課題は3点ある。

(1)読むことの指導
 次期学習指導要領には、「読むこと」については、アルファベットの文字を識別し、その文字を読めるようにすることから始め、十分に慣れ親しんだ語句や表現の意味が分かるようにする必要がある。

■解決策
 「読むこと」とは、日本語訳など的確に内容の意味を取ることまでは求められてはいないが、語彙や表現の音読ができるようにすることが求められている。これを解決するには、中学年からの音声中心の指導を長期間に渡って実施することである。また、文字を見せながら、何度も発音を繰り返すことも必要である。その際、発音を指導者や音声機材の音を「真似る」行為をすることを強調して指導することが大切である。フォニックスについては、小学校では、音声と文字とを関連付ける指導に留めることから、指導は児童に負荷をかけることになるので避けたい。

(2)書くことの指導
 「書くこと」については、アルファベットの文字を書くことから始め、文における語順を正しく書き写したり、例文を参考にして、自分の言いたい語に置き換えたりして、文章が書けるようにすることが求められている。その際、注意したいことは、読み書き障害を持った児童、つまりディスレクシア(知的に問題がないのに、文字の読み書きが困難)な児童の指導である。

■解決策
 「書くこと」は、「読むこと」「聞くこと」「話すこと」に比べ、情意面でハードルが高い。したがって、情意面の抵抗を減らすために、児童が書きたいと思えるテーマを与えることである。例えば、「好きな食べ物について書こう」「自分の宝物について書こう」など、誰でもイメージが沸きやすいものにする。また、「書くこと」に抵抗感を感じさせないために、常に書く習慣を身に付けさせることである。高学年になったら、外国語の時間には、たとえ5分といえども、必ず鉛筆を持って英語を書く習慣を身に付けることである。この継続が、書くことへの抵抗感を減らし、積極性を醸成させるのである。

 また、ディスレクシアの児童かどうかを見極め、関係機関と連携し、音を重視しながら、文字への指導については考慮することである。

(3)語彙指導
 中学年及び高学年の4年間に指導する語については、600~700語程度の語とある。現行の外国語活動では300語程度なので、倍増した計算になる。現状の300語も危うい状況にもかかわらず、これほどの語を活用できるようになるのであろうか。

■解決策
 授業では、単語の読み方を何度も聞かせ慣れさせることである。そのためには短時間学習(モジュール)が効果的である。週1度英語に触れるより、例えば、1コマ15分でも週3回聞かせたり、言わせたりすることの方が定着率は高い。語彙指導面を考えると、週1、2回の1コマ45分では効果が期待できない。つまり、これは、授業時間をどのように組むかといった問題と密接に絡んでいる。理想は、15分の短時間学習で語彙や連語、慣用表現を何度も取扱い、後の45分の授業でそれらを使って、アウトプットできる活動と連携させるのである。

また、指導に当たっては、派生する語を伝えたり、綴りに関するゲーム(サクラクレパスホームページ参照)を行ったり、担任も新出単語を何度も口にするなど、単語に触れる機会をたくさん生み出す工夫をすることである。

 

Profile
大阪樟蔭女子大学教授
菅正隆

かん・まさたか 1958年岩手県北上市生まれ。大阪外国語大学卒業後、大阪府立高校教諭、大阪府教育委員会指導主事、大阪府教育センター主任指導主事、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官並びに国立教育政策研究所教育課程調査官を歴任後、大阪樟蔭女子大学児童学部教授。著書に、『3年生からできる!モジュールを取り入れた外国語活動START BOOK』(明治図書出版)、『日本人の英語力』(開隆堂出版)等多数。

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