クレーム対応術

関根健夫

クレーム対応術 6 詫びと謝罪の違いを自覚する

キャリア

2019.03.21

【コラム】善良なお客さまと、そうでない人はどこで判断するか

よいかわるいかの判断

 クレームを言うお客さまが、善良な人か悪質な人かを、安易に判断するのは問題があるだろう。しかし、現実のクレーム対応では、困ったお客さまがいることもまた事実である。では、どうするのか。

 窓口対応であれば、管理監督者はもちろん、周囲の職員全体でさりげなく状況を察知することが大切だ。つまり、組織づくりにおいて重要なことは、周囲の職員の意識である。お客さま対応に異常な事態を感じたら、応援に入ったり、離れた所からでもそのやり取りを記録するなどして、対応している職員に協力しよう。

 異常事態かどうかの一つの判断基準は、不当要求行為であるかどうかだ。不当要求行為をされたら、善良なお客さまとは言えない。不当要求行為については、これまでの連載でも述べたが、また機会を改めて解説したい。

 もう一つの判断基準は、こちらの詫びや謝罪に対する反応である。こちらが「申し訳ございません」などと繰り返すことで、相手方が感情のトーンを下げてくれるようなら、誠意が感じられる。

 しかし、「謝って済む問題か!」などと執拗に要求を繰り返すならば、誠意を感じることはできない。誠意を感じられないお客さまに、最後まで一人で対応する必要はない。それは、相当にストレスの溜まる事態になる。少なくとも、周囲の職員がその事態を注視していてくれるなら、組織全体で対応していることを実感できるだろう。

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関根健夫

関根健夫

人材教育コンサルタント

1955年生まれ。武蔵工業大学(現、東京都市大学)卒業後、民間企業を経て、88年、アイベック・ビジネス教育研究所を設立。現在、同社代表取締役。コミュニケーションをビジネスの基本能力ととらえ、クレーム対応、営業力強化などをテーマに、官公庁、自治体、企業等の研修・講演、コンサルティングで活躍中。著書に、『こんなときどうする 公務員のためのクレーム対応マニュアル』『事例でわかる公務員のためのクレーム対応マニュアル 実践編』(ぎょうせい刊)。

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