連載 vol.106「つながる」力 共に未来を紡ぐ自治体職員のつながり【坂部智洸(大阪市職員)】

地方自治

2024.07.22

目次

    本記事は、月刊『ガバナンス』2023年1月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
    所属等は執筆(掲載)時点のものです。
    ※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

     私が自治体職員のつながりを持ったきっかけは、関西では知る人ぞ知る「自治体ガバナンス塾セミナー」に職場の先輩の誘いで参加したことである。最初は右も左もわからずイベント参加している状態だったが、先輩の後押しもありスタッフとして運営に参画するようになってからは、「自治ガバ」の重要コンテンツであるクロスロードゲーム(ご存じの方も多いと思うが、その原点・概要については「神戸クロスロード研究会」のサイトを参照されたい)の設問を主催市のスタッフと共に考え、打合せのたびに飲みに行くなどして、関西圏の自治体職員の方々と交友を深めることができた。一歩踏み出す機会をくれた先輩に感謝はつきない。

     そのような交流の場において、私は自治体職員として成長するための想像力を鍛えることができた。他者の立場で物事を考えることも、前例のない事案への対応も、いかにその後起こりうる展開を思い浮かべられるかがパフォーマンスの質に影響すると考えるが、先に述べた経験を通じ、その「引き出し」が増えたからである。

     特に、クロスロードゲームとは、容易には結論が出せない問題について他者との議論を通して問題解決力を育むコンテンツであると考えているが、多様な立場、背景を持つ他自治体職員との対話そのものが、自力では得ることができなかったかもしれない知見であり、困難な課題に向き合う疑似体験である。凝り固まりがちな視野が、開けてくる。

     私が学生であった時分、所属ゼミの教授が「公共政策とは未来を紡ぎ出していくことである」と言っていた。今も自身の一つの指標となっている。

     私たち自治体職員は、市民に最も近いところで、日々変わりゆく社会を、よりよいものにしていく使命を負っている。様々な岐路が私たちを待ち受けているのだろうが、一歩外に出てみれば、悩みを共有できる人、熱く議論を交わせる人たちがいる。よりよい未来を見据え「自分ならこうする」と語る姿に、自治体職員の気概を感じ、いつも刺激を受けている。

    (大阪市職員/坂部智洸)

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