連載 コミットメント ── 他責から自責文化の自治体職員 第11回 ちょっとだけ踏(は)み出す勇気と仲間【小野寺嘉奈(岩手・一関市職員)】

地方自治

2022.01.14

本記事は、月刊『ガバナンス』2017年4月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会の修了生(マネ友)のメンバーがリレー形式で執筆します。

ちょっとだけ踏(は)み出す勇気と仲間

 私は地域と人が好きだ。たくさんの人と出会い、勉強させていただいている。せんまや夜市や水車音楽祭、全国ご当地もちサミットなど、オフタイムはイベントに関わっている。イベントの成功というゴールに向かって、やりたいことを実現させるため、年齢や職業を問わず、話をしながら作り上げていくプロセスと、広がるネットワークを大切にしている。地域のフィールドを見つけて、失敗も達成感も丸ごと楽しむ。それが私のライフワークである。

 私が人材マネジメント部会と出会ったのは、2014年。一関市の1期生として参加し、「日常の気づきを共有し、実行する“一歩踏(は)み出す人と組織”」とコミットメントした。活動を継続するために、15年度に自主研究グループ「人マネ部会ハミダシ隊」を3人で結成し、堂々と踏(は)み出すことを組織に宣言。一関人マネ通信(現ハミダシ通信)の発行、オフサイトミーティングと経営層ダイアログを開催している。

 ハミダシ隊は、部会に参加した仲間が必然的にメンバーとなり、部会のキーワードや考え方を共有しているからこそ、一人ひとりが個性を発揮し、実践の火種となることを自覚している。ハミダシ隊という火種は、組織改革のきっかけづくりに過ぎないが、小さな疑問や気づきを持ち、できることから踏(は)み出してみようと考える職員が増えればいいと思っている。組織での活動と併せて、1期生ゆえに全国のマネ友とのつなぎ役という使命感を勝手に抱き、運営委員もライフワークとして交流の輪を広げている。

 地域のために何から始めればいいのか、自分には何ができるかと自問自答するが、焦る必要はない。公務員としてのオンと、地域活動のオフも含めて、ちょっとだけ踏(は)み出す勇気、一人ではなく仲間と一緒にやってみるきっかけを探すことが大事。誰かを応援したり、応援されたり、そんな関係ができると、やがて地域を好きな人がまち全体に伝播し、笑顔あふれるまちづくりにつながると信じている。

(岩手・一関市職員/小野寺嘉奈)

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