行政大事典

ぎょうせい

【最新行政大事典】用語集―海外派遣(地方公務員の)とは

地方自治

2020.12.19

【最新行政大事典】用語集―海外派遣(地方公務員の)

はじめに

 『WEB LINK 最新行政大事典 全4巻セット』(ぎょうせい)は膨大な行政用語の中から、とくにマスコミ等で頻繁に使用されるものや、新たに登場したテーマ、法令などから選りすぐった約3,000の重要語句を収録。現場に精通した執筆陣がこれらの行政用語を簡潔にわかりやすく解説します。ここでは、「第1巻 第3章 総務・人事・給与」から、「海外派遣(地方公務員の)」を抜粋して、ご紹介したいと思います。

海外派遣

 「外国の地方公共団体の機関等に派遣される一般職の地方公務員の処遇等に関する法律」は、外国の地方公共団体の機関等に派遣される一般職の地方公務員の処遇等に関して定めており(外国派遣1)、任命権者は、地方公共団体と外国の地方公共団体との間の合意若しくはこれに準ずるものに基づき又は法に掲げる機関の要請に応じ、これらの機関の業務に従事させるため、条例で定めるところにより、職員(条例で定める職員を除く。)を派遣することができる(外国派遣2)。

 この派遣制度は、地方公共団体の条例制定を前提とするが(外国派遣2)。これは、当該地方公共団体の国際協力等の施策の実情に応じて、各地方公共団体自身が決定することが望ましく、また、政策的にも重要と考えられる等の理由による。

 派遣は、地方公共団体の職員に、当該地方公共団体の職員としての身分を保有させたまま、当該地方公共団体の職務に従事させないこととし(外国派遣3)、同時に外国の地方公共団体の機関等の業務に従事すべき義務を課する効果を有する特別の任用上の行為であり、給与、災害補償、共済等の処遇の面においてもそれぞれ特別の措置が採られている。

(1)派遣期間中の給与及び旅費
 これらについては国家公務員員について定めた国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律(昭和45年法律第117号)第2条第1項の規定に基づき派遣される国家公務員の取扱いを基準として条例で定めることとされている。したがって、その派遣期間中派遣職員には、原則として俸給、扶養手当、地域手当、広域異動手当、研究員調整手当、住居手当及び期末手当のそれぞれ100分の100以内が支給される(同法5条)。旅費については、原則として、派遣職員の派遣に関する旅費はすべて派遣先の機関から支給されるべきものである。しかし、派遣先の機関から当該機関への赴任又は帰任のため必要な旅費については支給されないことも考えられるため、特に必要があると認められるときは、当該地方公共団体における旅費条例に定める赴任の例に準じ旅費を支給することができる(外国派遣7)。

(2)災害補償及び共済制度
 派遣先機関の業務を公務とみなして、地方公務員災害補償法、地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)及び地方公務員等共済組合法の長期給付等に関する施行法(昭和37年法律第153号)の規定を適用することとされており、公務災害としての所定の補償が行われるものである(外国派遣5、6)。

(3)退職手当
 派遣期間は、退職手当算定の基礎となる勤続期間に通算され、また、職員が派遣先機関の業務上の災害による傷病又は死亡により地方公共団体を退職した場合には、派遣先の業務を公務とみなして、退職手当の割増支給を行うものとされている。

(4)復帰時における処遇
 派遣職員が当該地方公共団体の職務に復帰した場合における任用、給与等に関する処遇については、部内の職員との均衡を失することのないよう任命権者が適切な配慮を加えることと措置されている(外国派遣8)。

*『最新行政大事典』2020年2月より。(NPO法人 フォーラム自治研究 小林禮齊)
(有償版は本文に加え、法令へのリンク機能があります)

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