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ガバナンス編集部

自治体最新情報にアクセス|DATABANK2020 月刊「ガバナンス」2020年4月号

地方自治

2020.04.29

自治体最新情報にアクセス DATABANK
月刊「ガバナンス」2020年4月号

● 公園レンタルのクラウドサービス実証実験を実施

 兵庫県芦屋市(9万6000人)はパークフルと協働で、市内の公園の活性化を目指して、公園レンタルのクラウドサービスの実証実験に取り組んでいる。このサービスは、公園情報プラットフォーム「PARKFUL」を使い、公園レンタルに関わる各種申請(占用申請、行為許可申請、行為届出)のオンライン化を可能にするもので、民間企業の提供する公園レンタルのクラウドサービスとしては全国初という。

 通常、公園をレンタルするには占用使用の許可を自治体から得る必要がある。そのために申請者は、申請書類を自治体のHPから印刷して、記入の上、自治体の担当窓口に出向いて提出し、その後の申請許可の連絡を電話で受けて、再び窓口へ許可証を受け取りに行くなど手間がかかっていた。一方で、自治体職員も書類の手続き処理や窓口での対応に時間がかかっていた。そこで市では、今回の実験で公園レンタルの手続きをオンライン化し、時間や場所に関係なく申請できるようにすることで、公園利用のハードルを下げることにした。オンラインで申請情報が共有されるため、手続き処理が効率化され職員の業務負荷軽減にもつながることを期待している。
(月刊「ガバナンス」2020年4月号・DATA BANK2020より抜粋)

●「児童虐待情報共有システム」の運用を開始

 埼玉県(737万7300人)は、新たな児童虐待防止対策として、児童相談所と県内警察署がリアルタイムで情報を共有する「児童虐待情報共有システム」を今年1月27日から運用している。

 県の児童虐待通告数は18年度に過去最高の1万5534件を記録。そのうち65%が警察からの通告で、県と警察の連携・情報共有の重要性が増していた。そのため県は、18年8月に虐待情報(児童の氏名・住所・虐待の種別)の県と警察本部での全件共有を開始。児童相談所に通告があった虐待事案の情報を月1回更新し、各警察署は警察本部へ電話して情報を確認する体制を構築した。その結果、児童の保護など適切な対応につながったケースもあり、成果は上がっていたものの、情報がリアルタイムではなく、また警察署が直接情報を確認できないなどの課題があった。

 新たなシステムは、児童相談所が過去の通告状況や一時保護歴など、より詳細な情報を随時更新するとともに、各警察署が情報を直接閲覧できるようにしたのが特徴で、全国初のシステムという。

 また、県は、関係13団体で構成する「県児童虐待防止対策協議会」を設立し、全県での虐待防止体制を整えた。
(月刊「ガバナンス」2020年4月号・DATA BANK2020より抜粋)

● 乗り放題チケットが購入できるWebアプリの実証事業を実施

 北海道(530万4400人)は、道南地域においてGoogleマップでバス路線などの交通経路の検索や乗り放題チケットのWeb購入・利用が可能となるWebアプリケーション「DohNa(ドーナ)!!」を導入した実証事業を実施した。道南地域におけるICTを活用した地域交通利便性向上事業として行ったもので、生活交通や駅・空港・フェリーターミナル等からの二次交通の機能を高めることにより地域交通の利用者の増加と収益力向上を図るのがねらい。函館を中心とした道南地域の交通事業者(バス、鉄道、路面電車、フェリー)と連携し、全国モデルを目指していく。

 実施に当たっては、各交通事業者が自社で標準フォーマットを作成してGoogleマップに掲載する手続きを行い、無料で使用できる同マップを利用して路線検索と定額企画乗車券のWeb上での購入ができる仕組みにしたのが特徴。販売窓口へ行かなくても定額企画乗車券が購入でき、またWeb上で時間管理ができるので24時間チケットの販売が行えるなど、交通事業者・利用者双方の利便性を高めた。外国人観光客が自国の言語でGoogleマップを使用できるのも利点。

 実証事業の中で函館バスと函館市電は、市内指定路線が24時間乗り放題となるチケットを販売。また、函館バスが運行する元町・ベイエリア周遊号での乗り放題チケットQR認証降車試験も行った。実証事業は2月29日までとしていたが、以降も継続することとしている。
(月刊「ガバナンス」2020年4月号・DATA BANK2020より抜粋)

● 外国人就労者の早期適応研修カリキュラムなどを作成

 愛知県(756万5300人)は、新たに来日した外国人就労者の早期適応に向けた「研修カリキュラム」「教材」「指導者マニュアル」を全国に先駆けて作成した。外国人材受入企業等が、来日して間もない外国人就労者の職業生活や社会生活での支援を行う際のサポートツールとして役立ててもらうのがねらい。

 教材は、全7章構成で、A4判、48P、フルカラー。企業や外国人へのヒアリングを基に、特にニーズが高い項目(生活ルールやマナー、医療機関の利用方法など)を重点的に、1章1時間で学習できる内容にしたのが特徴。母国語でも学習できるよう8言語(ポルトガル語、中国語、フィリピン語、ベトナム語、スペイン語、インドネシア語、英語、やさしい日本語)で作成し、補助教材として動画教材も作成した。教材は県のHPからダウンロードして使用する。

 一方、指導者マニュアルは、A4判、60P、フルカラー。研修の進め方や受け入れ側の心構え、教材の内容に即した研修上のポイントなどを解説している。2000部作成して、県内の市町村や国際交流協会、商工会議所、商工会などに配布。研修カリキュラムを活用してもらうための説明会も開催した。
(月刊「ガバナンス」2020年4月号・DATA BANK2020より抜粋)

● ごみ出しルールを10言語で案内

 福岡市(154万900人)は、市内居住の外国人を対象に、ごみ出しルールを10種類の言語で案内するサービスを開始した。スマートフォンなどの端末でQRコードを読み取ると、端末に設定されたユーザー言語でごみ出しの基本ルール(ごみの分け方、ごみを捨てる曜日・時間・場所、1枚の袋に入らない大きさや重さのごみの捨て方)を表示する。対応言語は、日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、ベトナム語、タイ語、ミャンマー語(ビルマ語)、タガログ語(フィリピン語)、インドネシア語、ネパール語で、日本語ページは災害対応の広報でも使用される「やさしい日本語」を使用。日本語にまだ不慣れな外国人にも分かりやすい内容で案内している。各区生活環境課等でQRコードが印刷されたチラシやポスター、屋外対応シールを配布している。

 また、市(担当:収集管理課)は、LINEでの粗大ごみ収集申込みとLINE Payで粗大ごみ処理手数料を支払えるサービスを行っている。LINEでの粗大ごみ収集申込みは19年5月から全市で本格実施。粗大ごみ処理手数料支払いは同年7月から中央区で限定実施していたが、20年1月から全市に広げた。
(月刊「ガバナンス」2020年4月号・DATA BANK2020より抜粋)

● 横浜市が宮崎県日向市のブルーカーボンをクレジットとして認証

 横浜市(374万5800人)は、宮崎県日向市(6万1800人)のアラメ場(藻場)のブルーカーボン(海洋生態系が吸収・固定するCO2)をカーボン・オフセット(CO2排出者が、他者のCO2排出量削減効果やCO2吸収・固定の効果を買い取り、自らが削減できないCO2排出量(の一部)と相殺する取組み)に活用可能なクレジットとして認証した。

 横浜市は、海洋資源を活用した温暖化対策である「横浜ブルーカーボン事業」において「横浜ブルーカーボン・オフセット制度」を運営している。日本国内におけるブルーカーボンの認知度向上と活動の活性化が、横浜ブルーカーボン事業の発展に必須であるとの考えから、同制度の実施要領を一部改正。プロジェクトの要件を緩和し、他自治体のブルーカーボンの認証を可能とした。

 今回、日向市から「東ソー日向株式会社護岸部のアラメ場による温室効果ガスの吸収・固定」(アラメ場面積:0.186ha、ブルーカーボン0.5t-CO2)の申請があり、自治体間ブルーカーボン連携によるクレジット認証の第一弾となった。
(月刊「ガバナンス」2020年4月号・DATA BANK2020より抜粋)

●「経営型行政運営」をめざす行財政改革プランを策定

 大分県佐伯市(7万1800人)は、20年度から5年間を計画年度とする行財政改革プランを策定した。これまでの「管理型行政運営」から「経営型行政運営」へ構造転換を図ることを行財政改革の視点としているのが特徴。

 これまでの行財政改革は、コスト・人員の削減などを主眼とした量的な改革に重点が置かれ、行政のスリム化に一定の成果を上げており、引き続き継続していく必要があるが、それだけでは現状の課題への対応は難しいと判断。そのため同改革プランでは、行政を「経営する」という視点に立ち、限られた経営資源(ヒト、モノ、カネ)を最大限に活用し、市民の目線に立った行政サービスを効果的・効率的に提供する質的改革も併せて行う経営型行政運営が必要であるとしている。「将来世代への過度な負担を残さない持続可能な財政基盤の確立」を基本目標に、①職員の意識改革と組織力の向上、②持続可能な財政基盤の確立、③公共施設等マネジメントの推進、④行政の質と生産性向上――を基本方針として、行財政改革を進めるとしている。
(月刊「ガバナンス」2020年4月号・DATA BANK2020より抜粋)

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