総務省通知「住民基本台帳事務等を取り扱う市区町村窓口における新型コロナウイルス感染症への対応について」及び解説
地方自治
2020.03.12
目次
【窓口の混雑緩和】郵送による転出届の取扱い
(加除式「窓口事務質疑応答集」から)
住民異動の繁忙期を迎え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、窓口の混雑緩和が緊急課題です。加除式「窓口事務質疑応答集」には、次のような質疑応答が掲載されています。
●郵送による転出届の取扱い
【問】
転出届が郵送されてきた場合、受理して差し支えありませんか。
【答】
差し支えありません。
【説明】
住民基本台帳法に基づく届出は、市町村の窓口において行うことが基本であり、郵送による届出は原則として受理できませんが、転出届の場合には、急に住所を異動することが決定し旧住所地で届出を行う時間的余裕がない場合も考えられますので、郵送により届出を行うことも認められます。
総務省通知「住民基本台帳事務等を取り扱う市区町村窓口における新型コロナウイルス感染症への対応について」(3月6日)
1.転出届の取扱いについて
3月6日に発出された総務省通知では、すでに他市区町村に引っ越しをしている人を対象とする郵送による転出届を受け付けすることに加え、当分の間はまだ引っ越しをされていない人でも転出することが確定している場合は、郵送による転出届を受け付けて差し支えないこととしました。マイナンバーカードの交付を受けている人については、転出証明書の交付が必要でない(マイナンバーカード自体が転出証明書の役割を果たす。)ため、従前から郵便又はオンラインでの届出が可能であり、この方法を積極的に周知・活用することとしています。
2.届出期間を経過した者の取扱い
この通知では、届出の事由が生じた日から14日以内に行わなければならず、正当な理由なく当該期間を経過した者は過料に処される以下の届出について、コロナウイルス感染症の拡大防止を「正当な事由」として、簡易裁判所への通知を要しないものとしました。過料の対象にもなりませんし、経過申述書の提出も必要ありません。
住民基本台帳法第22条(転入届)
第23条(転居届)
第25条(世帯変更届)
第30条の46(中長期在留者等が住所を定めた場合の転入届の特例)
第30条の47(住所を有する者が中長期在留者等となつた場合の届出)
第30条の48(外国人住民の世帯主との続柄の変更の届出)
3.マイナンバーカードの継続利用処理の取扱い
マイナンバーカードの交付を受けている人が転出届をしたものの、転出予定日から30日を経過しても転入届を行わなかった場合、マイナンバーカードは失効することとされています。この場合でも、転出地でマイナンバーカードの返納を受けていない場合は、転出予定日の60日後までは、マイナンバーカードを失効させず、マイナンバーカードの継続利用の手続きができます。
総務省HP「新型コロナウイルス感染症対策関連」
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/gyoumukanri_sonota/covid-19/index.html
これから引っ越しをしようとする人で郵送手続きを行う人の手順
これから引越しをしようとする人は、引越し元の市区町村役所のHPで「郵送による転出届」のページを探して、そこに記載されている手順をよく確認する必要があります。
おおよその手順は、「転出届」をダウンロード(郵便で請求の場合もあり)し、必要事項を記入、本人確認書類のコピーを添付、国民健康保険に加入している場合は保険証の同封を求められる場合もあり、(マイナンバーカードを持っていない人で)返信用封筒の同封を求められる場合は所定の切手を貼った封筒を用意し(返信用封筒の宛先はタイミングによって引越し前・後の住所を書き分け)、指定の宛先へ郵送します。
引越し後の「転入届」は、新住所の確認のため、引越し先の市区町村役所で手続きを行う必要があります。