オープンデータの最新活用事例|国や自治体などの公的機関による新型コロナウイルス対策
地方自治
2020.03.12
データ活用で新型コロナウイルスに立ち向かう!
オープンデータの最新活用事例|国や自治体などの公的機関による新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルスの感染拡大が、我が国の社会、経済に深刻な影響を及ぼしているのは、連日報道されているとおりです。だからこそ、国民の1人ひとりが信頼できる情報により、リスクの質や規模を正確に知り、正しい行動をとることが今求められています。
こうした中、国や自治体などの公的機関は様々な種類の役立つ情報発信を行っており、最新のオープンデータの活用事例としても注目を集めています。ここでは、東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」及び、内閣官房、総務省、経済産業省による「#民間支援情報ナビ」プロジェクトをご紹介したいと思います。
(モデル写真=ここで紹介する内容と直接の関連はありません)
■東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」
東京都の「新型コロナウイルス感染症対策サイト」(https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/)では、東京都内で新型コロナウイルスに感染していると診断された陽性患者数やその属性などの動向を視覚的に捉えることができます。都に寄せられた相談件数や検査実績等のデータもグラフ化されています。
それだけでなく、これらのデータはオープンデータとして公開されており、データの再利用が可能です。プログラムのソースコードも公開されています。
■#民間支援情報ナビ プロジェクト
内閣官房、総務省、及び経済産業省は、新型コロナウイルス感染症対策に対応した企業による支援情報等のデータを標準化し、公開する「#民間支援情報ナビ」プロジェクトを実施しています(3月9日発表)。概要は次のとおりです。
(経済産業省HPから転載)
新型コロナウイルスの影響により、企業でのテレワークが進むとともに、学校の休校やイベントの中止など、社会活動全体に大きな影響が出ています。この急激な社会環境変化を受け、様々なオンライン学習や在宅ワーク等を支援するサービスが企業等により無償等で提供されています。一方で、これらの情報は各支援実施企業の個別のWebページで公開されることが多く、必要な支援対象者に届いていない場合もあります。また、情報の記述方法が各サイトで違うため、利用するサービスを選択することが難しくなっています。
こうした状況を踏まえ、内閣官房、総務省及び経済産業省は、事業者によって提供される無償等の支援に関する情報のデータ・フォーマットを標準化し、公開する「#民間支援情報ナビ」プロジェクトを実施します。
政府は、支援情報を記入する標準のデータ・フォーマットを提供し、産業界の各団体に情報提供を依頼します。産業界の各団体に所属する企業は、無償等で提供している支援サービスがある場合、これにデータを入力し、提供します。提供されたデータは、政府が集約し、以下URLにおいてオープンデータとして公開します。データは、各企業からの提供があり次第、順次充実していく予定です。
(引用終わり)
【参照URL】
*経済産業省 #民間支援情報ナビ プロジェクト
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200309004/20200309004.html
*総務省 新型コロナウイルス感染症対策
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000267.html
■Civic Techの活躍
上記でご紹介した「#民間支援情報ナビ」プロジェクトは、シビックテック(Civic Tech・シビックテクノロジー)団体である(一社)コード・フォー・ジャパン(以下、Code for Japan)が公開・検索サイトの開発に関わりました。これまでCode for Japanは、オープンデータ戦略作りや市民アプリのプロトタイピングなどを中心に自治体をサポートしてきており、多くの自治体で「データアカデミー」という職員向けのデータ活用ワークショップを実施しています。
この「データアカデミー」のエッセンスをCode for Japanがまとめた書としては、『課題解決の7step データ活用で地域のミライを変える!』(2019年12月、ぎょうせい刊)があります。オープンデータをうまく利用して、現在、目の前にある行政課題を解決していくためのヒントでもある本書をぜひご覧ください。
*『課題解決の7step データ活用で地域のミライを変える!』(コード・フォー・ジャパン、2019年12月、ぎょうせい刊)https://shop.gyosei.jp/products/detail/10196