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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2020 月刊「ガバナンス」2020年3月号

地方自治

2020.03.30

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月刊「ガバナンス」2020年3月号

●不妊治療と仕事の両立支援の連携協定を締結

 三重県(182万4600人)は、経営者団体や労働組合、医療機関の団体などと「不妊治療と仕事の両立支援に関する連携協定」を締結した。相互に連携・協力して不妊治療と仕事の両立を推進する気運の醸成や不妊治療を受けやすい環境づくりを進めるのがねらい。県が協定を結んだのは、三重県経営者協会、日本労働組合総連合会三重県連合会、三重県医師会、三重県産婦人科医会、三重労働局で、不妊治療と仕事の両立支援に関する連携協定は全国で初めてという。

 晩婚化等を背景に不妊治療を受ける夫婦が増加しており、働きながら不妊治療を受ける夫婦も増加傾向にあると考えられているが、不妊治療への支援制度がある企業は少ないのが現状。県が不妊治療当事者を対象に19年7~8月に行った調査では、回答者の11%は不妊治療のために仕事をやめており、また仕事を続けている人でも66%が不妊治療と仕事の両立は難しいと感じていることが明らかとなった。不妊治療者の多くは働き盛りの世代であり、このような人材を失うことは企業にとっても大きな損失となる。

 そのため協定では、①不妊治療の正しい知識の普及啓発、②不妊治療と仕事の両立支援のための職場での理解の促進、③不妊治療と仕事が両立できる相談体制の整備――を連携・協力事項とし、相互に連絡調整して取り組むこととしている。

 県は、20年2月に不妊治療に関するシンポジウムを開催したほか、20年度に企業向けのセミナーや相談会を行う予定。
(月刊「ガバナンス」2020年3月号・DATA BANK2020より抜粋)

●県立夜間中学の開設を目指す

 徳島県(75万500人)は、県立の中学校夜間学級(夜間中学)の開設を目指している。10年の国勢調査では、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した人が県内に1425人いることが判明。17年度の中学校不登校者は483人おり、県内在住の外国人労働者も増加傾向にあるなど、さまざまな理由で義務教育の学び直しを必要とする人や外国籍の人のニーズが確認されていた。そのため、市町村教育委員会、中学校長会等で構成する協議会で夜間中学設置についての調査研究を進めてきた。その結果、同県において市町村単独で夜間中学を設置した場合、小規模学級となる可能性が高く、十分な教員配置等が難しくなることが想定され、また、広域に生徒を受け入れる必要性があったことから、県が設置主体となって設置することとした。県立の夜間中学は全国初という。

 開設する夜間中学は、通学の利便性に優れ、夜間定時制を併設する徳島県立徳島中央高等学校の敷地内に設置。21年4月の開校を予定しており、校名は「徳島県立しらさぎ中学校」に決定した。開校後は取組み状況を積極的に全国に発信し、地方都市における夜間中学のモデルとなることを目指していく。
(月刊「ガバナンス」2020年3月号・DATA BANK2020より抜粋)

●「気候非常事態宣言」を公表

 長野県白馬村(9400人)は、「気候非常事態宣言」を公表した。

 宣言文では、「地球温暖化に起因する気候変動は、本村にとっても極めて深刻な脅威であり、雄大な自然の恵みを受けてきた本村だからこそ、今こそ、村民とともに気候変動に対して行動を起こさなければなりません」と述べ、①「気候非常事態宣言」により、村民とともに白馬村から積極的に気候変動の危機に向き合い、他自治体の取り組む模範となる、②2050年における再生可能エネルギー自給率100%を目指す、③森林の適正な管理による温室効果ガスの排出抑制に取り組むこと等により、良質な自然循環を守る、④四季を肌で感じることができるライフサイクルや、四季を通じたアクティビティの価値観を、村民一人ひとりが大切にする、⑤世界水準のスノーリゾートを目指すため、白馬の良質な「パウダースノー」を守る――といった5点の活動に取り組むとしている。
(月刊「ガバナンス」2020年3月号・DATA BANK2020より抜粋)

●8時から20時まで本庁舎窓口を開庁

 大阪府寝屋川市(23万3500人)は、4月から市役所本庁舎窓口の平日の開庁時間を「9時~17時30分」(木曜は9時~20時)から「8時~20時」に延長する。出勤前や仕事帰りなど市民のニーズやライフスタイルに応じた対応を図り、開庁時間延長に伴う業務平準化による混雑緩和で来庁者の時間短縮を進め、市民サービスを向上するのがねらい。土曜も「8時~13時」に開庁する一方、働き方改革の一環として、月1回実施していた日曜の「9時~17時30分」の開庁は廃止する。平日の「8時~20時」の窓口開庁は全国初の取組み。

 また、元キャビンアテンダント、ホテル勤務経験者など接客スキルの高い人材の配置や、電話とアプリによる窓口予約サービスも行う。さらに5月からは、転出入手続きや納税・納付相談などの繁忙期ごとに担当窓口が増加する可変型窓口、ライフイベントに応じて多種の手続きが一括してできる窓口配置など、窓口の整理・統合も実施する。申請手続きのICT化も推進し、証明書発行端末を導入してタッチパネルでの申請や、スマートフォンのアプリ上から時間・場所を問わず住民票等の申請ができるオンライン申請も導入していく。
(月刊「ガバナンス」2020年3月号・DATA BANK2020より抜粋)

●女子サッカーをまちづくりの中心とする「女子サッカーのまち」を宣言

 佐賀県みやき町(2万5500人)は、女子サッカーをまちづくりの中心とする「女子サッカーのまち」を宣言。それに伴い、全国初の取組みとして、「女子サッカー推進室」を設置する。

 21年の女子サッカーのプロ化、国が立候補を表明している23年の女子W杯大会や佐賀県開催の佐賀国スポを見据えたもの。女子サッカーを通じて「女性の活躍推進」「国際社会で活躍できる人材の育成」「健幸長寿のまちづくり」などにも取り組み、「地域の抱える課題をスポーツの持つ力で解決していく」ロールモデルを構築していきたい考えだ。今後、スポーツコミッションを設立し、15歳以下の選手によるクラブチームの設立とともに、そのための選手寮の整備などを行い、チームの育成・強化を図っていく。

 同町は、スポーツ政策などの支援を行うリタ・ジャパン社と連携協定を締結。元サッカー女子日本代表ゴールキーパーで同社研究員の海堀あゆみ氏が同町のスポーツ政策ディレクターに就任した。
(月刊「ガバナンス」2020年3月号・DATA BANK2020より抜粋)

●食品ロス削減へ向け「食品トロック」を実施

 奈良県生駒市(12万100人)は、食品ロスの削減を図るため、家庭で不要になった食品や飲み物を交換する「食品トロック」を実施した。19年12月14日に開催された「環境フリーマーケット」で行われたもので、全国の自治体で初めての実施という。

 当日は、環境フリーマーケットの参加団体に不要となった食品を5品ずつ持参してもらい、それを原資として来場者と物々交換。参加団体も来場者が持ち込んだ品数の食品を持ち帰りでき、残った食品についてはフードバンクを通じて福祉施設や福祉団体へ寄付した。

 市では、これまでも食品ロス削減に向けフードドライブを毎週行ってきたが、19年10月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されたことから、さらに一歩進んで食品トロックに取り組んだ。フードドライブには持ち込める食品の種類や賞味期限に制限があったが、食品トロックでは、生鮮食品以外で賞味期限内の未開封食品であれば、どんな食品でも交換できる(ただし、市販されている形で1品)ため、やむを得ず廃棄となっていた食品を救済できる。市ではこうした取組みにより各家庭の食品ロスのさらなる削減を目指すという。
(月刊「ガバナンス」2020年3月号・DATA BANK2020より抜粋)

●自治会連合会と協働で「地域課題を地域で解決するための勉強会」を開催

 埼玉県吉川市(7万2900人)は、19年度から、市内全95自治会の連合体である市自治連合会と協働で、「地域課題を地域で解決するための勉強会」を開催している。

 近年、加入率の減少や災害対応、会員の高齢化など自治会が抱える課題は多く、内容も多岐にわたる。こうした課題に一つの自治会で解決するには限界があるため、連合会を中心に幅広い協働による勉強会を立ち上げた。メンバーは自治会役員だけでなく、市民活動団体のメンバー、大学生、市職員、学識経験者など多様な分野の人々が参加している。

 勉強会では、「地域減災」「多文化共生」「自治会課題」「高齢者支援の取組み」と大きく四つのテーマに分かれて解決策を検討。初年度は各分科会で課題の洗い出しを行い、先進地の視察(埼玉県鶴ヶ島市)やヒアリング(埼玉県川口市)、ニーズ調査、自治会加入促進チラシの新調などを行った。20年度は検討した内容を基に、地域減災のための新たな組織づくりと活動の推進や、多文化共生の「コミュニケーションの場」と「ネットワーク」作り、「移動支援への取り組み」として必要な支援や仕組みの検討などに取り組むことにしている。
(月刊「ガバナンス」2020年3月号・DATA BANK2020より抜粋)

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