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ガバナンス編集部

自治体最新情報にアクセス|DATABANK2022 月刊「ガバナンス」2022年1月号

地方自治

2022.01.31

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2022年1月号)

●LINEによる保活支援サービスを実施

 東京都練馬区(74万100人)は、子どもを保育園に入園させるための手続(保活)を支援するため、スマートフォンの通信アプリ「LINE」を活用したサービスを実施している。保育課への相談や情報収集のため、平日に仕事を休むなどして区役所へ出向き、窓口で長時間順番待ちをしなくても、“いつでも・どこでも”保活が行えるようにして子育て家庭を支援するのがねらい。

 区は20年10月からLINE公式アカウントの運用を開始し、条件に合った区内保育施設を地図から検索できる保活支援サービスを全国に先駆けて実施。21年10月からは保育指数のシミュレーション(試算)ができるサービスを全国で初めて開始した。保育指数とは入園選考において優先順位を決める点数で、メニューから「保育指数シミュレーション」をタップし、世帯や児童、保護者の状況についての質問に回答していくと指数(参考値)が試算され、保育施設の絞り込みに活用できる。また、AI(チャットボット)による保育に関する問合せへの自動応答や、子育て分野の情報配信も行っている。保活支援サービスはLINEで練馬区を「友だち」に追加することで利用できる。

(月刊「ガバナンス」2022年1月号・DATA BANK2022より抜粋)

●リユースPCの再利用事業を実施

 山形県最上町(8300人)は、ソフマップの協力を得て「リユースPC地域再利用事業」を実施するため、21年10月26日にリユースパソコン(PC)の寄贈式を行った。町役場の使用済みPCを再生したリユースPCを町内の集落や福祉施設等で活用してもらうことで、PCの有効利用を図るとともに町民がインターネット等を利用しやすい環境を整備するのが目的。

 同事業は、PCやソフト等の販売・買取・サポートなどを行っている同社が、地域に役立つサービスの一環としてリユースPC再利用の実証実験を行う自治体を募集し、町が参加して進められた取組み。万全のセキュリティ対策を施したITAD(IT資産管理)センターを有する同社の専門スタッフが適切なデータ消去を行って47台のPCを再生し、町内の団体等に無償譲渡した。

(月刊「ガバナンス」2022年1月号・DATA BANK2022より抜粋)

高橋重美町長(左)とソフマップの中阿地信介社長。

●立ち止まった状態でのエスカレーター利用を義務化

 埼玉県(739万3800人)は、「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を施行した。エスカレーターを歩いたり走ったりして利用することによる事故を防止するため、議員提案で21年3月に全国に先駆けて条例を制定していた。

 同条例は全7条で、県・県民・関係事業者の責務を規定。その上で、エスカレーターの利用者の義務として「立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない」と定めるとともに、管理者の義務として「利用者に対し、立ち止まった状態でエスカレーターを利用すべきことを周知しなければならない」と明記している。また、知事は管理者に対し、立ち止まった状態でのエスカレーター利用の周知に関して必要な指導・助言・勧告をすることができることを規定している。義務違反等に対する罰則規定は設けていない。

 条例施行を受けて県は、県内主要駅での街頭キャンペーンや県民へのエスカレーターの安全利用を呼び掛ける取組みを開始。県広報紙をはじめ、テレビ、ラジオなどの広報媒体を活用して周知を図った。県内主要駅での街頭キャンペーンには大野元裕知事も参加し、条例を周知するチラシやウェットティッシュを配布して啓発活動を行った。また、管理者による周知を支援するため、ポスターやPRシール、アナウンス音声データを作成して管理者へ配布。県内市町村等に対して、ポスターの掲示や市町村広報紙、デジタルサイネージ等での啓発の協力を依頼し、全県挙げた周知活動を展開している。

(月刊「ガバナンス」2022年1月号・DATA BANK2022より抜粋)

●郵便局がコロナワクチン接種のネット予約を代行

 石川県小松市(10万7700人)は、日本郵便北陸支社と業務委託契約を締結し、市内郵便局で新型コロナウイルスワクチン接種の予約受付が行える取組みを開始した。市の電子申請用パソコンが設置され、地域に身近な証明書等の申請拠点となっている市内郵便局を活用し、3回目接種を見据えてワクチン接種のインターネット予約ができない住民を支援していく。また、予約受付会場への集中による3密の回避を図るのもねらい。郵便局への予約業務の委託は全国初となる。

 予約受付ができるのは市内の10郵便局。これまでも電子申請用パソコンを使って住民自らワクチン接種を予約できたが、PC操作が苦手な住民は利用しづらかった。業務委託によって郵便局員が本人に代わって予約申請を入力できるようになり、住民の利便性は高まった。

(月刊「ガバナンス」2022年1月号・DATA BANK2022より抜粋)

契約書を示す宮橋勝栄市長(左)と三井亨小松郵便局長。

●定期路線バスを活用した「モバイル市役所」を22年度にスタート

 長野県伊那市(6万7100人)は、動く市役所窓口機能を担う「モバイル市役所」の22年度からの稼働に向けた準備を進めている。運行中の定期路線バス1台を改造して情報通信インフラなどを搭載し、路線運行のない昼間の時間帯に利用者を支援する専門支援員(コンシェルジュ)が乗車してオンラインで市役所窓口と結んで各種行政サービスを提供する取組み。事前予約制とし、地域に出向いて各種証明書の発行や行政相談などを行い、高齢者など来庁が困難な市民への行政サービスの向上を図っていく。

 業務は、伊那市モバイルクリニック事業の実績があるMONET Technologiesと、市の基幹ネットワークのセキュリティ運用の実績を持つ東日本電信電話に委託して進める。バス車両のデザインと愛称を公募し、愛称は「もーば」に決定した。

(月刊「ガバナンス」2022年1月号・DATA BANK2022より抜粋)

事業を発表する白鳥孝市長。

●日曜・祝日の市内電車・バス無料デーを実施

 高知市(32万5200人)は、21年11月~22年1月の日曜日・祝日と年末年始に、市内の公共交通が無料で利用できる「日曜日・祝日の電車・バス等無料デー」を実施している。

 対象路線は、路面電車の全路線(南国市・いの町での利用も無料)と、路線バスで市内を運行する全路線、デマンド型乗合タクシーの全路線。路線バスについては、市内での乗降だけでなく、市内と市外をまたいでの利用も無料となる(MY遊バス・空港連絡バス・高速バスは対象外)。

 今回の市内電車・バス無料デーは、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」を活用した市の補助金によるもので、このほか市では、関連イベントとして、期間中、体験乗車や車庫見学などができるイベントも開催される。

(月刊「ガバナンス」2022年1月号・DATA BANK2022より抜粋)

●まちづくり分野にソーシャル・インパクト・ボンドを導入

 前橋市(33万5100人)は、市内の馬場川通りを対象とした地域まちづくり勉強会や社会実験などにより、地域コミュニティの再生及びエリア価値の向上に寄与する事業を、まちづくり分野では全国初となるソーシャル・インパクト・ボンドにより実施する。

 ソーシャル・インパクト・ボンドとは、社会課題の解決に向けて、資金提供者から調達した資金をもとに、行政が民間事業者に業務を委託し、事業の成果に応じて事業者に報酬を支払う成果報酬型の金融商品。

 今回対象となるのは、19年に官民協働で策定したまちづくり指針である「アーバンデザイン」に基づいた、馬場川通りの活性化プロジェクト。市は、(一社)前橋デザインコミッションと締結した成果連動型の民間委託契約方式による事業の実施にあたり、すみれ地域信託、第一生命保険との合意を得て信託方式でのソーシャル・インパクト・ボンドの事業実施スキームを構築。同スキームに基づき、24年3月までに事業を実施し、成果指標である歩行者通行量の増加を目指す。21年10月には、事業の一環として、馬場川通りの自動車通過交通を制限した社会実験を実施した。

(月刊「ガバナンス」2022年1月号・DATA BANK2022より抜粋)

 

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