連載 vol.28「つながる」力 連絡を取り続けることで生まれる信頼関係──これが本当の意味での「人脈」 【西 香織(大分・中津市職員)】
地方自治
2022.02.02
本記事は、月刊『ガバナンス』2016年7月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
連絡を取り続けることで生まれる信頼関係──これが本当の意味での「人脈」
私はきっと周囲や今まで出会ってきた方々に恵まれていると思う。そう思えるのは、10年ほど前に、滋賀県にある国際アカデミーの研修で同じグループになった方から紹介していただいたKGPMが今の私を形成していると言っていいほど大きな影響を与えたからだ。
KGPMのメーリングリストで知った兵庫県尼崎市、大阪府八尾市、貝塚市の事務改善発表会で「職員同士のつながり」や「市民に対する思いやり(市民の立場に立った考え方)」を目の当たりにし、「私も職場の人たちと連携しながら、市民を笑顔にできる職員になりたい」と思った。それ以来、できる範囲で事務改善に取り組んだり、自治体職員向けの研修会や他の自治体の勉強会などに積極的に参加して、現在ではOFP(Oita Fan Party)や九州まちづくりオフサイトミーティング(九州OM)などのグループに所属している。
その中でも、今一番、私が関わっているグループは、「全国自治体職員の集い」である。このグループは、自治体職員が地域プロデューサーとして、自分の地域のことを知り、気づき、学び、それをどう活かし、行動するのかといったことを全国の自治体職員同士が協力しながら、お互いに切磋琢磨する学びの場である。
一つの自治体では限界があることでも、各自治体の職員同士がネットワークとしてつながり、県単位やブロック単位でまとまることにより、今まで以上に地域の魅力や可能性が見えてくる。自治体職員が地域プロデューサーとして、地域住民の方々が主役になれるように縁の下の力持ちとしての役割を果たしながら、地域と関わり、「公務員」としての誠実さや謙虚さを身に付けることが地域住民との信頼関係をより強くしていくと思う。
名刺交換が人脈づくりと考える人がたくさんいると思う。しかし、その中に実際に連絡を取り合っている人が何人いるだろうか。年に数回でもかまわない。お互いを思いやり、尊敬し合いながら、連絡を取り続けていることで、信頼関係が生まれる。これが本当の意味での「人脈」である、と私は思う。
(大分・中津市職員/西 香織)