連載 vol.52「つながる」力 輪をより広げ、人と人とをつなぐ、みんなが笑顔で支えあえる公務員でありたい 【小林正人(群馬・桐生市職員)】
地方自治
2023.01.13
目次
本記事は、月刊『ガバナンス』2018年7月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
本市では、職員相互の啓発・士気高揚の一環として、自主的な活動が活発に行われ、自由な議論ができ、豊かな発想を生み出せるような組織風土をつくることを目的とした、いわゆる「職員自主研究活動」を数十年前から推進している。そのような環境のなか、2001年度に、先進地である長野県上田市へ視察を行うなど、「映像支援におけるまちづくり」をテーマとした調査研究を1年間かけて行った。
その成果が認められ、翌年には事業化されることになった。これが、全国初の取組みとして後に注目されることとなった、行政と民間の協働で運営する新しいタイプの『わたらせフィルムコミッション』の誕生である。
当時、私は29歳。行政経験も浅かったことや、前例のない新しい業務であったため、周囲からは「そんなのお役所の仕事じゃない!」などと陰口を言われる日々もあったが、それを支えてくれたのは、同じような境遇で戦ってきた全国の自治体職員の仲間達であった。
そんな仲間達と国内でよりよい撮影環境を整え、映像によるまちづくりをより推進していこうと、2009年に、特定非営利活動法人ジャパン・フィルムコミッションを設立。私は当初、理事兼関東甲信越静ブロック長に就任し、全国の自治体職員や議員などを対象にロケ支援がもたらす地域活性化の方法等を伝授してきた。
現在は、その業務から退いたものの、そのような経験や全国の仲間達とのネットワークを活かしながら、群馬県内の自治体職員で構成する「上州知域づくりオフサイトミーティング」を通じて、仲間達を中心に定期的に親睦を深めている。職場での不満や地域活動の方法など、公務員ならではの悩みの大半は、対話することによって解消できると思う。私自身も、これで良いのかと思うことは確認作業のために県内各地の仲間の所へ出向くことが頻繁にある。
これからも、このような輪をより広げ、人と人とをつないでいき、みんなが笑顔で支えあえる公務員でありたいと常々思っている。
(群馬・桐生市職員/小林正人)