【リレー連載】「自治体×デジタル」を考える 東西南北デジデジ日記

千葉大右・多田 功・山形巧哉・今村 寛

東西南北デジデジ日記 vol.57 今週の担当:【南】今村寛

地方自治

2022.11.17

「自治体×デジタル」を多彩な切り口からゆるっと考えてみる、現役&元自治体職員4名によるリレー日記。vol.54からはお題なしのフリートークで進行中。【南】今村さんに意外なオファーが舞い込んだそうで…。(※本連載は毎週木曜更新です)

―――――2022年11月17日 Thu.―――――――

 

私は何のためにここにいるのか

今クールは「天の声」によるお題提供はありません。
ということで山形さん(vol.54)、千葉さん(vol.55)、多田さん(vol.56)、それぞれ独自路線で走っていますね。

それはそれで個性豊かな専門家によるリレー連載というこの企画の当初の目的に適っているわけなので、私も自分の与えられた領分で今回はフリーでやらせてもらいます。
と言いつつ、このリレー連載で唯一DXの門外漢である私がなぜかメンバーの一人として加わっている理由について踏まえないわけにはいきません。

そう、私は何のためにここにいるのか、その存在意義が問われています(汗)。

 

横串を刺す門外漢の役割

先日、あるオンラインイベントに登壇させていただきました。

それは、福祉・介護関係の事業者、NPO、行政職員等が先進事例を学ぶというセミナーでした。
今回は3つの自治体の取り組み事例の紹介をそれぞれの自治体職員が行うという場だったのですが、なぜか福祉介護の現場に携わったことのない私が4人目の登壇者として役割を与えられたわけです。

「東西南北デジデジ日記」のメンバーとしての私の役割にすごく似ているなと改めて感じました。

私がそのセミナーで与えられた役割は「横串を刺す」ことでした。
3つの自治体が先進的に取り組んでいた事例はいずれも、行政だけではなく多様なセクターの連携協力のもと、またサービスユーザーの当事者である市民も一緒になって主体的に事業を進めていくことで成果が得られたもので、その成功の秘訣が「対話による共創」でした。

私は福祉・介護の門外漢ではありますが、「対話」にかけてはそれなりに考えたり語ったりしてきた蓄積があります。
そこで、3つの先進事例に共通する「成功の鍵」としての「対話」について、具体的な方法や持つべき精神論みたいなお話をさせていただきました。
「対話」を軸に据えることで多様なセクターとの連携協力や市民参画がうまく進みますよ、というまとめをさせていただいたところです。

 

異分野だから話せる視点

私はこの「東西南北デジデジ日記」でも連載開始以来ずっと4番目、しんがりを務めてきました。
ですが、そういう役割を意識してきたわけでもありませんし、そもそもお三方の原稿は読んでいるだけで楽しいし、ためになるし、解釈を加えるまでもなくわかりやすいもので、私が講釈を垂れるなんて恐れ多い。

しかし、これも先日の話、面白いオファーが舞い込みました。
とある自治体で福祉分野のDX推進を担当している部署から、職員研修の講師として招きたいとのお声がけがあったのです。

福祉もDXも専門外なのですが、そのオファーの理由がこの「東西南北デジデジ日記」を読んで、私が放つ門外漢としての言葉に元気や勇気をもらったと言うのです。

庁内でDX推進の旗を振っても組織内の縦割り、横割りの中でみんな他人事。

笛吹けど踊らずのジレンマの中で、私がこの連載で何度か触れた組織内のコミュニケーションの話やあるべき未来の姿、ビジョンの共有の話など、私が財政課時代やオフサイトミーティング、あるいはその後の様々な分野での対話と共創の経験なんかがにじみ出ていて、そういう視点、論点で筆を進めているのがよかった、とオファーをくれた担当者は話を続けてくれました。

専門家でない私を間に挟むこの連載陣の選任が功を奏したということでしょう。

講演は少し先の話になりますが、このオファー、しっかり受けたいと思っています。

 

最後は強引にフィニッシュ

山形さん、千葉さん、多田さんといったDX界隈で綺羅星と輝くスター選手とご一緒に、毎回勉強させてもらっているだけでもありがたいのに、自分がその3人を差し置いてまさか自分が自治体DXの旗を振る人たちに講釈を垂れる日が来るなんて望外の喜びです。

千葉さんが次の世代を発掘することへの期待感を書いておられましたが(vol.55)、DX門外漢の私もその一助を担うことができ、大変光栄です。

コロナのおかげでオンラインでの登壇も簡単にできるようになりましたが、オンラインでは伝えられない熱量をお届けするために、できたら現地に赴き、多田さんが言う、デジタルという「便利な体験」がどんな利益をもたらしたのか、直接会うという「不便益」の価値についても考えてみたいと思います(vol.56)。

この展開は編集部がこの連載企画を始めた当初に予期していたことなのか。

ひょっとしたらそういう夢想もあったかもしれませんが、それを成果ととらえてあらかじめ目指すにはエビデンスが足りない。
世の中そんなことばかりです。

DXもまたしかり。まず一歩進めることから。
そう山形さんも言っています(vol.54)。

これからも、お三方の玉稿に続くしんがりの門外漢として、役割を果たしていきたいと思います。

ちょっと無理やりまとめた感がありますが、強引に横串を刺してみました(笑)。

おあとがよろしいようで。デジデジ!

 

~次回の日記は11月24日(木)に更新予定です!~

 

★2018年12月『自治体の“台所”事情“財政が厳しい”ってどういうこと?』という本を書きました。
https://shop.gyosei.jp/products/detail/9885

★2021年6月『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』という本を書きました。
https://www.koshokuken.co.jp/publication/practical/20210330-567/

★そのほか、自治体財政の話、対話の話など、日々の雑感をブログに書き留めています。
https://note.com/yumifumi69/

 

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