【リレー連載】「自治体×デジタル」を考える 東西南北デジデジ日記
東西南北デジデジ日記 vol.55 今週の担当:【東】千葉大右
地方自治
2022.11.03
「自治体×デジタル」を多彩な切り口からゆるっと考えてみる、現役&元自治体職員4名によるリレー日記。新しい取り組みは大変なんですが、新しい「何か」が必ずあるものですね。そして、それを知ってる先駆者たちは、追随する者を待っている!(※本連載は毎週木曜更新です)
―――――2022年11月3日 Thu.―――――――
自分語り第3弾
え? 今回は天の声なし!?
まいったな。お題があったほうが書きやすいんだけどなぁ。
では、vol.25の入庁から二度の異動を経て電子行政推進課に至る自分語りと、vol.33の電子行政推進課で天狗になってた頃の自分語りに続く、今の私の活動のきっかけを得た頃の自分語りでもしましょうか。
ホストコンピュータのお守り時代
電子行政推進課(在籍2005~2012年)では、そのほとんどをホストコンピュータ(以下「ホスト」)のお守りとして過ごしました。
ホストのお守りでは、ホスト上で動く特定の業務システムの面倒も見ますが、それだけではなく、ホスト外のシステム(クラサバ(クライアントサーバシステム)等)との連携やネットワークの面倒も見ていました。
いずれにしても、イチ係員だった私に必要なのは限られた狭い範囲(その代わり深い)の知識であり、外に目を向けなくても業務に支障はありませんでした。
vol.33でも触れたように、「もっと早くに外に出ていたら自分はどうなっていただろう」との思いは今でもありますが、当時はやりがいのある仕事だと感じていましたし、なにより仕事が楽しかったのですから、この頃の自分の環境には本当に感謝しています。
マイナンバー制度との出会い
その後、システムとは全く無縁の船橋駅前総合窓口センターに1年、システムと税の経験が求められた臨時給付金担当課に半年在籍したあと、2014年10月から戸籍住民課でマイナンバー制度を担当することになりました。
当時41歳。
職位も係長級となり、いよいよイチ係員ですとのんびりとはしていられない状況となりました。
ちなみに、船橋駅前総合窓口センターと臨時給付金担当課は合わせてわずか1年半でしたが、それまで経験したことのない経験ができたことで、自らの成長(これはあとになって気づいたことですが)が特に促された期間だったと思います。
職員の成長は、決して在籍年数に比例するものではないんですね。
皆さんご存じのとおり、マイナンバー制度は2015年10月に始まった新しい制度です。
したがって業務の経験者はまだ存在せず、制度に関する相談を庁内の誰にもすることができませんでした。
そのため、自然と他団体のマイナンバー制度担当職員と交流するようになりました。
2015年10月以前の準備も、以降の事務も、全て五月雨に発出される国からの通知を読み解き、自らの解釈を加えながら進める必要がありました。
私はマイナンバー制度担当として他の係から独立した存在でしたが、他団体においてはこのような立場は珍しいものだったようです。
次第にマイナンバー制度担当が集まるコミュニティにおいて積極的に発信するようになり、それまでとは違ったやりがいを感じはじめていました。
初めての登壇
そんななか、知己を得た民間の方から、主催するセミナーへの登壇依頼がありました。
所属長でもない私に声をかけてくれたこともそうですが、依頼してくれた方にはその後もなにかと気にかけていただいて、私が活動の場を広げていく助けとなりました。
民間の方との付き合い方は距離感が難しいこともありますが、公共のことを真面目に考えて活動されている方も多くいます。
そういった方々とのつながりを大切にすることで、自分の活動の幅を広げることができます。
その後は人と人のつながりによって自分の世界が広がり、現在に至ります。
電子行政推進課にいた頃は、想像もしなかった世界です。
次の世代を発掘する
前述の初登壇のときは42歳。
多くの自治体で係長職を担う世代です。
私のひと世代下、現在40歳前後の方の中には、すでに組織の枠を超えた活躍をしている方もいます。
でもまだまだ世に出てきていない方もたくさんいるはずです。
40歳前後の係長職を担う世代は、イコール現場における企画立案を担う世代でもあります。
役所は係長行政とも言われます。
この世代が存在感を示すことは、全国の自治体において優れた取り組みが生まれる素地となるはずです。
そのような職員を発掘する場を増やせたらいいなぁと、最近よく考えます。
コロナ禍でそういう場がすっかり減ってしまいましたからね。
このお話はまた別の機会にすることにしましょう。
それではまた来週。デジデジ!
~次回の日記は11月10日(木)に更新予定です!~
バックナンバーのご案内