【リレー連載】「自治体×デジタル」を考える 東西南北デジデジ日記

千葉大右・多田 功・山形巧哉・今村 寛

東西南北デジデジ日記 vol.54 今週の担当:【北】山形巧哉

地方自治

2022.10.27

「自治体×デジタル」を多彩な切り口からゆるっと考えてみる、現役&元自治体職員4名によるリレー日記。身近な体験から感じるサービスとシステムのことって、意識してみると、意外に多いものなんですね。(※本連載は毎週木曜更新です)

―――――2022年10月27日 Thu.―――――――

 

飛行機搭乗でこんなことが

あれ? 今回は天の声なし!?
まいったな、どんなテーマにしたらいいものやらさっぱり…。

そうそう、そういえば、DXと全く関係ないですけど、僕、うまれて初めて、飛行機の乗継に失敗しました。

公務員時代、何年かに1回くらいは海外とか旅行してみたい!! と思い立ち、陸マイラーとして、マイルをせっせと貯めていました。
いよいよ貯まるか? となったところで始まったコロナ禍。

その後、マイルの利用期限は延長特例がされていたものの、ここ最近は少しずつアフターコロナ禍に向けた生活もスタートしてきており、その特例も終了に。「使わないと損しちゃう!!」
でも、そんなすぐには旅行行けないよ…。

調べてみると、マイルで交換できるチケットにはちょっとしたテクニックもある模様。
函館近郊在住の僕は、「国内のどこか」に行くには原則、羽田or伊丹での乗継になります。
基本的にフライト本数が多いのは羽田。
ということで、まずは羽田でチケットゲットだぜ。よしよし。
マイル失効せずに済んでよかったよかった。

 

予約はスムーズ

その後、いつ使うともしれないチケットを保有しながら、「本当、いつ使えるんだろ」と考えていたところ、友人たちが運営するイベントがなまら面白そう。
「おお、これに行くためにチケットがあるんだな! これからの勉強にもなるだろうし、行ってみよう!!」と脊髄反射で乗継便の予約をー…

っと? あれ、できない。

どうやら、マイルで乗れるチケットは、その時々(便?)でマイル利用の座席数が決まっているとのこと。
全然知らなかったな。
世の中いろいろ経験してみないとわからない事多いですね(ふり)。

とはいえ、開催日がまだ先のイベントなので、ウェブで乗り換えチケットの時刻を確認。
「よしよし、この時間の便を取れば乗り換え可能なんだな」

で、その区間を見てみると早割チケットが手に入りそうだから…ポチッ。購入完了。

その昔、飛行機のチケットを取るってすごい敷居の高い印象だったのですが、今やスマホでポチポチやっていればスグ完了。
なまらラクちん。
しかもチケットも電子でOKですもんね。
空港の窓口も少なくなり、手荷物の預かりなどもセルフサービスに。

本当に便利になったもんだ。
DX万歳。

 

そしてそれは発生した

いよいよ出発当日。
ここ最近、僕が乗る飛行機は、遅延がデフォルトで定時出発することが少ない。今回も例に漏れず遅延。

乗り継ぎ、大丈夫かな? と脳裏によぎったものの、そもそも検索時に乗り継ぎ候補で出てきた旅程だし、元々の乗り継ぎも50分くらい余裕があるし、大丈夫。

これまでの経験上、乗り継ぎ時間がギリギリになった場合は、飛行機から降りたら声かけてくれて、すぐに乗り換え行けるしー…。
などと考えていたのですが、あれ、なんか、遅延、大きすぎね?

機内アナウンスがあるはずと期待して、
「乗り継ぎの方は、地上の…」、ほらね、アナウンスが入った。
…あれ、僕の便、言われない。ま、降りて聞けばいいのかな?

飛行機は無事着陸。この時点で次の便出発まで10分前。
地上の係員の方に乗り継ぎ便を伝えると、「それでは乗換口に…」と。
なるほど、出発までまだ10分くらいあるから、急いで案内じゃなく、通常対応で行けるということね。了解。
で、乗り継ぎ便搭乗口のゲートで、
「あれっ!? エラー??」

近くにいた係員さんも大慌てでいろいろ連絡をしてくれたのですが、飛行機はいろいろとルールがあるようで、結果として乗り継ぎに失敗。
ひえええええええ

 

システムって大変だよね

なぜこんなことが起きたのか。
端的にいうとシステムの「ジレンマ」だなあと思いました。
発生要因としてはこんな感じなのかな。

1.乗り継ぎチケット(出発地A to 乗継地B to 目的地C)ではなく、単独チケットの組み合わせ(出発地A to 乗継地B,乗継地B to 目的地C)だった 2.ネットチェックイン+手荷物を預けなかった
乗り継ぎチケットの場合、経由地では搭乗手続きがスルーされますが、

単独チケットの場合、僕の気持ちのなかでは
出発地A to 乗継地B,乗継地B to 目的地C であったとしても、
システム上は
出発地A to 目的地B,出発地B to 目的地C となるわけです。

乗り継ぎ時間がたとえ1時間しかなかったとしても、一瞬外に出て人に会い、再度搭乗手続きをし直すことを想定しているケースなどもあるかもしれず、それをシステム的に自動で判断させるのはちょっと難しい。

こうなると、人間が介在したほうがよさそうだよなと僕は思います。

ネットチェックイン時で何かをしたほうがいいのかなと考えますが、今はチェックインしなくてもスキップして保安検査場まで行けてしまう。
しかも僕はいつもバックパックのみで移動するので、手荷物を預けることがなく、空港スタッフと話をして最終目的地を確認し合う手段もない。

 

「システム化する」のジレンマ

このように理論的に考えると、今回の現象の「ジレンマ」が見えてくる。
チケットを別々に買うと、買うタイミングもずれてしまうから、今後は「乗継連携」とかのメニューを作ってくれるといいのかもなあ。

イベントには無事間に合ったし、そもそも考えていくと、(乗り継ぎの必要性は僕しか知り得ないのに)僕が乗り継ぎのことを自発的に申し出なかったのがダメだった。
むしろ、これまで、このようなことを意識せずとも飛行機を利用できていたということは、普段からとてもすばらしいサービスを提供してもらってるんだな。

行政サービスも、「システム化するー」といった場合、いろんなこと想定してシステム化していくうえで、やはり、どうしてもイレギュラーなケースは出てくるわけです。
しかし、こういうイレギュラーケースを怖がってしまい、何も進めない、何も導入しないという選択をすると、結果、その問題や課題が先延ばしされていく一方で、発展がありません。

まず一歩進める。
これ、DXだけではなく、いろんな分野で行政が不得意とするところかなと思います。
こういう、まず一歩進めるにはどうやっていったらいいんでしょうね。
そこの話し合いを庁内でしてみるのもいいかもしれませんね。

ということで、乗り継ぎに失敗し、人生初の振替。よかったw
また次回お会いしましょう。デジデジ!

 

~次回の日記は11月3日(木)に更新予定です!~

 

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