東西南北のそれぞれで奮闘する現役自治体職員と元自治体職員４名によるリレー日記。タイトルに冠しているとおり、テーマはデジタルなれど、小難しいこと抜きに、多彩な切り口で「自治体×デジタル」を考えてみよう、な日記です。シンポジウムやフォーラムのリアル開催が徐々に増え、対面が復活の兆し。自治体職員が外に出るからこそわかることって？

―――――2022年6月2日　Thu.―――――――

戻りつつある日常

先日、久しぶりにリアルな勉強会に参加しました。

当初は「主催者や常連さんの顔を見るだけでもいいな」という軽い気持ちで参加を申し込みましたが、いざ参加してみると、話を聞くことも周りの人と話すこともとても新鮮でした。

忘れかけていた「脳みそが汗をかく」感覚です。
オンラインでは得難いリアルのよさをあらためて認識しました。

もちろんオンラインはオンラインのよさがありますので、これからは双方のよさをうまく使い分けたりミックスしたりすることが必要なんでしょうね。

新米SEへの洗礼

vol.25で、入庁から二度の異動を経て電子行政推進課（当時）に至る自分語りをしました。
今回はその続きの自分語りをしたいと思います。
vol.31で山形さんが書いた「鼻が折れる」話です。

電子行政推進課に着任した当初は、市民税課における７年間の仕事ぶりに自信を深め、鼻っ柱は相当高くなっていたと思います。
当時の年齢は32歳で頭脳・体力ともに充実していましたから、業務班（メインフレームで業務システムを運用する班。基幹系担当と呼ばれていた）に配属と知ったときも、「希望（情報系担当）と違うけど、なんとかなるだろう（内心余裕）」という感覚でした。

実際研修では、一緒に異動してきた同僚よりもABEND（異常終了）の回数は少なかったですし、与えられた課題は着実にこなすことができました。
研修が終わるころには、簡単な印刷ジョブなら難なく実行できるようになっていました。

１か月にわたる研修が終わり、いよいよ本格的に業務に携わるようになった私を待ち受けていたのは、想像を超える膨大な数のプログラムとジョブ、そしてそれを動かすための数々の環境でした。

外に出て鼻を折る

伸びに伸びていた私の鼻は、見事にぽっきり折れました。
簡単に言えば「挫折」です。

けれども不思議とネガティブな感情はなく、むしろ覚えなくてはならないことの多さに喜々とした記憶があります。

その後８年にわたり社内SEとして過ごしたわけですが、この間、私は置かれた環境に満足し、外に目を向けることはありませんでした。
これはオープン化が遅れていて新しい知識を吸収する必要がなかったことや、職場としての環境に恵まれていたことが理由です。
仕事をするうえではなんの不自由もありませんでしたので、それはそれで仕方のないことだったと思います。

しかしながら、後から感じることは、「もっと早く外に出て、外で鼻を折られる機会があったら、自分はどう変わっていただろうか」という思いです。

越境は大切だ

山形さんも書かれていましたが、官民問わず、本当に世の中はすごい人だらけで、ちょっと鼻を高くしているとすぐに折れてしまいます。
言い換えれば、気持ちをリセットしたいときは、外に出ていろんな人と接して、あえて鼻を折ってくるのもいいかもしれません。

話を冒頭の勉強会に戻します。

今回久しぶりに、普段意識しないテーマの勉強会に参加して気づいたことがあります。
実は無意識のうちに自分を「枠」にはめていた、ということです。

外に出ているつもりでも徐々に接する人は固定化し、気がつけばそこは「外」ではなくなっている。
そんな感じです。
単に外に出るのではなく、「越境」を意識して行動することが大切だなと気づかされました。

皆さんも本当の「外」に出て、気づかぬうちに高くなった鼻を折ってくると、気持ちがすっきりするかもしれません。
それは冗談だとしても、あらためて「越境」を意識して、普段の行動を振り返ってみてはいかがでしょうか。

今回はなにやら意識高い系の話っぽくなってしまいました。
どうしたんでしょう。
疲れているのかもしれません。

それではまた来週。デジデジ！


※次回vol.30は、2022年6月9日（木）公開です。

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