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ガバナンス編集部

自治体最新情報にアクセス|DATABANK2022 月刊「ガバナンス」2022年4月号

地方自治

2022.04.28

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2022年4月号)

●新型コロナ感染者の「自主療養」を実施

 神奈川県(922万200人)は、新型コロナウイルス感染症感染者の「自主療養届出システム」を実施している。抗原検査キットや無料検査で陽性が判明した重症化リスクの低い、基礎疾患のない感染者などが、医療機関を受診せずに自ら療養を始められ、県の健康観察アシストが受けられる「自主療養」を選べるようにした県独自の取組み。新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が拡大し、重症化リスクが高い高齢者などへの感染が広がっていることから、限られた医療資源をリスクの高い感染者へ重点的に振り向けるのがねらい。

 自主療養対象者は、2歳〜39歳の人及び40歳〜64歳で基礎疾患や肥満傾向がない人。妊娠中(妊娠の可能性ありも含む)は対象外で、基礎疾患の有無にかかわらず医療機関を受診することとしている。また、医療機関の検査で陽性になった人は「自主療養」は選べない。

 具体的には、対象者が抗原検査キットのセルフチェックや無料検査で陽性が判明した場合、県の「自主療養届出システム」にアクセスした上で必要事項を記入して届け出ると、県で審査され、自主療養届ダウンロード用URLが記された届出発行メールが送られてくる。届出が承認された日から医療機関を受診せずに自主療養が始められ、翌日からLINEやAIを活用した自動音声電話による健康観察が始まる。自主療養者は毎日、検温などの健康観察を行い、原則、症状が現れた日に10を足した日まで療養する。無症状の場合は検査を行った日に7を足した日まで自主療養を行う。体調が変わったときは医療機関を受診し、特に症状が重いなど急を要する場合は自主療養システム届出時に案内された緊急相談窓口の「神奈川県コロナ119番」に相談することとしている。自主療養届は、学校や勤務先へ欠席や休業を届け出る際に利用できる。

(月刊「ガバナンス」2022年4月号・DATA BANK2022より抜粋)

●地方自治体としては世界で初めてサステナビリティ・リンク・ボンドを発行

 滋賀県(141万8900人)は、CO₂ネットゼロ推進にかかわる県の姿勢や取組みについて、県民をはじめ、より多くの人々に知ってもらうとともに、一層の推進を図るべく、目標とその達成状況に応じた対応を連動させた「サステナビリティ・リンク・ボンド」を発行する。サステナビリティ・リンク・ボンドを地方自治体が発行するのは世界でも初めてのケースだという。県は、CO₂ネットゼロ推進のため、「CO₂ネットゼロ社会づくり推進計画」の策定を進めており、あわせて事業者としての行動計画である「環境にやさしい県庁率先行動計画(GOS)」の改定作業を行っている。この中で、国よりも厳しい数値目標の設定を予定しているという。

 ちなみにサステナビリティ・リンク・ボンドとは、ESG債の一つであり、ESGに関連する目標を設定し、その達成状況に応じた対応をあらかじめ設定して発行するボンド(債券)。このため、借り入れた資金の使い道を、あらかじめ設定したプロジェクト等に限定するグリーンボンド等とは仕組みが異なっている。

 今回は4月~5月に50億円発行し、償還期間は10年間。みずほ証券と野村證券が取り扱う。

(月刊「ガバナンス」2022年4月号・DATA BANK2022より抜粋)

●就職氷河期世代の就労を支援

 愛知県西尾市(17万1400人)は、就職氷河期世代の就労支援に向けて、西尾公共職業安定所(ハローワーク西尾)と「就職氷河期世代の就労支援に関する連携協定」を締結した。厳しい経済状況下で就職難に陥っていた就職氷河期世代で、その後も引き続き不安定な就労状態や無業状態にある人の就労を支援し、活力ある地域社会を実現するのがねらい。

 協定では、市とハローワーク西尾が互いの強みを生かし、地域の産業育成や雇用に関する課題の共有、共通の目標に向けた取組みの実施、相互連携による効果的かつ効率的な事業の実施などを推進することを明記。それに基づき、市内事業者における就職氷河期世代対象の求人の確保と面接会等を通じた具体的な人材マッチング支援や、無業状態者などへの一人ひとりのニーズを捉えた伴走型就労支援などに重点的に取り組んでいく。

中村健市長(右)とハローワーク西尾の伊藤勝敏所長。

(月刊「ガバナンス」2022年4月号・DATA BANK2022より抜粋)

●「産後レスパイトケア推進モデル事業」をスタート

 山梨県(82万1100人)は、「一時的に育児から解放され、心も体も休めたい」と願う産後の母親をサポートする「やまなし産後レスパイトケア推進モデル事業」を開始した。安心して子どもを産み育てることができる社会の構築を図るべく、産後の母親の心身の負担を軽減するための複数の産後レスパイトケアサービスを試験的に実施し、その効果や課題を検証しながら事業化に向けた検討を進めていくという。

 同モデル事業の対象者は、県内に住所を有する人で、2月1日時点で「1歳未満の多胎児を養育する世帯のお母さん(原文ママ)」または「1歳未満の乳児を養育するひとり親世帯(母子世帯)のお母さん(原文ママ)」となっている。

 モデル事業のサービスは3つ。そのうちホテルを活用した出張保育サービスでは、ホテルで一晩ゆっくりしてもらい、16時から翌朝8時までの間、県が派遣する保育士3人が、ホテルの別室で乳児(1日4人以内)を預かる。保育施設を活用したショートステイサービスでは、自宅で一晩ゆっくりしてもらい、16時30分から翌朝8時30分までの間、県が委託するこども園の保育士3人が、園内で乳児(1日4人以内)を預かる。

(月刊「ガバナンス」2022年4月号・DATA BANK2022より抜粋)

●高校の旧校舎を改修して新庁舎を開庁

 熊本県南関町(9500人)は、17年に閉校した熊本県立南関高等学校の校舎を活用・改修して新庁舎を整備し、1月4日に開庁した。旧庁舎が築50年以上を経過して老朽化や耐震性などの課題を抱えていたことから、熊本県から旧高校の土地と建物を無償譲渡されて進めたもの。鉄筋コンクリート3階建ての旧校舎2棟を改修して北館・南館として使用し、両館を連結する形で木造2階建ての本館を増築した。延床面積は5478㎡で旧庁舎の約2倍となった。

 新庁舎の本館1階には来庁者が多い税務住民課や福祉課などを配置。教室を活用し黒板等も再利用した旧校舎には建設課や経済課、まちづくり課などが入り、音楽室を議場に改修した。敷地には有明広域消防本部南関分署と防災対策拠点センター等を集約し、防災拠点機能を高めた。建設費は約15億4000万円。

(月刊「ガバナンス」2022年4月号・DATA BANK2022より抜粋)

●証明書のコンビニ交付を一律10円まで減額

 埼玉県入間市(14万7200人)は、コンビニで交付する市の証明書を一律10円とした。コロナ禍による減免ではなく、「自治体DXを進める」ことを目的に、コンビニ交付サービスの手数料を10円にまで減額する。コンビニで証明書を取得するためには、マイナンバーカードが必要になることから、市では、住民の利便を向上させるだけでなく、全国的に苦慮しているマイナンバーカードの普及を進めることも目的としている。

 そのため、オンラインによる手続を充実させ、証明書の交付以外にもマイナンバーカードを所有することのメリットを広げていくとしており、自治体DXを一層加速させ、「市民が行かなくても済む市役所」の実現を早めていくとしている。

 コンビニ交付サービスで取得できる証明書は、

・住民票の写し(窓口手数料200円)
・住民票記載事項証明書(同200円)
・印鑑登録証明書(同200円)
・戸籍謄本・戸籍抄本(全部・個人事項証明書)(同450円)
・戸籍の附票の写し (同200円)
・市・県民税所得証明書(同200円)

 など8種類。市役所、支所、出張所の窓口では、手数料の減額はない。

(月刊「ガバナンス」2022年4月号・DATA BANK2022より抜粋)

●診療所等がコロナ新規陽性者の療養方針決定と支援を実施

 大阪府豊中市(40万9400人)は、(一社)豊中市医師会と「新型コロナウイルス感染症患者の療養支援連携に関する協定」を締結した。新型コロナウイルス感染症が急速に流行する中で、市保健所が行ってきた新型コロナウイルス新規陽性者への個別聞き取りに基づく療養方針の決定などを市医師会会員の医療機関が行えるようにする協定で、全国初の取組みとなる。新規陽性者がファーストタッチから身近な医療機関で療養支援を受けられるようにすることで、新規陽性者への迅速な対応と急な重症化への早期対応を可能とするとともに、過重な保健所の業務負担を軽減するのがねらい。

 具体的には、診察した市医師会会員の医療機関の医師が、新規陽性者に対する療養方針の決定や同居家族への検査、必要に応じた投薬治療などを実施する。

長内繁樹市長(右)と豊中市医師会の飯尾雅彦会長。

(月刊「ガバナンス」2022年4月号・DATA BANK2022より抜粋)

 

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