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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2021 月刊「ガバナンス」2021年12月号

地方自治

2021.12.28

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2021年12月号)

●県内で働く全ての人を対象に1500人規模のDX研修をオンラインで開催

 広島県(282万6900人)は、県内の企業、団体、官公庁に勤める人などを対象に、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の考え方や実践するための基礎を学ぶことができる研修を実施している。こうした試みは全国初という。

 全県的にDXを推進するためには、民間、行政ともに人材の確保・育成が重要となる。そのために、まずはDXに対する正しい理解と実践意識を醸成する必要があることから、今回の研修を実施することとなった。

 研修の名称は「令和3年度広島県デジタルトランスフォーメーション基礎研修」で、通称「みんなのDX研修」。Zoomを利用したオンラインによるライブ講義で開催され、1回当たりの研修時間は3時間となっている。また1回の定員は30人で、計50回開催される予定。

 研修では、「DXとは」「データの利活用方法」などをテーマに、最新のデジタル技術などについて、全ての人に理解しやすい平易な表現で解説。Zoomのチャット機能を活用し、参加者が講義中にも気軽に質問ができるよう、講師やサポート員が自然な流れで発言を促している。また、参加者がDXを自分事としてとらえることができるように、Zoomのブレイクアウトルームの機能を活用。これにより1グループ4〜6人のグループワークを実施。ワーク中は講師やサポート員がディスカッションを促す。

 受講対象は、県内の企業、団体、官公庁に勤めている人で、主にDXを学んだ経験がない人を想定している。研修の開催期間は、22年3月中旬までで、参加費は無料。県のDX推進コミュニティのHPから申し込むことができる。

(月刊「ガバナンス」2021年12月号・DATA BANK2021より抜粋)

「みんなのDX研修」HPへ

●「ヤングケアラーオンラインサロン」を開催

 埼玉県(739万100人)は、10月から「ヤングケアラーオンラインサロン」を開催している。ヤングケアラーとは家族のケアなどを日常的に行っている18歳未満の若年者で、県が県内高校

2年生を対象に実施した調査では回答者の約4.1%が該当し、そのうち孤独やストレスを感じるとの声がそれぞれ20%近くあった。そこで、ヤングケアラーが気軽に集い、悩みや不安を打ち明けられる場として初めて企画した。

 参加対象は家族の世話や介助等を行っている高校生で、Zoomによるオンラインで開催。毎回テーマを設定して参加者同士で交流してもらい、また、家族の世話・介助経験がある大学生が聞き役として参加し、必要に応じて自らの体験を話してもらっている。参加者が安心して話し合えるよう非公開で、22年3月20日まで毎月1回、日曜日に開催する。

(月刊「ガバナンス」2021年12月号・DATA BANK2021より抜粋)

●ワークブックを作成して大麻乱用少年の立ち直りを支援

 福岡県(512万9800人)は、大麻乱用少年の立ち直りを支援するため、「少年用大麻再乱用防止ワークブック」を作成し、同ワークブックを活用した再乱用防止プログラムを開始した。

 近年、若年層を中心に大麻の乱用が広がっており、県内における19歳以下の少年の大麻事犯検挙補導者数は20年に62人と過去最多となった。若年期の大麻使用は依存症になるリスクが高くなるため、再乱用防止の支援が重要だが、大麻を使用した少年専用の再乱用防止プログラムがないことが課題となっていた。ワークブックは再乱用防止プログラムの実施に向け、薬物依存関連分野の専門家や関係機関の協力の下、国の研究機関の監修を得て作成したもので、大麻使用者専用のワークブックは全国初となる。

 ワークブックのタイトルは、「F-CAN(エフキャン)〜君ならできる!〜」。少年が取り組みやすいようにイラストを多用し、大麻依存から脱するための対処法などを分かりやすく解説している。

 また9月から、少年非行に対応する専門機関の県警少年サポートセンター(県警察本部少年課の附置機関で県内5か所に設置)が、同ワークブックを用いた「少年用大麻再乱用防止プログラム」を開始。薬物事犯で検挙補導された少年等を対象に、少年の自宅や少年サポートセンターなどで1人当たり全15回(標準的実施期間8か月程度)実施し、大麻を使用しなくても日常生活を送れるようにするためのノウハウをマンツーマンで指導して大麻乱用少年の立ち直りを支援している。

(月刊「ガバナンス」2021年12月号・DATA BANK2021より抜粋)

●就活支援のSNSアカウント「ナガサキ就活キラリ」を開設

 長崎市(41万6400人)は、就活支援のメディアとしてSNSのアカウント「ナガサキ就活キラリ」をTwitterとInstagram上に開設した。SNSを活用した情報発信を強化して、若年者の地元就職・定着を図るのがねらい。同アカウントでは、学生参加型の就活応援メディアというコンセプトの下、長崎大学の学生が運営する就活支援NPO法人「Lensa」と連携し、学生目線で学生が欲している就活に役立つ情報や企業人事の本音、長崎特有の就活事情、イベント情報などを発信している。

 また、アカウントのメインキャラクター制作を若者に人気のイラストレーターが担当し、ポップで親近感の湧く投稿を促進した。就活中の学生だけでなく、今後就活を迎える学生や保護者、市内への転職を考えている社会人への情報発信にも取り組んでいる。

(月刊「ガバナンス」2021年12月号・DATA BANK2021より抜粋)

●「情報エキスパート教員養成研修」を実施

 長崎県(135万800人)教委は、「情報エキスパート教員養成研修」を実施した。22年度実施の新教育課程から高校において「情報Ⅰ」が必履修科目となり、担当する全ての教員がコンピュータとプログラミングや情報デザイン、情報通信ネットワークなどについて指導することとなる。

 また、25年度大学入学共通テストで教科「情報」が新たに追加されることとなっている。そのため、情報エキスパート教員養成研修は、一般教員向け基礎研修の上位の専門的な研修として、情報システム学部を有する長崎県立大学と連携して実施したもの。大学教員による専門性の高い研修で、受講者の情報に関する知識・技能を拡張し、情報教育の水準を高めるのがねらい。

 同研修は、WEB会議システムを活用し、プログラミングの講座をオンデマンドで配信したほか、情報通信ネットワーク、情報セキュリティの各講座をオンライン配信で行った。情報の免許を保有し、「情報Ⅰ」教員研修用教材の内容を理解しており、「情報Ⅰ」の実施に向けた教員研修を受講しているなどの条件を満たした県立高校の教諭・講師11人が受講した。

(月刊「ガバナンス」2021年12月号・DATA BANK2021より抜粋)

●廃校の活用アイデアをAIと考えるワークショップを開催

 京都府福知山市(7万7700人)は、廃校の活用アイデアをAIと考える「地域アイデアワークショップ」を開催した。IT企業のTIS社と博報堂が共同開発した発想支援クラウドサービス「AIブレストスパーク」を活用して行ったもので、少子化等により統廃合が進む小学校の利活用を進めるのが目的。同クラウドサービスは、アイデアを生み出すコツを搭載したAIによって誰もがそのノウハウを実践できるようになっているのが特徴で、「言葉をランダムに結合して新しい概念を無数に生成する」といった機能がある。AIと廃校の活用アイデアを考える取組みは全国初。

 ワークショップは、11月1日に旧天津小学校において開催。廃校への進出可能性のある民間事業者12社18人をはじめ、福知山公立大学生4人、金融機関や市の職員も参加し、廃校活用に向けたアイデアワークを個人やグループで行ってアイデアを発表した。

(月刊「ガバナンス」2021年12月号・DATA BANK2021より抜粋)

●“転ばないまち”を目指し「転倒予防都市宣言」を実施

 山梨県富士吉田市(4万8600人)は、転倒しない身体づくりと万が一転倒しても安易に骨折をしないよう、柔軟性のあるしっかりとした骨格を形成することを目指して「転倒予防都市宣言」を行った。

 国内では急速に高齢化が進んでおり、市においても4月1日現在、高齢化率が30.3%になっている。団塊の世代が後期高齢者になる25年にはさらに加速すると見込まれている状況にある。

 こうしたなか、高齢者の要介護や寝たきりの大きな要因である転倒・転落は、大腿骨頚部骨折、脊椎骨折、頭部外傷などの重大なケガを招くことから、社会的問題となっている。また、転倒に関する問題は高齢者だけではなく、子どもの体力不足や運動機能の低下による事故も多くなっていることから、体が出来上がっていく幼少期からの取組みも重要視されている。

 宣言では、「食事」「運動」「環境」を転倒予防の三つの柱として、これらを達成するための「1日3食」「1日1運動」「1日1整理」を「1311運動」とし掲げている。市は、広報やケーブルテレビなどの媒体を活用した普及啓発活動や、転倒予防に関する教室等の開催などを通じ、市民に1311運動を推奨していく。

(月刊「ガバナンス」2021年12月号・DATA BANK2021より抜粋)

 

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