連載 コミットメント ── 他責から自責文化の自治体職員 第20回 これは誰の何のためにやるのか?【河野賢二(宮崎・川南町職員)】
地方自治
2022.12.09
本記事は、月刊『ガバナンス』2018年1月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会の修了生(マネ友)のメンバーがリレー形式で執筆します。
実践 実践 また実践
「実践 実践 また実践、練習 練習 また練習、やって やって やり通す、俺がやらねば誰がやる、今をおいていつできる、やってやれないことはない、やらずにできるわけがない、やって やって やり通す」
これは全国高校ラグビー大会・花園常連校で私の母校である県立高鍋高校ラグビー部のスローガンである。
私が川南町の2期生として「人マネ」に参加し、同期のメンバーと共に1年間学んだ上で、「これしかない!」と辿り着き、冬の早稲田でコミットメントした言葉でもある。
あれから3年、「人マネ」に参加したことで、それまで漠然としていた仕事に対する意識は大きく変わった。仕事を進める上で必ず最初に「これは誰の何のためにやるのか?」と考えるようになったのだ。
そして、この3年の間、組織にはびこる「前例踏襲」や「他責文化」を排除するために、様々な取組みを仲間と共に行ってきた。完全民営化が数年後に迫る公立保育所が、いかに求められる保育所として変革できるかを保育士みんなで考えた「保育の質を考える研究会」、提案型の職員研修「MOVE研修会」、自分の車と同じように公用車を大事にしようと始まった、週に一度の「KSB(公用車洗車日)」などだ。日々メンバーと共に組織改革に向けて奮闘してきたが、そう簡単に物事は進まない。そんな中、17年6月に開催した、人マネ熊本会場同窓会で九州の同志(マネ友)と再会し、変革への想いを再確認できたことは大きな力となった。
これまでは、規模の小さな私達の組織に比べ、数千人規模の大きな組織で改革に挑むマネ友は大変なチャレンジなのだろうと、まるで他人事のように考えていた。しかし、今私が取り組むべきは、職場という小さな枠組みではなく、町全体を一つの組織として捉え、この組織を良くしていくことが、「町民の未来のため」になると強く想うようになってきた。
だから今日も「実践 実践 また実践」なのだ。
(宮崎・川南町職員/河野賢二)