
特集:次代の自治・自治体職員のミライ
2018年、「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味がある「平成」の時代も30年目に入る。込められた意味とは裏腹に人口減少、少子・高齢化、多死社会など日本の将来には暗雲が漂う。自治体や自治体職員を取り巻く状況も一層厳しさを増すように見える。だが、「住民の福祉の増進を図る」を使命とする自治体職員は悲観ばかりしてはいられない。逆境の中でこそ、知恵と創意と勇気、そして自治体職員ならではの矜持とモチベーションを持って行動することが求められるのではないか。次代の自治、その自治を担う自治体職員のミライを展望したい。
■次代の自治と自治体職員/大森 彌

■自治体職員の働き方と矜持/中野雅至
〈次代の自治を拓く自治体職員〉
◇「決意」することから始めた事務局改革/中田 進
◇“自分ブランド”で勝負できる自治体職員に!/佐々木絵理
◇立ち位置を議員起点、役所起点から住民起点に/長内紳悟
◇現場こそ自治体職員の庭だ/安藤充輝
◇微力は無力ではない/阿部のり子
◇地元を生き抜き、大成するために/須藤文彦
◇いまと未来をむすぶ職員に/石塚清香
◇「勢い」は伝播する!/石川奈美
◇地域の課題に住民とともに向き合い、ゴールへ導ける人材に/寺本英仁
◇住み良いまちづくりは地域とともに/篠原裕次郎
◇わがまちファースト/日野稔邦
◇地域社会の未来をリードする人材に/和田大志
〈次代を拓く職員へのエール〉
□「貢献」に焦点をあて、さわやかな役所をめざせ!/戸田善規
□「住民プロフェッショナル」である勇気と説得力を/役重眞喜子
□現場の視点から見た政策立案のためのノウハウ/石田光広
□多難な事象に立ち向かい、チャレンジ精神をもって取り組む職員に/梅村晋一
スキルアップ特集:なりたい自分×キャリアデザイン
キャリアデザインとは、自分の職業人生を自らの手で主体的に構築・設計=デザインすること。皆さんは、「なりたい自分」の将来像を描いた上で、仕事に取り組んでいますか?日々の忙しさに追われて目の前の仕事をこなすのに精一杯という人も多いのではないでしょうか。2018年、新しい年のはじめに、これまでの経験や培ってきたスキルなどを振り返りながら、キャリアデザインについて考えてみましょう。
◆職員が元気になるキャリアデザインのすすめ/柴田朋子
◆年代別に考える職員のキャリアデザイン/安部浩成
〈取材リポート〉
◇職員の人財育成にキャリアデザインを導入/静岡県藤枝市
スキルアップ連載
■管理職って面白い!/定野 司
■ファシリテーションdeコミュニケーション/加留部貴行
■職場の問題解決!事例で学ぶ人財マネジメント講座/高嶋直人
■クレーム対応駆け込み寺/関根健夫
■上司が知っておきたいメンタルヘルスケア/清水隆司
■いい役所をつくろう!~みんなが主役の自治体改善運動/自治体改善マネジメント研究会
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●Governance Topics
□自治体間の「連携・補完」をテーマにセミナーを開催/(公財)地方自治総合研究所
□ローカルファイナンスの可能性から100年後の未来を構想する/第10回ローカルサミットin東近江
□地方創生まちづくりフォーラム「まちてん」を開催/まちてん2017実行委員会
□「日曜議会」に議員数の4倍の町民が傍聴/北海道浦幌町議会
□政治を身近に感じる地域づくりにチャレンジ/YouthCreate設立5周年イベント
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取材リポート
□平成にっぽんの首長 自治の自画像/小山 巧 三重県南伊勢町長
希望を実現できる町。若者たちの希望をみんなで実現してくれる町をつくりたい。
過疎化が進み、少子高齢化が著しい漁業の町で、若者定住を最重要施策に掲げ、「希望を持ち、誇れる町づくり」をめざす三重県南伊勢町の小山巧町長に聞いた。

□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
変わり果てた遺体を捜す【「双葉消防」125人の6年間(11)】
原発事故、続く苦悩
津波が襲った福島県双葉郡の海岸では、十分な捜索や救助ができなかった。原発事故が起きて、政府が避難指示を出したからだ。双葉地方広域市町村圏組合の消防士達は「まだ、生存者がいたはず」「なぜ、捜索できないのか」と後ろ髪を引かれながら阿武隈山中に退避し、原発事故の拡大に巻き込まれていく。捜索の再開は発災から1箇月後。遺体は変わり果てていた。
□現場発!自治体の「政策開発」
相談者に寄り添った対応で医療と教育への信頼を高める
──市立病院・市立学校アドボカシー制度(東京都稲城市)
東京都稲城市は、市立病院の患者や家族、市立学校の児童・生徒の保護者からの意見・要望・不満などに対応するため、市立病院アドボカシー制度と市立学校アドボカシー制度を実施している。病院や学校、教育委員会から独立した相談室を開設し、医療経験や教育経験が豊富な相談員が、相談者の権利や利益を擁護する立場に立って応対しているのが特徴だ。早期解決に努め、病院や学校に対する信頼の向上を図っている。
□人口減少・地域再生に挑む/葉上太郎
コンパクトシティの行方
──北海道夕張市、破綻10年からの再スタート(中)
南北35㎞、東西25㎞の広い市域に炭鉱の坑口が点在し、その坑口ごとに住宅街が形成されてきた北海道夕張市。これが行政の高コスト構造につながったとされており、市はスリムに生まれ変わろうと、コンパクトシティ化を進めている。市営住宅をJR夕張支線や国道沿いに集め、公共施設も新たに設定する「中心部」にまとめようしているのだ。しかし課題は多い。賛意を示す人がいる一方で、「市が勝手にやっている」と話す住民もいる。行方はどうなるのか。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
4年がかりで町議会初の政策提案書を町長に提出
──北海道浦幌町議会
北海道浦幌町議会は2017年9月21日、「安全・安心なまちづくりをめざす防災体制」についての政策提案書を町長に提出した。体系だった政策提案は町議会で初めて。同町議会では議会BCP(業務継続計画)も検討しており18年3月定例会で策定、合わせて議会基本条例を改正し、議会BCPを規定する予定だ。同町議会は議員のなり手不足解消に向けた取組みで全国的に注目を集めているが、積極的な政策提案でも着目されそうだ。
連載
□続・アサノ・ネクスト 浅野史郎 自治体が先行する情報公開
□「後藤式」知域に飛び出す公務員ライフ/後藤好邦
公務員の副業について考えよう──副業が認められる3つの条件
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 広瀬淡窓(十) 日田市での淡窓講演会
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□ザ・キーノート/清水真人
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□自治体のダウンスケーリング戦略/大杉 覚
□Gove Tech~デジタル時代の自治体イノベーション/後藤 浩
□自殺対策最前線「生きる支援」を、地域から/清水康之
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□地方分権改革と自治体実務──政策法務型思考のススメ/分権型政策法務研究会
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□自治体の防災マネジメント/鍵屋 一
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□議会局「軍師」論のススメ/清水克士
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『おそろしいビッグデータ』山本龍彦]]
カラーグラビア
□自治・地域再興
[原田謙介・NPO法人YouthCreate代表]
政治の側がもっと若者にアプローチすべき

2008年に「学生団体ivote」を創設して以来、「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに学校出前授業などの主権者教育、若者の投票率向上活動などを展開しているNPO法人YouthCreate(ユースクリエイト)代表の原田謙介氏。原田氏は若者の政治離れではなく「政治の若者離れ」であり、政治の側がもっと若者にアプローチすべきだと強調する。
□山間海間/芥川 仁
地域の農業を一手に引き受ける
──栃木県那須郡那珂川町小口
□手業手技/大西暢夫
秋田の伝統の味を受け継ぐ
──いぶりがっこ生産者・高橋篤子(秋田県横手市)
□ドキュメントW──戦火の日常を撮る/綿井健陽
チグリスの美味は遠く
□人と地域をつなぐ─ご当地愛キャラ/しっぺい(静岡県磐田市)
□クローズ・アップ
「奇跡の一本松」の最期──福島県南相馬市鹿島区
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■DATA・BANK2018 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
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*「自治・分権改革を追う」は休みます。