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ガバナンス編集部

自治体最新情報にアクセス|DATABANK2021 月刊「ガバナンス」2021年9月号

地方自治

2021.09.30

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2021年9月号)

●転入・転出の理由に関するアンケートを実施

 長崎県(135万800人)は、転入・転出の手続の際に、その理由などを尋ねる「移動理由アンケート」を行っている。県内全21市町の手続窓口でアンケート用紙を配布して3月から実施しているもので、全国的にも珍しい取組みとなる。県内市町の転入・転出の状況とその理由などを逐次把握し、人口減少の要因分析を進める上でのエビデンスを得て、県全体の人口減少への対応や、より良いまちづくりへ反映させるのがねらい。回答は個人が特定されないように処理し、統計データとして活用する。

 質問内容は、①県外・県内の区別及び移動地域情報(都道府県名・市町村名)、②転入・転出の主な理由(就職・転勤・転職・退職・進学・結婚など)、③就職・転勤・転職の場合の転入・転出後の業種と、④仕事の内容、⑤転職の場合の前職の業種、⑥転出入者全員の性別・配偶者の有無・年齢、⑦県外からの転入者に対しては長崎県出身者か、⑧県外への転出者に対しては転出を考えた理由──の8項目。アンケート用紙のほか、QRコードを読み込んでスマホでも回答できるようにしており、回答者には抽選で3000円相当の県産品を贈呈する。

(月刊「ガバナンス」2021年9月号・DATA BANK2021より抜粋)

  

●広報紙の特集記事のアニメ動画を配信

 広島県福山市(46万9000人)は、広報「ふくやま」の特集記事を音声・字幕付きのアニメーション動画にして市の公式YouTubeやSNSで配信する取組みを進めている。若年層など広報紙に馴染みのない世代に市の重要施策を親しみやすいアニメで伝えて市政への理解を深めることが目的で、広報紙の内容をアニメ化して配信するのは全国自治体では初めてという。

 具体的には、毎月1日発行の広報「ふくやま」の特集記事を2~3分程度のアニメにして、市の公式YouTube、LINE、Twitter、Facebookで毎月配信。市HPのトップページにバナーも設置している。アニメはVYOND(ビヨンド)というソフトを利用してフリーランスのクリエイターが1本当たり約5万円で制作。4月号の「福山みらい創造ビジョン」をはじめ、「始まっています!新型コロナワクチン接種」「大雨に備えて新しくなったハザードマップを活用しよう」などをアニメ化して配信している。

(月刊「ガバナンス」2021年9月号・DATA BANK2021より抜粋)

 
 

●新型コロナ陽性者の宿泊療養等に「遠隔健康観察システム」を導入

 長野県(208万7300人)は、新型コロナウイルス感染症の陽性者の無症状・軽症の宿泊療養等に「遠隔健康観察システム」を導入している。県では、宿泊療養者に対して施設看護師が24時間体制で1日2回、自宅療養者に対して保健所が1日2回の健康観察を行っており、その健康観察の質の向上と効率化、施設看護師・オンコール医師・保健所の緊密な情報共有を図るのがねらい。

 同システムは、国の支援を受けた芙蓉開発社が開発した健康観察アプリとインターネットを活用したもので、Bluetooth機能付の非接触型体温計・パルスオキシメーター・血圧計と、健康観察アプリをインストールしたスマートフォンからなる。①療養者が自ら体温や血圧等を測定するとBluetooth機能によりスマートフォン内のアプリに自動転送されインターネットサーバー上に反映、②施設看護師・オンコール医師・保健所がインターネットサーバー上の療養者情報を共有、③療養者と施設看護師がスマートフォン等でのビデオ通話で健康観察、④療養者情報を基に急変時対応や療養解除の判断に活用──という流れ。宿泊療養5施設及び自宅療養者の健康観察で活用している。

(月刊「ガバナンス」2021年9月号・DATA BANK2021より抜粋)

●廃棄太陽光パネルスマート回収システム」を開発

 福岡県(512万9800人)は、(公財)福岡県リサイクル総合研究事業化センターとともに、全国に先駆けて「廃棄太陽光パネルスマート回収システム」を開発した。太陽光発電の急速な導入に伴って、将来的に使用済み太陽光パネルの排出量増加が見込まれることから、資源の有効利用の観点から使用済み太陽光パネルをリサイクルする“福岡発”の仕組みを構築するのがねらい。

 同システムは、排出者(メンテナンス業者)、収集運搬業者、リサイクル業者等が、廃棄太陽光パネルに関する情報(保管量、保管場所、種類)をクラウド上の支援ソフト「スマート回収支援ソフト(PV協議会クラウド)」で共有し、点在する廃棄パネルを効率的(スマート)に回収するもので、県内に立地している太陽光パネルの高度な処理技術を持つリサイクル業者につないで再資源化を図り、循環型社会の実現を目指していく。

 システム利用に当たっては、太陽光パネルリサイクルの推進を目的に設立された福岡県太陽光発電(PV)保守・リサイクル推進協議会への加入が必要で、県では県内外を問わず多くの関係者に同システムを利用してもらうため、会員企業を随時募集している。

(月刊「ガバナンス」2021年9月号・DATA BANK2021より抜粋)

●「サステナビリティボンド」を発行

 北九州市(95万600人)は、「サステナビリティボンド」の発行を目指して準備を進めている。「SDGs未来都市計画」で掲げるSDGs戦略(ビジョン)達成に向けた施設整備を推進するための資金調達の一つとするのが目的。

 市の資金調達手段の多様化・安定化の促進や、債券市場における北九州市の市債の評価の向上、ESG(環境対応・社会貢献・企業統治)投資に関心が高い新たな投資家の開拓などの効果もあると市では期待している。サステナビリティボンドとは、ESG債の一種で、グリーンボンド、ソーシャルボンドの両方の特徴を併せ持った債券。インパクト(改善効果)に関する情報を公表することや、第三者機関による評価が求められるのが特徴となっている。

 発行する債券の名称は「北九州市サステナビリティボンド(愛称:北九州市SDGs未来債)」で、5年債または10年債(満期一括債)を年限とし、100億円程度の発行を目指している。発行の対象者は機関投資家だが、市内の個人投資家にも購入してもらえる仕組みを検討しており、9月から10月の発行を予定している。サステナビリティボンドの発行は全国の自治体で初めて。

(月刊「ガバナンス」2021年9月号・DATA BANK2021より抜粋)

●いじめ防止相談ツール「マモレポ」を導入

 大阪府吹田(すいた) 市(37万3600人)教委は、いじめ等の未然防止、早期発見、早期対応につなげることを目的として、学習用端末を活用し、児童・生徒のヘルプサイン(いじめなどで困っていること)を学校や市教委に直接、送信できるツール「マモレポ」を導入した。これまでの学校生活アンケート等にマモレポを加えることで、児童・生徒の声を受けとめる機会を増やす。ヘルプサインを受信した場合には、学校や市教委において、相談内容に応じて対応を検討し、状況を確認しながら、児童・生徒とのやり取り、見守りなどを行っていく。

 マモレポの特徴としては、▷児童・生徒が、学校か市教委か相談先を選択することができ、匿名で相談をすることも可能なこと▷学校への相談は起こったことや場所をイラストで選択できる(ボタンを押すだけでヘルプサインの発信が可能)こと▷端末が使用できる状況であれば、自身のタイミングで複数回、相談することが可能であること──など。市では、全ての児童・生徒の端末のトップ画面にマモレポを配置しており、今後、自宅や学校の休み時間に端末を伝える機会が増えてくることに伴い、マモレポを活用した相談が増えると見込んでいる。

(月刊「ガバナンス」2021年9月号・DATA BANK2021より抜粋)

●ふるさと納税の戦略を立案・実行する「最高マーケティング責任者」を募集

 新潟県三条市(9万7100人)は、ふるさと納税を推進するための「マーケティング特任専門員」を募集した。転職サイト「ビズリーチ」を通じて応募してもらった。

 募集職種名は、「最高マーケティング責任者(CMO)」。業務内容は、ふるさと納税推進に関する統括としており、効果的な組織づくりも含めて任せられる。具体的には、ふるさと納税の寄附額増加のための企画立案や、デジタルマーケティングを起点とした市におけるふるさと納税制度のあり方の変革、市のブランド価値を向上させる企画立案、組織の構築を行う。

 応募資格は、▷デジタルマーケティングに関する知識と経験を有し、実行した施策に対してROIなどの効果検証を行いながら改善された経験を持っていること▷WEBサービスのグロース経験を有すること▷目標に向けて、マーケティングの戦略・戦術を立案した経験を有すること▷現地企業と柔軟なコミュニケーションが取れて現地の企業や特産品などを自身の目で見て、価値の発掘と発信ができること──など。

 国内外から3 0 0 件を超える応募があった。

(月刊「ガバナンス」2021年9月号・DATA BANK2021より抜粋)

 

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