霞が関情報
霞が関情報「地方財務」2021年8月号(ぎょうせい)
地方自治
2021.12.08
※2021年7月時点の内容です。
霞が関情報
(「地方財務」2021年8月号)
小規模分散型を試行(観光庁)
政府は「2021年版観光白書」を閣議決定した。新型コロナウイルス感染症の流行がもたらした影響で大きく減った訪日外国人旅行者の段階的な復活を目指し、人数や時期、時間帯、場所を分ける「小規模分散型パッケージツアー」に試行的に取り組む方針を示した。30年に訪日外国人旅行者を6000万人とした政府の目標達成に向け、官民一丸となって観光立国を実現すると強調している。
白書は、ビザの緩和など各種の施策によって、訪日外国人旅行者は19年まで7年連続で過去最高を更新してきたと説明。しかし、20年には新型コロナウイルスの世界的な流行を受けて各国・地域が水際対策を強化した結果、前年比87.1%減の412万人に落ち込むなど、厳しい状況になっているとした。
インバウンドの段階的復活に向け、観光地の受け入れ環境を着実に整備し、国内外の感染状況を見極めた上で、取り組みを進めると強調した。具体的には、21年度に小規模分散型パッケージツアーを試行的に実施する方針を明記。新型コロナウイルス感染症の状況が落ち着いている国や地域から、防疫措置を徹底した形でパッケージツアーを進め、地域の受け入れ環境の醸成や安全で安心な新しい旅のスタイルを普及させたいとしている。
白書によると、日本人の国内旅行者の延べ人数(宿泊と日帰り)は20年に2億9341万人で前年から半減した。同年7月に始まり12月に一時停止された国内旅行の需要喚起策「GoToトラベル」については、今後の感染状況を踏まえて、取り扱いを判断するとした。
一方、感染状況が落ちついている地域で、観光関連産業が深刻な打撃を受けていることを踏まえ、独自に宿泊割引などの旅行需要の喚起策が講じられていると報告している。
地方教育費、2年ぶり増加(文部科学省)
文部科学省は、2020年度の地方教育費調査結果の中間報告を公表したそれによると、公立の小中高校や都道府県・市町村の教育委員会が教育行政のために19年度に支出した地方教育費の額は、前年度に比べて2.6%増の16兆3848億円だった。2年ぶりに増加に転じた。
内訳を見ると、人件費や設備・備品費などに充てられる「学校教育費」が同2.8%増の13兆8180億円だった。学校教育費のうち人件費の割合は67.7%で9兆3509億円。前年度よりも割合は2.2ポイント下がった。
「社会教育費」は同2.1%増の1兆5589億円。施設別に見ると、体育施設費が同3.6%増の3692億円、図書館費が同3.3%増の2892億円、公民館費が同3.9%減の2100億円だった。
障害者就職、12年ぶりのマイナス(厚生労働省)
厚生労働省は、ハローワークを通じた2020年度の障害者の職業紹介状況を取りまとめた。それによると、同年度の障害者の就職件数は8万9840件で、前年度に比べて12.9%減った。リーマン・ショックが起きた08年度以来、12年ぶりのマイナスとなった。
同省は、新型コロナウイルス感染症の影響も受け、「製造業」「宿泊業、飲食サービス業」「卸売業、小売業」といった障害者が比較的応募しやすい業種の求人数が減ったことに加え、就職活動の抑制が就職件数の減少につながったとみている。
新規求職の申し込み件数は21万1926件で、コロナ禍の影響を受けて前年度に比べて5.1%減。1999年度以来、21年ぶりのマイナスだった。
一方、ハローワークに届け出のあった障害者の解雇者数は2191人で、前年度より増加した。ただ同省は、月別の推移を見ると年度後半には一定の落ち着きを見せていると分析している。
Jリーグと連携協定(環境省)
環境省は、Jリーグ(公益社団法人日本プロサッカーリーグ)と連携協定を締結した。全国に57のクラブを抱え、地域に影響力を持つJリーグと連携し、環境に関するさまざまな施策を展開していく。
協定には、持続可能な開発目標(SDGs)の観点から、地域の活力を最大限に発揮し、行政機関や企業、市民団体、学校、サポーターなどのステークホルダー(利害関係者)が一体となった活動を進める方向が盛り込まれた。ホームタウンの地域資源を生かした地産地消の取り組みも進める。
Jリーグのすべてのクラブが2025年までに使い捨てプラスチックの使用をしないようにすることなども目標の一環とされた。