連載 コミットメント ── 他責から自責文化の自治体職員 第7回 「学び」は現実のフィールドワークから生まれる【高松大吾(広島・三次市職員)】
地方自治
2021.12.07
本記事は、月刊『ガバナンス』2016年12月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に早稲田大学マニフェスト研究所人材マネジメント部会の修了生(マネ友)のメンバーがリレー形式で執筆します。
「学び」は現実のフィールドワークから生まれる
「自責」「変革」「行動変容」「組織改革」──早稲田大学人材マネジメント部会に参加していた頃は特に意識していたキーワードだ。ベーシックコースとアドバンスコースに通算2年間通い、その間自分に何ができるか、脳みそに汗をかきそうなくらい考え、常に自問自答していたあの頃から、自分は何が変わり、何が変わっていないのか。
誰もが社会の様々な場面で、様々な役割や顔を持っていることは言わずもがなだ。私の場合は、市役所職員としての顔だけでなく、家族の中での顔、地域の中での顔など、できるだけ多くの顔を持つことを意識している。「自責」の解釈は他人に向けていた責任の所在という人差し指を自分に向ける、ということなのだろうが、私の場合は特にそういうことを頭で考えていない。自分の責任の範囲でできるだけ多くのことに貢献したいという想いがあるだけだ。微力な自分に何ができるか、できることで貢献する。
私は本年4月から高齢者福祉の仕事に携わり、7か月が過ぎようとしている。高齢者が住み慣れた自分の地域でしあわせを実感しながら住み続けられるか、その状態にどう近づけていけるか、担当職員としてどこまで貢献できるか。高齢者福祉とはまさにまちづくりであると感じる。今はまだ勉強しながら2歩進みながら3歩下がり、次には4歩進めるよう努力している状況だが、しっかりと理想を見据えながら一歩一歩、歩みを進めていきたい。
担当以外にも地域応援隊に志願し、現在3年目である。担当地域の自治組織と対話を繰り返し、時には一緒に地域のイベントで汗をかきながら、これからも微力だが貢献していきたい。また、週末にも地域貢献するなどし、人との出会い、関わり合いを大切にしていくよう心掛けている。
そうした活動の中から「学び」とは現実のフィールドワークから生まれると実感する。前にもまして地元に愛着が生まれるし、関わり合いが増えれば「自責」でなければならないと感じる。これからもできることから一つ一つ積み重ねていきたい。
(広島・三次(みよし)市職員/高松大吾)