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自治体最新情報にアクセス|DATABANK2021 月刊「ガバナンス」2021年6月号

地方自治

2021.06.30

自治体最新情報にアクセス DATABANK
(月刊「ガバナンス」2021年6月号)

●家庭養育推進に向けて日本財団と協定を締結

 大分県(115万1200人)は、家庭養育の推進に向けて、(公財)日本財団と「家庭養育推進自治体モデル事業」の協定を締結し、21年4月から事業を開始した。すべての子どもが権利を尊重され、温かい家庭において育つことを目指す共同プロジェクトで、里親委託や特別養子縁組等の家庭養育の推進と親子支援や親子分離の予防などを連携して進める。同協定による事業は全国初。

 県は、24年度までに社会的養護が必要な3歳未満児の里親委託率75%の達成と毎年新規里親15家庭の登録を目指しており、また予期しない若年妊娠等で実親による養育が見込めない場合や遺棄児についての速やかな特別養子縁組の検討などを推進している。日本財団はこれらを支援するため、年間1億円の助成を最大5年間、大分県内の民間団体に行う予定。早稲田大学社会的養育研究所の協力の下で、里親委託の推進に関する研修なども実施していく。

(月刊「ガバナンス」2021年6月号・DATA BANK2021より抜粋)

●若者の転出入と合計特殊出生率の相関関係を検証

 静岡県(370万8600人)は、少子化対策を効果的に実施するため「ふじのくに少子化突破戦略の新・羅針盤」を作成した。合計特殊出生率の向上を目指す県では、16年2月に市町の合計特殊出生率に影響を及ぼす要因を分析した「ふじのくに少子化突破戦略の羅針盤」を作成し、市町の取組みを支援してきた。「新・羅針盤」は、国から6年ぶりに市町別合計特殊出生率が公表されたことを受け、「人口の社会増減」との関係性も加え、改めて分析を行い取りまとめた。

「新・羅針盤」では、地域の人口に対する純移動数(転入数と転出数の差)の比率である純移動率が変動すると、合計特殊出生率も変動することを全国で初めて「見える化」。若者の転入が多い市町ほど合計特殊出生率が高く、転出が多い市町は低い傾向にあり、特に25〜29歳の相関が高いことが示された。また、新たに選定した23種類の社会経済指標を基に合計特殊出生率に影響を及ぼす要因を5つの地域力(地域の働く力、地域のにぎわい力、乳幼児サポート力、子育て基盤力、家族・地域の絆力)として整理した。その上で5つの地域力の状況を市町ごとにチャート化し、各市町が講ずべき少子化対策のポイントを明確化した。

(月刊「ガバナンス」2021年6月号・DATA BANK2021より抜粋)

●バリアフリー対応の一層の促進に向けて条例を改正

 京都市(140万9700人)は、「建築物等のバリアフリーの促進に関する条例」と同施行規則の一部を改正し、4月1日に公布した。持続可能な観光都市の実現に向け、高齢者や障害者を含む全ての人が安心して利用できる良質な宿泊施設の充実を図るとともに、宿泊施設以外の全ての建築物でも、より一層のバリアフリーを進めるのがねらい。

 改正条例では、①バリアフリー促進に当たっての市・事業者・市民の役割と責務及び関係主体が相互協力して取り組むための責務規定を創設、②宿泊施設のバリアフリー向上に向けて、新築・増築・用途変更等における客室内部の通路幅やベッド周辺のスペース確保など基準の新設や共用部分のエレベーター設置基準の強化、共用便所の基準の充実、バリアフリー情報の公表の義務付け、③歴史的建築物等のバリアフリー基準適合義務の適用除外、④宿泊施設を含む全建築物のバリアフリーの更なる向上に向けて、エレベーターやベビーベッド設置対象の拡大、公立小学校や官公署等のバリアフリーの充実――などを新たに規定した。

 改正条例は即日施行されたが、規制強化となる②と④は10月1日からの施行とした。

(月刊「ガバナンス」2021年6月号・DATA BANK2021より抜粋)

●コアタイムなしのフレックスタイム制を導入

 神奈川県綾瀬市(8万5300人)は、4月からコアタイムなしのフレックスタイム制を導入した。全職員の勤務形態としてフレックスタイム制を選択可能とする、勤務時間条例の改正案を3月定例会に提出したもの。

 フレックスタイム制の適用対象は全ての職員(交代制勤務職員を除く)であり、公務の運営に支障がない範囲で、最大4週間を1単位とした柔軟な働き方を認める。またあわせて、勤務の割振で通常の週休日(土曜・日曜)に、さらに1日追加で週休日を設けることを可能(週休3日)としている。また、最短勤務時間を3時間45分とした。

 国家公務員で導入されている制度と異なる点としては、全ての職員が対象となること、必ず勤務しなければならない時間帯(コアタイム)を設けないことにより、勤務形態の柔軟性が高いことを挙げている。

 コアタイムを設けないフレックスタイム制の導入は、県内では初となり、全国的にもあまり例がないという。市では、同市版フレックスタイム制は、国家公務員だけでなく全国のフレックスタイム制導入自治体と比較しても、柔軟性の高い制度となっているとしている。

(月刊「ガバナンス」2021年6月号・DATA BANK2021より抜粋)

●市立小学校が国際バカロレア校に認定

 高知県香美市(2万6100人)教委は、市立大宮小学校が国際バカロレア(IB)機構からPYP(初等教育プログラム)のIBワールドスクールに認定されたことを受け、同校の全学年でIB教育を本格実施している。全国の公立小学校では初の認定となる。

 IB教育は、世界の様々な問題を理解して対処できる子どもの育成に向けてIB機構(本部ジュネーブ)が提供している国際的な教育プログラム。多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目標としている。その実現に向け、教科で獲得する知識、概念、技能に支えられながら、教科の枠を超えた「探究テーマ」に基づいて学習を進める。

 具体的には、各教科の基礎・基本の定着を図るとともに、仲間とコミュニケーションをとりながら、様々な考えを出し合い、協力して課題を解決していく「探究学習」を推進する。また、市立香北中学校がMYP(中等教育プログラム)の候補校として23年度の認定を目指しており、認定後は香北中学校区においてIB教育で9年間をつなぐ小中一貫教育を図っていく。

(月刊「ガバナンス」2021年6月号・DATA BANK2021より抜粋)

●ケアラー支援条例を施行

 北海道栗山町(1万1600人)は、ケアラーを支援するのための条例「栗山町ケアラー支援条例」を制定し施行した。同条例は、ケアラー支援の基本理念を定め、町の責務並びに町民及び事業者、関係機関の役割を明らかにするとともに、ケアラー支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、すべてのケアラーが健康で文化的な生活を営むことができる社会を実現するというもの。

 2000年に介護保険制度がスタートし、介護を必要とする人は、安心して暮らしていくためのサービスを受けられるようになった。しかしその一方で、在宅介護をする家族(介護者)は、先の見えない介護の中で、心身の健康や社会的孤立、離職、虐待など様々な困難に直面している。また、近年では女性の晩婚化に伴い、若年層の介護者も増加しているが、介護者(以下、ケアラー)への社会的支援に向けた法整備がされていない状況にある。

 このような状況が続くことは、ケアラー自らの人生・生活・健康が奪われるだけではなく、医療費や介護費用の増大、労働力不足などといった町の社会経済活動に与える影響も大きいと予想され、ケアラーへの支援は喫緊の課題となっている。

 そこで町では、これらの現状を踏まえ、町社会福祉協議会との連携による10年に及ぶケアラー支援活動の集大成として、また将来にわたり誰もが安心して介護や看護ができる地域づくりを目指すため、ケアラー支援のための条例を制定することとなった。

 条例は全9条。第8条では、ケアラー支援に関する基本方針やケアラー支援に関する具体的施策を示す「ケアラーの支援に関する推進計画」を策定することとした。推進計画の期間は3年とし、毎年度、施策の評価を行い、事業の見直しや次期の推進計画に反映させるとしている。

(月刊「ガバナンス」2021年6月号・DATA BANK2021より抜粋)

●ペットボトルキャップを集めて作る指定ごみ袋を製造

 神戸市(153万3600人)は、東京の素材ベンチャーTBM社とともに、市民から集めた使用済みペットボトルキャップなどを再生利用した「Circulex(サーキュレックス)」(資源循環を促進する再生材料を50%以上含む素材)を使用し、環境配慮型の指定ごみ袋の製造・販売を行う実証実験を実施した。この実証実験は、スタートアップと行政職員が協働で取り組む地域課題解決プロジェクト「Urban Innovation KOBE」の事業の一つで市内のプラスチックごみ削減や資源循環がねらい。

 実証実験では、市内のダイエー、光洋など各店舗の店頭等計92か所で市民から使用済みペットボトルキャップを回収。集めたペットボトルキャップや市内工場などで使用されたストレッチフィルム等の国内プラスチック再生材料を98%使用し、指定ごみ袋を製造する。石油由来プラスチックの利用を最小限に抑え、国内で製造することで、石油由来プラスチックを100%使用して海外で製造する従来品と比べ、約50%の二酸化炭素排出量削減を実現している。

 期間限定で「市民みんなでペットボトルキャップを集めて作る指定ごみ袋」を市内ダイエーなどで店頭販売した。

(月刊「ガバナンス」2021年6月号・DATA BANK2021より抜粋)

 

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