連載 vol.7「つながる」力 情報発信から地域をつなげる、地域とつながる 【神山伸一(東京・小平市職員)】
地方自治
2021.07.05
本記事は、月刊『ガバナンス』2014年10月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
所属等は執筆(掲載)時点のものです。
※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。
情報発信から地域をつなげる、地域とつながる
私の住む東京都小平市。「とても住みやすい街なのに、知名度は低く、人気がない」街だ。その原因の一つは「発信力の弱さ」にあると気づいた私たちは、情報発信力をつけようと自主勉強会を始めた。
まちの魅力、地域資源を探っていくと、実は行政職員よりも地域の方々が、より多くの情報を持っていることに気がついた。そこで、庁舎を飛び出し、市民と市職員が共に学ぶ場を作ろうと「ジャーナリスト楽校inこだいら」(以下、ジャーナリスト楽校)を立ち上げ、2010年から活動を始めている。
当初は、講習会を開き、情報発信の方法を学び、それぞれの方が発信してくれればよいと考えていた。しかし、意欲ある市民、職員が出会い、交流をする中で当初予期しなかった化学反応が起き始め、「勉強するだけで、何も実践していない」「このメンバーで何かやろう」という強い思いが沸々と湧き上がってきた。
作戦会議を開いていると、参加者から様々なアイデアが出てくる。何が実現できるかなどと会議を重ねるうちに、参加者同士のつながりがどんどん強くなり、いつの間にか、地域、新旧住民、行政と市民というような壁も消えていった。
作戦会議で出された楽しいアイデアは少しずつ実践されている。ミニコミ紙でのコラム連載やコミュニティFMでの番組制作など、活動の幅、つながりの輪もどんどん大きくなっている。
「情報は発信するところに集まる」──これは、ジャーナリスト楽校第1楽期最初の講義で聞いた言葉である。
この言葉通り、情報を発信し始めると、情報が集まり出す。そして、情報は単独で存在するのではなく、人とともに存在する。情報発信が人をつなげ、地域をつなげていったのだ。
私たち「ジャーナリスト楽校」はこれからも情報を発信し続ける。そして、いろいろな方々とつながり、共鳴しながら、楽しいまちづくりを目指して活動していきたい。
(東京・小平市職員/神山(こうやま)伸一)