特集:地方の知恵
──その創出と実行
9月3日の内閣改造と同時に政府は「まち・ひと・しごと創生本部」(本部長=安倍晋三首相)を立ち上げ、12日に初会合を開いた。分権改革も「提案募集方式」や「手挙げ方式」という地方の知恵・アイデアに主眼を置いた方向に切り替わっている。分権改革や地方創生に向け、「地方の知恵」の質、知恵を政策として実現させる力が問われる時代に入ったと言える。自治体は、「地方の知恵」をどう創出し、質を高め、住民福祉の向上につなげられるのかを考えてみたい。
〈論文〉
■必要が「工夫」を生む
──マニュアルからはみ出す職員の「知恵」/今井 照
■「地方の知恵」と政策創造の時代
──政策変革の内生化/宮脇 淳
■「地方の知恵」を創出する職員組織/大杉 覚
■「地方の知恵」と職員ネットワーク
──兵庫県豊岡市の5時起床私費参加の部長研修/石原俊彦
■「地方の知恵」を結集し創出する職員研修/牧瀬 稔
■「地方の知恵」と政策法務/山口道昭
■学生の力と「地方の知恵」/佐藤 淳
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●スキルアップ特集
ともにステップ・アップ!
職場の先輩&後輩
職場の先輩は頼りになる存在です。仕事のアドバイスを受けたり、職場の風土や習慣を教わったり、上司には言いにくいことを相談したりする機会もあるのではないでしょうか。一方、先輩職員の方も後輩を指導・支援したり、話に耳を傾けることによって、自らの気づき、成長につながります。職場の先輩&後輩でお互いに切磋琢磨できるよい関係を築いて、ステップ・アップしていきましょう!
〈論文〉
■若手職員の人財育成効果を高めるメンター制度/大野雅之
〈取材リポート〉
■新人職員を見守り、育てる
「新規採用職員チューター制度」/静岡県伊豆の国市
■若手職員の成長につながる業務改善PT/東京都葛飾区
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●スキルアップ連載
■ガンバレ新田くん!新米係長の仕事術/山本雄司
■仕事メタボ解消でスッキリ!残業ゼロへのチャレンジ/本田有明
■カリスマが教える!人が集まる講座・イベントづくり/坂田静香
■今さら聞けないクレーム対応術/関根健夫
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●Governance Focus
□分権本位の地方創生かが問われる/人羅 格
□町民による意見交換会で町長のマニフェストを評価/熊本県御船町
□地域支援事業を見据えた「地域お茶の間創造事業」を試行/滋賀県米原市
●Governance Topics
□「これからの人づくり、地域づくり」をテーマに藻谷×湯浅対談を実施/「チョウチョの会」10周年企画
□現場と研究と政策の連動をめざし、日本自殺総合対策学会を設立
□「災害関連死」を考えるシンポジウムを開催/日本弁護士連合会
□農業・農村政策のあり方について、新たな交付金制度の創設などを提言/全国町村会
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●取材リポート
□平成にっぽんの首長 自治の自画像
神田強平 群馬県上野村長

林業の6次産業化で40年後も存続する循環型経済社会をつくる。
人口1328人の村民の約17%がⅠターン者だという群馬県上野村。数多くの村営企業を創出し、持続可能な循環型経済社会を築きたいとする、神田強平村長に聞いた──。
□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
梨の木は残った【福島県相馬市、集落は津波で壊滅しても】
原発事故、続く苦悩
海から吹き付ける風が、梨を甘くすると言われてきた福島県相馬市の磯部。津波で集落が壊滅して何人もの梨農家が亡くなり、高台の梨は残っても作り手が消えた。そうした中には木を切ってしまった畑もあるが、故人が手塩にかけたのにしのびないと、素人が引き継いだ畑もある。だが、原発事故による地域の高齢化や人口減少で、産地の将来は見通せなくなっている。
□「環境」で自治体が変わる!/杉本裕明
バイオガス化の波が広がるか──国内初の機械選別によるメタン発酵ごみ処理(兵庫・南但広域行政事務組合)
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)の導入で、有機性廃棄物から得られるバイオガスで発電するごみ処理方式が脚光を浴びている。兵庫県の南但広域行政事務組合(朝来市、養父市で構成)は、可燃ごみから生ごみと紙ごみを機械で選別する装置を国内で初めて導入。家庭で生ごみを分別する負担がなく、昨年4月の供用開始以来、大きなトラブルもなく、自治体職員など見学者が引きも切らない。新しいごみ処理のあり方を示している。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
毎月本会議を開催し、月1回議会広報紙を発行──熊本県御船町議会
熊本県御船町議会は2010年3月8日、議会基本条例を全会一致で可決した(同年4月1日施行)。同条例の制定は熊本県で初、通年議会も九州で初めて導入した。条例の施行から4年半。「町民とともに歩む議会」「行動する議会」「開かれた議会」を掲げる同町議会では毎月、本会議を開催し、月1回の議会広報紙の発行を続けるなど、議会と町民との距離を縮めようと奮闘している。
連載
□続・アサノ・ネクスト 浅野史郎 災害と自治体
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝 山田方谷(二) 中央政治専念をのぞむ藩主勝静
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□ザ・キーノート/清水真人
□金丸弘美の「食と地域」の旅日記
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□「域学連携」のすゝめ/飯盛義徳
□政策法務の視線/提中富和
□分権改革の成果を活かす!市民のための公共政策/岩﨑 忠
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□地方分権改革と自治体実務――政策法務型思考のススメ/分権型政策法務研究会
□“危機”の中から――日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□もっと自治力を!広がる自主研修・ネットワーク【チャレンジ塾~Next Stage~(熊本県】
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□「人財」を育てる人事評価/稲継裕昭
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている──再生・日本製紙石巻工場』佐々涼子]
カラーグラビア
シリーズ「分権・自治・自立」
[蒲島郁夫・熊本県知事]
「皿を割れ」の精神で、県民総幸福量の最大化を

「県民総幸福量の最大化」を自身に課せられた使命だとする熊本県の蒲島郁夫知事。そのためには行政のパラダイムシフトを図ることが必要であり、職員には「皿を割れ」とチャレンジ精神の重要性を強調。くまモンを全国区の人気キャラクターに育て、「第2のくまモンを探せ」と訴える。
□匠たちの貌/天然素材、すべて手づくりの究極の和蝋燭(松井本和蝋燭工房)/大西暢夫
□海浜の神々/芥川 仁
年長者の「やるべ、やるべ」の声に励まされて半年後に漁を再開(青森県八戸市)/芥川 仁
□人と地域をつなぐ――ご当地〈愛〉キャラ/はながたベニちゃん(山形市)
□クローズアップ
「おおさかカンヴァス推進事業」(大阪府)が先進政策大賞に──全国知事会・第7回先進政策創造会議
□公務員Gのしごと歳時記 スポーツの秋/岳 浩
□FACE/有江正太
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■DATA・BANK2014 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!