ご当地愛キャラ
ご当地愛キャラ vol.112 追い出し猫さくら(福岡県宮若市)
地方自治
2021.02.28
人と地域をつなぐ
ご当地愛キャラ vol.112
追い出し猫さくら
福岡県宮若市
\ひとことPR/
市の「追い出し猫伝説」に由来するイメージキャラクター。両面に顔があり、片方の顔で災いを追い出し、もう一方で福を招くという縁起物。代表格の「さくら」のほか、「くろ」、「タマ」、「シマ」がいる。
◆追い出し猫ホームページ
https://www.city.miyawaka.lg.jp/kankou/kiji003445362/index.html
災いを追い出し福を招く 勇敢で心やさしき猫から生まれた縁起物
2006年に宮田町と若宮町が合併し誕生した宮若市。福岡市と北九州市という二つの政令指定都市のほぼ中間に位置し、車で両都心に約40分でアクセスできる利便性のよさから、自動車関連企業が集積する「モノづくりのまち」として発展してきた。また脇田温泉、国指定文化財の竹原古墳など多くの観光資源にも恵まれている。
そんなまちに古くから語り継がれてきたのが「追い出し猫伝説」。寺や村を荒らす大ネズミを退治した勇敢な猫たちの民話で、市のイメージキャラクター「追い出し猫」の由来となっている。追い出し猫は、旧若宮町のむらおこし事業の一環として、新たな特産品の焼き物が1996年に製作されたのが始まり。その造形は、両面に顔があり、表面はギョロリとにらんで、手に持つほうきで災いを追い出し、裏面はニッコリと微笑んで幸運を招くというもの。強さと優しさを併せ持つ縁起物として評判となり、98年の「ニッポン全国むらおこし展特産品コンテスト」で全国商工会連合会会長賞を受賞した。その後、「さくら」と「くろ」の着ぐるみが製作され、2012年に市のイメージキャラクターに就任。主に「さくら」が、市内のみならず県内外のイベントに積極的に参加し、合併して間もない市のPRに尽力した。また、受験シーズンには「必勝」のハチマキを締め、五角(合格)形の座布団に座る「桜さく子ちゃん」としても人気を博し、県内外からグッズを買い求める人も多い。
誕生から20年以上活躍し続ける追い出し猫たち。各種グッズを販売している「追い出し猫本舗」は、市内の福丸商店街の空き店舗を活用したもの。開店を機に同商店街は「追い出し猫横丁」として認知され、地域の活性化にも貢献することとなった。その昔、身を挺して寺や村の平和を守った猫たちは、今もまちに幸せをもたらしている。今年は、新型コロナウイルスの影響で、出演予定だったイベントが軒並み中止となってしまったが、「さくら」は、Twitterで積極的に情報を発信。ファンからの「コロナを追い出してほしい」という想いに応え、災いを追い出すその力を全国に向けて発している。
「追い出し猫たちも、マスクを着け、表面のお腹に『コロナ退散』と書かれたコロナバージョンとなり、全国各地の社会経済活動の回復を願っている」(宮若市産業観光課)
命を掛けて地域を守った「追い出し猫伝説」
その昔、西福寺というお寺に一匹の大ねずみが住みつき、近隣を荒らし回っていた。そこで、お寺で和尚さんに可愛がられていた猫が、何百匹もの仲間を集め、命を掛けて大ねずみを退治。そのおかげで、皆幸せに暮らせるようになった。和尚さんは猫たちのお墓を建て、手厚く供養し続けた。市内には今も猫塚という地名が残っており、現在は、その場所に猫型のバス停と猫塚公園が整備されている。
オールメイドイン宮若!「追い出し猫」の置物
市の特産品であり、厄除け・招福の縁起物として親しまれている「追い出し猫」の置物。成型から絵付け、座布団やほうきなどの小物に至るまでほぼ全ての工程が、市内従事者による手作り。「追い出し猫本舗」で販売されており、同店舗では追い出し猫の絵付け体験もできる。また12月〜3月中旬まで店内に猫神社が設けられており、絵馬も奉納できる合格祈願のパワースポットとなっている。
追い出し猫揃い踏み!左からタマ、さくら、くろ、シマ(17年10月:宮若ふるさと祭)。
くまモンとも共演(15年6月:イオン穂波)。くまモン体操では本家に負けないキレの良さを披露!
新型コロナの感染予防を啓発。マスク、消毒、3密の回避だけでなく、感染者へのハラスメント防止も呼びかけている。
焼物からストラップ、キーホルダー、タオル、Tシャツ、エコバックなど、ずらりと揃った追い出し猫グッズ。
市内福丸地区の交差点には巨大モニュメント(3.6m)が鎮座する。
追い出し猫のパネルが目を引くバスの待合所「福丸交流スペース」。第6回福岡県屋外広告景観賞を受賞した。
市内のそこかしこで見つかる追い出し猫。マンホールにも!
© Miyawaka City
写真提供/福岡県宮若市