連載 vol.111「つながる」力 公務員ほど必要なものそれが「つながる力」【加畑美佐穂(福井県福井市職員)】

地方自治

2024.09.26

目次

    本記事は、月刊『ガバナンス』2023年6月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
    所属等は執筆(掲載)時点のものです。
    ※本コラムは主に自治体職員によるネットワークのメンバーがリレー形式で執筆します。

     公務員ほど「つながる力」が必要ではないのか──。

     連載コラム「つながる力」への寄稿を頼まれたとき、最初に心に浮かんだ言葉である。

     私が「つながる力」を最初に意識したのは20年前。当時、自治体ベンチマークシステム「比べジョーズ」を担当していた私は、いわゆるKPIだけの都市間比較ではなく、ポートフォリオ分析で参加自治体のKPIをマッピングし、そこから業務改善のヒントを導き出すという研究会を立ち上げた。他都市職員と集まって議論を交わすことが初めてであり、各都市における考え方ややり方を学べ、自分の自治体に持ち帰ることができたこの「つながり」はとても有意義で、視野が大きく広がった経験だった。

     自治体職員の強みは成功(失敗)要因を共有できることである。その強みを活かした最たるものが「オンライン市役所のワクチン情報交換会」だ。2か月ほど市のプロジェクトチームに入っていた際、このワクチン情報交換会に参加していたが、全国の担当者が暗中模索の状況で悩みを共有し、議論を交わし、知見を惜しみなく共有していた。このつながりに助けられた全国の自治体職員も多かったのではないだろうか。

     地域や所属の枠を超え、課題や経験をシェアし、成果を底上げするオンライン市役所というプラットフォームで、有難いことに庁内放送のパーソナリティもさせてもらい、多くの自治体職員の話を聞き、つながることができたのは大きな財産である。

     私達は日々、市民はもちろんのこと、同僚や上司、部下、他部署、地域や学校、家族等々、いつも何かしら「つながって」いる。自治体職員である以上、地域をよりよいものにしていく使命をもっており、そのために「つながる力」は欠かせない。

     現在、私は福井市観光協会に派遣され、2024年春の北陸新幹線福井開業に向け観光誘客や受入の準備に追われている。

     『#北陸新幹線でいろんな地域の皆さんとつながりたい』

     そして、全国の皆さんと「つながる」ことを楽しみにしている。

    (福井県福井市職員/加畑美佐穂)

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