怒りを笑顔に! 教師のアンガーマネジメント
怒りを笑顔に! 教師のアンガーマネジメント 第6回 懇談会の資料 「スマホ10の約束」❤ 親から愛する我が子へ「スマホの使用契約書」❤
生徒指導
2021.09.01
怒りを笑顔に! 教師のアンガーマネジメント
大阪市の小学校で現在6年生の担任と生活指導主任を務める松下隼司氏は教員18年目。怒りの感情のコントロールが苦手で、これまで子どもを必要以上に怒って苦しめてしまい、自分自身も後悔してしまうことがあったといいます。そんな松下氏はその後一念発起して「アンガーマネジメント」の資格を取得。同じ失敗を繰り返さないよう工夫している事例を6回に分けて紹介していただきます。
懇談会の資料 「スマホ10の約束」
❤ 親から愛する我が子へ「スマホの使用契約書」❤
「これはママのスマホです。」
スマホが原因の子ども対応があります。
- ① スマホで寝不足。そのため、遅刻や欠席が増える。
また、寝不足でイライラして、友達とのけんかが増える。 - ② SNSで友達とトラブル。
- ③ ふざけた動画や画像を撮って、投稿する。
「家庭のことじゃ・・・・・・」という思いをグッとこらえて対応します。
懇談会でも、保護者から「何年生からスマホを持たせるのがいいのでしょうか」と、質問をもらうことが増えました。
2012年、アメリカに住む母親が、13歳の息子へ贈った手紙がテレビで話題になりました。手紙は、母親が子どもにクリスマスプレゼントのスマホと一緒に渡した「スマホの使用契約書」です。
以下は、日本の小学生版に私がアレンジしたものです。
【愛する我が子へ 「スマホ10の約束」】
- ① これはママのスマホです。ママが買って、あなたに貸しているもの。
だからルールはきちんと守ってね。 - ② パスワードは、必ずママに教えてね。
- ③ 家族からの電話が鳴ったら、必ず出てね。とても心配になるから。
出られなくて後で気づいたときは、できるだけ早く連絡してね。 - ④ 自分や相手の家庭での時間を大切にしましょう。
使える時刻は、○時まで。〇時になったら、スマホをママに返してね。 - ⑤ 家族や友達と一緒にいるときは、スマホでなく友達を見てね。
家族や友達との時間を大切にしてね。 - ⑥ スマホを壊したり失くしたりしたら、自分のお小遣いなどで、修理や弁償をしてね。いつか起こることなので、準備しておいてね。
- ⑦ スマホで、人が傷つくような発信をしないでね。
スマホは、人を幸せにするために使うものだということを忘れないで。 - ⑧ 過激なサイトや、下品なサイト、知らない人からの返信は禁止。
親といっしょに見られるような情報を検索してね。
質問があれば、私に相談してくれるとうれしいな。 - ⑨ 写真やビデオを撮りすぎないこと。すべてを記録する必要はないよ。
それよりも経験を五感で感じ取って。あなたの記憶に記録されるから。 - ⑩ あなたがルールを破ったら、ママはスマホを取り上げます。
落ち着いて話し合いましょう。あなたとママは常に学び続けていくの。
ママはいつだってあなたの味方。いっしょに解決していこうね。
引用:abcNEWS「Mom Has Son Sign 18-point Agreement for iPhone」
懇談会で、上の資料を読んだ後に、「10個の約束で、どれが大切だと思います? 3つ選んでみてください」と言い、保護者同士で話し合ってもらいます。その後で、教師からよくある事例を話します(「④布団の中でこっそりスマホをする。寝不足で学校に行くのがしんどくなる」などです)。
スマホ使用の標語『あとがこわい』もあります。
福島県警がつくったものです。
「あ:会わないで」
「と:撮らないで」
「が:画像を送らないで」
「こ:個人情報を載せないで」
「わ:悪口を書き込まないで」
「い:いじめないで」
保護者には、「あ〇ないで」「と〇ないで」など、クイズ形式で考えてもらうと楽しいです。
スマホの待ち受け画像にもできます。