両地域共同体の現状を様々な角度から比較分析を行う。
急速に進むグローバル化の中で、自国の社会、文化、政治的・経済的制度の根幹部分を守りながら、
いかにして国際環境の変化に適応していくのか。
アジアにおける平和と繁栄はいかなる地域協力を通して形成されるのか。
両地域の地域統合の現在(いま)と将来(これから)を考える。
目次
1 地域統合の理論、比較、歴史
1 長いタイムスパンで地域秩序と世界秩序を、いかに適切に比較するか
2 西欧的国際政治システムへ回帰するアジア―受容、抵抗、そして衝突の軌跡―
3 持続可能な統合はいかなる産業的、金融的、文化的基盤の上に構築されるか
4 記憶の共同体と地域安全保障―アジアとヨーロッパについて―
2 ヨーロッパ統合の現在
5 拡大欧州連合(EU)と強大なヨーロッパの展望
6 欧州議会によるEU域外地域との対話の試み
7 フランス人の欧州連合(EU)とグローバル化に対する態度
3 引照基準としてのヨーロッパ統合
8 東アジア統合のモデルとしてのEUの可能性
9 地域統合とそのパラドックス:アフリカの教訓
10 ラテンアメリカにおける地域統合の展開と今後の課題
11 トルコのEU加盟プロセスに見るトルコのエリートと世論の対EU意識
4 東アジアにおける国際関係と地域統合
12 戦後日本の地域秩序構想
13 「リージョナリズム」の外向性と内向性―ヨーロッパとアジア―
14 大衆文化、国際関係そして地域共同体
15 グローバル化に対する日仏の国民世論と地域統合の課題
5 地域統合の新しい課題
16 欧亜比較政治文化論
17 東アジア共同体形成のための東アジア・東南アジアの社会的アクターの役割
18 ヨーロッパと来たるべき世界:地域制度化推進力の背景的アプローチ
編著者紹介(肩書は発刊当時、敬称略)
中村雅治(なかむら・まさはる)[編者・第15章] 上智大学名誉教授(フランス政治、EU研究)
イーヴ・シュメイユ[編者・第1章] グルノーブル政治学院教授(政治学、国際関係論)
吉川 元(きっかわ・げん)[第2章] 上智大学外国語学部国際関係副専攻教授(国際関係論、国際安全保障論)
マルク・アンベール[第3章] レンヌ第1大学教授(経済学)、元日仏会館フランス事務所長
グザヴィエ・ギヨーム[第4章] エジンバラ大学講師(国際関係論)
ファビアン・テルパン[第5章] グルノーブル政治学院助教授(公法学、ヨーロッパ研究)
オリヴィエ・コスタ[第6章] ボルドー政治学院エミール・デュルケム研究センター研究員(政治学)
クラリッサ・デゥリ[第6章] サンタ・カタリナ州立大学教授(ブラジル)(政治学)
ブリュノー・コートレス [第7章] パリ政治学院政治研究センター (CEVIPOF) 研究員
森井裕一(もりい・ゆういち)[第8章] 東京大学大学院総合文化研究科准教授(EU研究、ドイツ政治研究)
ダニエル・ブルモー[第9章] ボルドー第4大学教授(政治学、比較政治学、国際関係論)
今井圭子(いまい・けいこ)[第10章] 上智大学名誉教授、上智大学非常勤講師
ニコラ・モンソー [第11章] ボルドー第4大学助教授(政治学)
宮城大蔵(みやぎ・たいぞう)[第12章] 上智大学外国語学部国際関係副専攻准教授(国際政治史・日本外交)
伊藤 剛(いとう・つよし)[第13章] 明治大学政治経済学部教授(国際関係論)
ジャン=マリ・ブイスー [第14章] パリ政治学院国際関係研究センター(CERI)上級研究員(現代日本論、政治学)
猪口 孝(いのぐち・たかし)[第16章] 新潟県立大学学長(国際政治学)
坪井善明(つぼい・よしはる)[第17章] 早稲田大学政治経済学術院教授(ベトナム政治社会史)
リシャール・バルム(Richard Balme)[第18章] パリ政治学院教授(政治学)