●特集 次期統一選と首長・議員
2023年4月の次期統一地方選挙(第20回)の実施まで1年を切った。新型コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、そしてDXの推進や、ひたひたと押し寄せる本格的な人口減少……。不確実性・危機が増す中で自治体の公選職はいかにあるべきか。また、有権者(住民)はいかに公選職を育てていけばいいのかを考えてみたい。
■次期統一地方選と公選職/大森 彌
大森 彌
東京大学名誉教授
公選職たるものは、日々の暮らしの平穏無事を願っている住民にとって「災難」をもたらさないように注意深くなければならない。また、自分と自治体職員の住民対応を感度のよい、すがすがしいものにしていることである。そして、「権力の座」の居心地の良さに決して慢心しないことである。
■現代に求められる首長像──コロナパンデミックと新たな首長像/富野暉一郎
■現代に求められる議会・議員像/廣瀬克哉
■DXと業務改革のバランサーとしての首長/牧原 出
■「政策に強い議員」をめざす──議員生活4年間をデザインする/礒崎初仁
■過疎地域の現状と公選職に求められる資質/作野広和
■議員のなり手不足解消への道──住民自治の空洞化からの脱却/江藤俊昭
■議会の多様性をなぜ目指すべきか?どのように実現できるか?/三浦まり
■公選職の育て方と有権者/吉田利宏
【キャリアサポート面】
キャリサポ特集:オンライン時代の会議術コロナ禍による"新しい日常"とデジタル化の進展で、急速に普及したオンライン会議。 |
巻頭グラビア
□自治・地域のミライ
森 章浩・奈良県田原本町長
子育て施策の充実が町を活性化させる!
連載
□童門冬二の日本列島・諸国賢人列伝
伊達政宗(一)奥州探題の姓は留守氏
取材リポート
●取材リポート
□新版図の事情──“縮む社会”の現場を歩く/葉上太郎
相次ぐ災害に心と資金が折れる──福島県相馬市、2年連続で震度6強の地震
[原発事故、続く模索]
3月16日深夜、福島県沖を震源とする地震が発生した。最大震度6強を記録した同県相馬市では、東日本大震災、台風19号と集中豪雨、昨年の福島県沖地震と災害続きだ。しかも、地震そのものによる被害はどんどん酷くなっている。「せっかく直したばかりなのに、また壊れた」と落胆する人々。復旧の資金が続かず、事業継続へのめども立たない。心が折れかけたまちは、深刻な危機に陥っている。
□現場発!自治体の「政策開発」
子育て世代の転入促進に加え 大学生等を地域に呼び込む
──守谷シェアハウス事業(茨城県守谷市)
茨城県守谷市は、つくばエクスプレス(TX)開業に伴って東京都心へのアクセスが向上したことから人口が伸び続けている。特に教育環境の良さが子育て世代に支持され、子どもの人口増加率は沿線1位を誇る。そのような中、「守谷シェアハウス事業」を実施している。高齢化が進む地区の空き家をシェアハウスとして学生に家賃無償で提供し、居住学生に町内会活動等に参加してもらって地域活性化を図る試みだ。
□議会改革リポート【変わるか!地方議会】
多様な議員によって「デジタルで広がる・つながる・深まる」議会改革を
──全国地方議会サミット2022
都内の早稲田大学大隈講堂で5月12~13日、「多様な議員、参画、政策形成」「デジタルで広がる・つながる・深まる議会改革」をテーマに全国地方議会サミット2022が開催された。サミットには、現地とオンライン合わせて約550人の自治体議員・職員などが参加。次期統一地方選を来年4月に控え、議会に多様な議員が参画する必要性や男女共同参画推進、DX導入など多角的な議論を展開。地方議会におけるオンライン本会議の導入に向け、法改正の必要性も強調された。
●Governance Focus
□「賛成」「反対」で揺れる遊水候補地
──熊本県・球磨川、流域治水での住民合意とは/葉上太郎
●Governance Topics
□選管や教育委員会にも呼びかけ、投票率向上をテーマとした議員研修会を開催
/東京都東村山市議会
□建築物への再生可能エネルギー導入をどう進めるか
/WWF「シリーズ自治体担当者に聞く!脱炭素施策の先行事例集」オンラインセミナー
連載
□ザ・キーノート/清水真人
□自治・分権改革を追う/青山彰久
□新・地方自治のミ・ラ・イ/金井利之
□市民の常識VS役所のジョウシキ/今井 照
□地域発!マルチスケール戦略の新展開/大杉 覚
□“危機”の中から──日本の社会保障と地域の福祉/野澤和弘
□自治体の防災マネジメント/鍵屋 一
□市民と行政を結ぶ情報公開・プライバシー保護/奥津茂樹
□公務職場の人・間・模・様/金子雅臣
□生きづらさの中で/玉木達也
□議会局「軍師」論のススメ/清水克士
□「自治体議会学」のススメ/江藤俊昭
□From the Cinema その映画から世界が見える
『オードリー・ヘプバーン』/綿井健陽
□リーダーズ・ライブラリ
[著者に訊く!/『映画を早送りで観る人たち』稲田豊史]
カラーグラビア
□技・匠/大西暢夫
和紙の原料を生産する農家の気遣い
──三椏農家・右手忍さん、幸江さん夫妻(岡山県美作市)
□わがまちの魅どころ・魅せどころ
小さな町の大きな挑戦
~ゼロ・ウェイストと人づくりで彩のあるまちづくり/徳島県上勝町
□山・海・暮・人/芥川 仁
自然に沿い、応じて従い、任せる──熊本県水俣市月浦
□生業が育む情景~先人の知恵が息づく農業遺産
刈った草を肥料として味わい豊かな茶を生み出す
──静岡の茶草場農法(静岡県掛川周辺地域)
□クローズ・アップ
災害復興を先導できるか──熊本県球磨村、球泉洞が営業再開
■DATA・BANK2022 自治体の最新動向をコンパクトに紹介!
【特別企画】
□デジタル技術によって誰一人取り残さない社会の実現へ②
多言語通訳と手話通訳で“誰一人取り残さない”窓口対応を目指す──東京都足立区
※「もっと自治力を!広がる自主研修・ネットワーク」「人と地域をつなぐ--ご当地愛キャラ」は休みます。