財政課の1年
財政課の1年 9月編 はじめて財政課に配属されたあなたへ!9月の業務をおさらい!
ぎょうせいの本
2023.09.01
本記事は、月刊『地方財務』2022年9月号に掲載されたものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、現在の状況とは異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
9月になりました。暦の上では立秋はとうに過ぎていますが、実際にはまだまだ暑い日があり、長い夏が続いている感じだと思います。それでも、秋の入口にいるのは確かです。少しずつ季節が深まっていきます。
早いもので、9月が終われば今年度も半分が経過したことになります。折り返しになりますので、これまでの仕事を振り返ってみるにはいい頃合いではないでしょうか。
財政課には馴染めましたか。思っていたとおりの職場でしたか。楽しく働けていますか。
「なんか違うなあ」と感じていることがあったら、溜め込まないで周りに話してみるといいと思います。自身がすっきりできるだけでなく、異動してきた人の新しい視点が加わることで、業務がよりよくなる可能性があります。すぐには変わらないかもしれませんが、「おかしい」と思うこと、それを共有することが大切です。
秋の色が濃くなってくると、予算編成シーズンの足音も高まってきます。迫ってきた予算編成作業に向けて、着実に準備を整えましょう。
予算編成方式の決定
■「一件査定」か、「枠配分」か
自治体の規模にもよりますが、10月頃から本格的に次年度予算編成作業にとりかかることになるでしょう。それに先立って、9月には予算編成方式を決定しておく必要があります。大きく分けると、「一件査定方式」とするか、「枠配分方式」とするかを選択することになります。
一件査定は、通常の予算編成方式で、所管から要求される予算を、財政課が一件ごとに査定するやり方です。財政課に予算編成権限が集中している仕組みと言えるでしょう。
一方の枠配分は、局や部、課といった予算要求の単位ごとに、一定のルールで積算した金額をあらかじめ「枠」として配分し、それを超える要求は認めないかわり、そのなかでの使い方はお任せするというやり方です。予算要求額が膨張することを防げることに加え、各部局がそれぞれの実情に合わせて予算を積算するため、自主性が発揮されることが期待できます。事業を廃止にするなどの方法で節約したうちの一定割合は枠が増えるといった、「インセンティブ」の仕組みを盛り込むこともあると思います。
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