3ステップで学ぶ 自治体SDGs

笹谷秀光

3ステップで学ぶ 自治体SDGs STEP③ 事例で見るまちづくり 第6章 世界の中の日本

NEWぎょうせいの本

2020.11.24

3ステップで学ぶ 自治体SDGs STEP③ 事例で見るまちづくり
第6章 世界の中の日本

笹谷 秀光(ささや・ひでみつ)
『3ステップで学ぶ 自治体SDGs STEP③ 事例で見るまちづくり』2020年11月

自治体におけるSDGsの重要性

 SDGs推進についての自治体の重要性は、世界的に認識されています。

 例えば、SDGsの策定直前の2015年7月での「アディスアベバ行動目標(Addis AbabaAction Agenda(AAAA))」が参考になります。これは各国首脳や主要大臣などの世界のリーダーが集まる第3回開発資金国際会議(エチオピアの首都アディスアベバで開催)でまとめられた成果文書です。

 自治体レベルでの持続可能な開発の推進やその取り組みを支援していく資金手当ての重要性が確認されています。これは、最近では、日本での自治体におけるSDGs金融の取りまとめに反映されています。

日本は世界17位

 国連の2030アジェンダという文書は、今後ずっと世界的な課題を議論する時に踏襲されていく極めて重要な文書になっていきます(外務省のサイトに仮訳もありますのでご一読されることをお勧めします)。

 2015年9月にこのSDGsができたあと、国際的な機関である国連関連のネットワークやドイツのベルテルスマン財団というところが世界でのSDGsの達成状況を評価しています。

 最新の2020年版で見ると、色の濃いエリアが達成度の高いエリア、色の薄いエリアが達成度が低いエリアとなっています。北欧諸国やヨーロッパが濃くなっているのがわかると思います。この辺がSDGs推進が進んでいるところです。日本はちょうど中間ぐらいの色合いになっています。一方、アフリカあたりはかなり進捗度の低い国が多いです。

 国別ランキングでは、1位スウェーデン、2位デンマーク、3位フィンランド、4位フランス、5位ドイツ、6位ノルウェーといったところになります。日本は17位、アメリカ31位、中国48位になっています。

 これを紹介しますと、やっぱり日本は駄目かとため息が出るのですが、ドイツ・フランス・イギリスには負けているものの、よく見てみると人口1億人以上の国では日本が1位です。やはり人口規模が多ければそれなりに課題も多いわけで、決して日本のポテンシャルが低いわけではないと思います。

 各国の目標別の進捗度の発表もあり、達成度に問題がある順に、1番目が赤色、2番目が黄色、3番目がオレンジ、4番目が緑色という順になっています。

 日本では、緑色の目標は4番の教育とか9番の技術です。赤は5番のジェンダー平等、12番のつくる責任つかう責任、13番の気候変動、17番のパートナーシップなどです。ジェンダー平等に関しては女性活躍のデータが良くないということが反映しています。つくる責任つかう責任のところは一部の製品のリサイクルの比率の低さ、気候変動に関してはデータの開示の状況、それから17番はODAの金額です。

 したがって、日本として考えるべき点は2つです。ひとつは達成度の高いところは大いに強みを活かす、一方、達成度が低いところは補強していかなければいけない。一方、ランキングの低い国ではほとんど全てが真っ赤という状況です。日本は17位ですから、先進国の一員として技術力や教育力などの強みを発揮して支援も行っていく必要があります。

 ここからもわかるように、SDGsはこれから国際問題を考える上で大変重要な世界共通言語としての羅針盤機能を発揮するものです。

 順位がいくつ上がった下がったということよりも、日本の位置付けと経時変化を見ることが大事だと思います。またランキングを決める上で一定の評価項目を選んでいますので、評価項目の内容もよく見た上で何が原因で順位が上下しているのかを見る必要があります。毎年発表されていますので注目してください。

 以上のように日本の位置付けを客観的に見て「自虐的な」日本人ではなく未来志向になるべきでしょう。

 

 

●執筆者Profile
笹谷 秀光(ささや・ひでみつ)
1976年東京大学法学部卒業。 77年農林省(現農林水産省)入省。 中山間地域活性化推進室長等を歴任、2005年環境省大臣官房審議官、06年農林水産省大臣官房審議官、07年関東森林管理局長を経て08年退官。同年(株)伊藤園入社。取締役、常務執行役員を経て19年4月退職。2020年4月より千葉商科大学基盤教育機構・教授。現在、社会情報大学院大学客員教授、(株)日経BPコンサルティング・シニアコンサルタント、PwC Japanグループ顧問、グレートワークス(株)顧問。日本経営倫理学会理事、グローバルビジネス学会理事、NPO法人サステナビリティ日本フォーラム理事、宮崎県小林市「こばやしPR大使」、未来まちづくりフォーラム2019・2020・2021実行委員長。著書に、『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版)ほか。企業や自治体等でSDGsに関するコンサルタント、アドバイザー、講演・研修講師として幅広く活躍中。

■著者公式サイト─発信型三方良し─
 https://csrsdg.com/

■「SDGs」レポート(Facebookページ)
 https://www.facebook.com/sasaya.machiten/

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笹谷秀光

千葉商科大学基盤教育機構・教授

1976年東京大学法学部卒業。 77年農林省(現農林水産省)入省。 中山間地域活性化推進室長等を歴任、2005年環境省大臣官房審議官、06年農林水産省大臣官房審議官、07年関東森林管理局長を経て08年退官。同年(株)伊藤園入社。取締役、常務執行役員を経て19年4月退職。2020年4月より千葉商科大学基盤教育機構・教授。現在、社会情報大学院大学客員教授、(株)日経BPコンサルティング・シニアコンサルタント、PwC Japanグループ顧問、グレートワークス(株)顧問。日本経営倫理学会理事、グローバルビジネス学会理事、NPO法人サステナビリティ日本フォーラム理事、宮崎県小林市「こばやしPR大使」、未来まちづくりフォーラム2019・2020・2021実行委員長。著書に、『Q&A SDGs経営』(日本経済新聞出版)ほか。企業や自治体等でSDGsに関するコンサルタント、アドバイザー、講演・研修講師として幅広く活躍中。

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