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霞が関情報「地方財務」2024年11月号(ぎょうせい)

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2024.12.06

※2024年10月時点の内容です。
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『月刊 地方財務』2024年11月号

芸能関係、週60時間以上拘束35%(厚生労働省)

 政府は2024年版の「過労死等防止対策白書」を閣議決定した。芸術・芸能関係でスタッフとして働く従事者について、過労死の認定の基準とされる、週60時間以上拘束されている人の割合が35.2%になっているという調査結果を紹介。一般就業者全体に比べてうつ傾向が高かったり、ハラスメントや取引上のトラブルを経験する人が多かったりする実態を示した。

 「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(8月に閣議決定)で、芸術・芸能分野が調査研究の重点分野として追加された。これを受け、23年10~12月に、映像監督や演出家、脚本家、編集者といった芸術・芸能のスタッフとして主に働く488人を対象に調査を実施した。

 芸術・芸能スタッフへの調査結果によると、仕事の関係者からのハラスメントに関する問いに対し、最も多かった回答が「心が傷付くことを言われた」で42.0%だった。次いで「殴られた、蹴られた、叩かれた、または怒鳴られた」の22.3%、「必要以上に身体を触られた」が4.5%、「性的関係を迫られた」が3.5%だった。取引上のトラブルの経験を聞いたところ「仕事を受ける前に報酬額を提示されない」が51.0%で最多だった。

 大綱には、芸術・芸能従事者も含め、フリーランスの多様な働き方に応じた取り組みを進めることが明記されている。福岡資麿厚労相は記者会見で「引き続き、過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることができる社会を実現するという使命感を持って、対策に全力を挙げて取り組んでいきたい」と述べている。

25年度に教養区分新設(人事院)

 人事院は2025年度、一般職大卒程度試験に「教養区分」を新設することを決めた。法律学や化学といった専門試験は課さず、一般的な教養や速く正確に課題を解く能力に関する試験とする。併願する例が多いとされる地方自治体や、採用活動が早期化する民間企業の動きに対応し、一般職の試験により多くの志望者を誘致するのが狙いだ。

 民間企業との併願を考えており進路が決め切れていない学生への対応として、受験可能年齢を「20歳以上」とし、大学3年からの受験もできるようにする。

 教養区分の1次試験は、公務員として必要な基礎的な知能や知識に関する多肢選択式の「基礎能力」と、速く正確に課題を解く能力に関する多肢選択式の「課題対応能力」、判断力や思考力に関する「一般教養論文」の3種類。2次試験として、人柄や対人能力に関する個別面接を実施する。

 採用人数は、25年2月ごろに公表する予定にしている。合格者数は各府省の採用予定数を踏まえて決定する。

 一般職試験は過去10年間で申込者数が約3割減少しており、各府省は採用に苦慮しているという。こうした状況を受け人事院は、8月の給与勧告と同時に公表した「公務員人事管理に関する報告」で、自治体と併願する例も多いとして、志望者を誘致するための新たな試験区分の25年度実施に言及している。

 幹部候補となる総合職については、既に教養区分が導入されており、同区分の申込者数は堅調に推移しているという。

グリーンインフラで入門書(国土交通省)

 国土交通省の「グリーンインフラの市場における経済価値に関する研究会」は「グリーンインフラの事業・投資のすゝめ」をまとめた。生物の生息の場の提供や良好な景観形成、気温上昇の抑制など自然環境が持つ機能を社会のさまざまな課題解決に活用しようとするグリーンインフラの入門書として位置付けた。多様な経済効果を多くの事例を通じて示している。

 研究会は、大学教授や金融機関の代表ら有識者で構成。入門書の副題は「経済効果の見える化を通じた都市開発・まちづくりにおける投資促進に向けて」とした。

 入門書では、グリーンインフラが企業の資産価値・不動産価値にポジティブな影響を与えることや、その波及経路についても整理・分析した。

 グリーンインフラの経済効果が発揮された具体例も提示した。新庁舎整備と同時に隣の放棄林の既存樹木を生かした緑地整備を進めた「にぎわいの森」(三重県いなべ市)を掲載。森の開業前後で市の観光入り込み客数が約2倍に増えた成果などを紹介している。

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