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霞が関情報「地方財務」2024年8月号(ぎょうせい)

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2024.09.02

※2024年7月時点の内容です。
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『月刊 地方財務』2024年8月号

採用試験の新区分創設を(人事院)

 人事院は、2023年度の「年次報告書」(公務員白書)を国会と内閣に提出した。国家公務員の人材確保が危機的状況にあるとの認識を提示。公務組織を支える多様で有為な人材確保のための一体的な取り組みとして、官民人事交流の促進のための発信強化や、一般職試験(大卒程度)で専門試験を課さない新区分の創設などを報告した。

 白書は、優秀な人材を公務に呼び込むため、時代環境に即した国家公務員の人事管理の重要性について言及。それだけでなく、新たな時代を見据え、これまでの延長線上ではない、抜本的な構造改革に取り組む必要があると訴えた。

 こうした課題を横断的に議論するため、有識者による「人事行政諮問会議」を開き、中間報告を受けたことを紹介。同会議の最終提言を待たずに聖域なく先んじてできる施策に着手していく方針を示した。

 採用試験の実施方法の見直しは、22年の給与勧告に伴う報告に盛り込まれており、専門試験を課さない新区分の創設について、各府省の意見を聞きながら検討を進めたとしている。

 人材確保のためには、処遇面の取り組みも不可欠であり、潜在的な公務志望者層の公務員給与に対する従来のイメージを変えていく必要があると指摘。新卒初任給や、若手・中堅優秀者の処遇、民間人材の採用時の給与のベースなどの引き上げを例示し、人事院が24年の給与勧告を念頭に、具体化に向けた作業を進めているとした。

運航整備士の業務範囲拡大(国土交通省)

 国土交通省の「航空整備士・操縦士の人材確保・活用に関する検討会」は中間取りまとめを出した。2030年までに訪日外国人旅行者数を6000万人に増やす政府の目標を踏まえ、整備士制度を大幅に見直し、人材の有効活用を推進するよう促している。日常の運航間の整備(ライン整備)を念頭に置いた資格であり、比較的早期に養成可能な「運航整備士」の業務範囲の拡大などを盛り込んでいる。

 運航整備士は、航空機全般の整備を担う「航空整備士」よりも業務範囲が狭く、軽微な作業に限定されているため、比較的早期養成が可能となっている。ただ、現状では、運航整備士の業務範囲が実際のライン整備の6割程度にとどまっており、現場のニーズに対応できていない。

 そこで、運航整備士の業務範囲を拡大し、ライン整備で頻度の高い整備業務を含めるとともに、これに対応した運航整備士の養成・試験が可能となるよう制度の見直しをするよう要請。25年度の早期に制度を改正するよう求めた。

 また、大型機の整備は、現行制度で型式ごとのライセンス(型式限定)が必要。これについて、整備作業の共通化・標準化が進展していることなどを背景に、比較的単純で容易な作業に当たる運航整備士の整備業務について、型式限定は不要とするよう見直しを促している。

 中間取りまとめには、このほか
▷自衛隊整備士の活用促進
▷外国人整備士の受け入れ拡大▷戦略的な普及啓蒙
──などを盛り込んだ。

輸出に積極的な42か所選定(農林水産省)

 農林水産省は、農畜産物などの輸出の手本となる取り組みをしている地域「フラッグシップ輸出産地」として、42か所を認定した。関係団体の代表や学識経験者らで構成する同省の「フラッグシップ輸出産地に関する有識者会議」が審査して選んだ。分類の内訳は、畜産物が10か所、青果物が22か所、花きが2か所、茶が6か所、コメが2か所となっている。

 産地の選定では「輸出先国・地域の規制やニーズに対応した輸出をしている」「一定の量か金額の輸出実績がある」「サプライチェーンを構築し、継続的・安定的な輸出をしている」という3つの基準を満たすことを条件とした。

 有識者会議は選定に伴い、フラッグシップ輸出産地への支援に関して
▷輸出向け生産基盤の確保
▷サプライチェーンの確保
▷輸出関連技術の開発・普及
▷サステナビリティ(持続可能性)への対応
▷輸出人材の育成・確保
▷輸出に係る有用な情報の共有
▷海外への産地情報の発信
──を求める提言を出した。

 提言は、産地の成長段階に応じたメリハリのある支援を要請。それに加え、輸出に取り組む産地の掘り起こしや輸出産地のすそ野拡大などに引き続き積極的に取り組み、バランスの取れた援助をするよう求めている。

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