霞が関情報
霞が関情報「地方財務」2024年4月号(ぎょうせい)
時事ニュース
2024.05.15
※2024年3月時点の内容です。
霞が関情報
(『月刊 地方財務』2024年4月号)
テレワークでガイドライン(内閣人事局・人事院)
内閣人事局と人事院は「国家公務員におけるテレワークの適切な実施の推進のためのガイドライン」をまとめた。各省庁で統一した基準を示す指針として位置付けている。業務上の支障がない限り、職員の希望に応じてテレワークを可能とすることを基本的な考え方に据えた。
河野太郎国家公務員制度担当相は記者会見で「(ガイドラインを通じて)職員のワーク・ライフ・バランスを改善するとともに、優秀な人材を確保するための多様な働き方を促していきたい。各省庁にしっかり周知する」と述べた。
ガイドラインは、テレワークは職務命令によって実施されるが、勤務形態や業務内容、職員の事情などの多様性への配慮も必要だと指摘。テレワークが可能な場所や対象となる業務・職員、職員が希望する際に必要な申告事項などは、各府省が内規で定めておくべきだと促した。
通常時のテレワークについて、職員の希望・申告を前提にすることを原則にするのが適当だとした。テレワークの対象外とする業務に関して、新規採用や異動直後など一時期に対面でのコミュニケーションが望ましいと管理職が判断する場合などを例示した。
人事院の「テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方に関する研究会」は2023年3月に最終報告を出した。この中で、テレワークの実施に関する統一的な基準を指針・ガイドラインの形で各省庁に示し、適正で公平な運用を確保することが適当だと促していた。
環境負荷低減でラベルデザイン(農林水産省)
農林水産省は、農産物の環境負荷低減の取り組みを「見える化」する取り組みの一環として、新たなラベルデザインを決定した。同時に、ラベル表示のための基本的な考え方や手順などを整理して「農産物の環境負荷低減に関する評価・表示ガイドライン」を作成。同ガイドラインに沿った本格運用を始めた。農林水産業の生産力向上と持続性の両立を実現させる政策指針として、2021年5月に策定された「みどりの食料システム戦略」に基づく対応だ。
新たなラベルデザインは、生産者の温室効果ガス削減への貢献やコメに関する生物多様性保全の取り組みを「星」の数で評価する。対象はコメやトマト、キュウリ、ホウレンソウ、キャベツ、リンゴ、ミカン、お茶など23品目とした。
生産者は、対象農産物生産に伴う農薬や肥料、燃料の使用量などから温室効果ガスの「削減貢献率」を算定。一定の値より高い場合に、貢献率に応じて1~3の等級が表示される。
ガイドラインは、温室効果ガス低減技術や生物多様性保全に取り組むことによる環境負荷低減への貢献を、農業者が自ら把握できることがメリットだと指摘。その結果を販路の拡大、商品の差別化、投資の呼び込み、消費者へのアピールに活用することができるとしている。
ただ、厳密な製品間の比較のためではなく、生産者の環境負荷低減の努力を消費者に分かりやすく伝える取り組みだと説明している。
坂本哲志農水相は「環境負荷低減の努力が伝わることで消費者の選択にもつながる」とした上で「関係者の理解と協働を得ながら、持続的な食料システムの実現に向け農林水産省一丸で取り組んでいく」と述べた。
不動産情報で新システム(国土交通省)
国土交通省は、不動産取引の際に参考となる価格や周辺施設、防災、都市計画といった情報をインターネット上の地図上に重ね合わせて表示する新しいシステム「不動産情報ライブラリ」の運用を4月から始める。円滑な不動産取引を促進するのが狙いだ。
国や自治体のオープンデータを活用し、消費者がスマートフォンなどでも利用できるようにする。掲載情報は、地価のほか、公共施設、学校・学校区、幼稚園・保育所、福祉施設、医療機関、洪水浸水想定区域、都市計画区域・市街化区域・市街化調整区域など。
システム同士を連携できる「API」を活用し、ライブラリが公開している情報と、ユーザーの持っている情報を重ね合わせて表示できる。
不動産取引の際、消費者は価格だけでなく周辺の公共施設や学区、防災に関する情報を参考にしていることが多い。こうした情報は国や自治体から提供されているが、一元的な把握が難しい。そこで、利用者のニーズに応じた情報を地図上に分かりやすく掲載できるシステムを構築することにした。